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2023/03/03の日経を読んで
政府は2023年度から陸海空3自衛隊の運用や作戦情報を一元集約する「中央クラウド」の整備を始める。陸海空がそれぞれ個別のシステムで指揮統制に関する情報などを管理する現行の体制を改める。各部隊が連携する統合運用の強化に繋げる。
記事を要約すると共に所感を述べたい。
政府は米軍との窓口になる常設の「統合司令部」を数年以内に新設する
中央クラウドでは閉鎖的なシステムとして運用し、防衛装備品の在庫や状況、部隊の運用計画などの情報を蓄積し、必要な時に権限を持つ者が閲覧できる仕組み
自衛隊では現在、陸海空それぞれで情報を管理している
有事や大規模災害時の指揮統制のために中央指揮システムはあるが、必要な情報はその都度、担当部門から取り寄せるため情報共有に時間を要する
中央クラウドはこれとは別で日頃から各部隊や装備の状況を管理把握するシステムである。
現在の様に複数のシステムで情報を分散管理しているとサイバー攻撃を受ける対象が多くなり、防御にも手間がかかりリスクが膨らむ。
中央クラウドにすれば一極集中型のサイバーセキュリティー対策を講じることができる
23年度予算案でな関連費用として430億を計上し、システムの負荷集中を避けるため、27年度までに段階的に移行する
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自衛隊のサイバーセキュリティへの重要性は昨年末の防衛3文書改訂でも記されている通り、ますます上がっている。その様な中で、対応の強化は必須である。疑問に思うに、記事では複数のシステムで情報を分散管理することで、サイバー攻撃を受ける対象が多くなるとあるが、むしろ一極集中の中央クラウドにすると、攻撃対象が明確になってしまうのでは無いだろうか?投資と似た考えで分散投資、分散システムの方がリスクは少ない様に思えるが、防衛省としては強固な中央クラウドにした方が管理もしやすいのだろう。であれば中央クラウドは相当強固なセキュリティー体制を構築せねば、意味はなく本末転倒である。中央クラウドシステムの動向に注目したい。