SDGsは悪なのか【人新生の資本論を読んで】
SDGsへの批判(≠否定)の声
斎藤幸平さんの本(↓)が有名だとおもいます。今の資本主義の下でSDGsを実行しようとしても、SDGsという言葉だけが企業のお金稼ぎの道具になるだけで、本質的な社会問題は解決されない、というのはよく言われていると思います。
僕自身も、モノの消費を促すことが善だと考えられている今の日本社会では、環境問題の解決は遠くなるばかりだと思っています。最近では、ごみ問題にも関心を寄せているんですが、循環経済に関しても同じことが言えるのではないかと考えています。循環することで儲かるとなれば、みんながこぞって循環のための材料を集めだして、それに伴って消費量が増加していく気がします。なので、3Rに対しては一部賛成、一部否定です。
あちらを立てればこちらが立たず
SDGsの一番大きな課題は「あちらを立てればこちらが立たず」にあると思っています。目標を個別化したことで、各目標に取り組みやすくなった一方で、ある目標を達成しようとするあまり、別の目標が達成されない(もしくは悪影響を与えてしまう)。
例えば、ソーラー発電。電力生産時のCO2排出量を見れば、他の発電方式よりはクリーンになるので、SDGs目標7の達成に近づくと思います。
が、そもそものソーラーパネルやバッテリーに使われるレアメタルの収集が問題を引き起こしています。利権があるためか日本のメディアでは取り上げていないようですが、中国やアフリカの方で劣悪な環境下でのレアメタル採掘が強いられているのが現状かと。もっと言えば、採掘現場近くの周辺環境は重金属に汚染される可能性が高くなります。
そのため、目標7を目指すあまり、目標10を完全に無視している状態ですね。
・必要なのはライフサイクルの視点?
結局「ゆりかごから墓場まで」の概念が重要になってくるのではないかと。自分がやっていることの最初から最後までを責任をもって見届けることで、本当の持続性に気付くんじゃないかと思います。