2024/09/03の日経新聞を読んで
全日本空輸は2日、機体と空気の摩擦抵抗を減らす「サメ肌」の特殊フィルムを装着した貨物専用機(フレイター)を就航させた。燃費改善効果は航空機1機につき年に1%ほど。温暖化ガス排出実質ゼロを実現する切り札となる再生航空燃料(SAF)が普及するまで、即効性のある技術を先駆けて導入する。記事を要約すると共に所感を述べたい。
この機体は表面の7割をドイツのルフトハンザ系メンテナンス会社、ルフトハンザテクニック社と独化学大手BASFが共同開発した「エアロシャーク」で覆っている。
サメの肌を模した微細な凹凸で飛行中の摩擦抵抗を減らす特殊フィルムだ。
ANAはエアロシャークの装着で、1機当たり年間約250トンの燃料消費と約800トンの二酸化炭素排出を削減できると見る。
燃料消費量の低減効果は1%ほどだが大きな1%となる
サメ肌の特殊フィルムを装着した航空機の飛行試験は日本航空も実施しているが、ANAによるとアジアで実際に運航した航空会社は初だという。
ANAホールディングスは23年度に1051万トンのCO2を排出した。
うち航空機の運航による排出量は1047万トンとなり、ほぼ全量を占めた。
同社は50年度までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げるが、達成に向けて航空機の脱炭素技術を積み重ねる必要がある。
航空各社が脱炭素の本命と目する技術は使用済み食用油などからつくるSAFだ。
供給から運搬、使用までサプライチェーン全体でのCO2排出量は、既存のジェット燃料と比べて約8割低減できるとされる。
24年のSAF生産量は19億リットルで前年比3倍を見込むものの、航空産業で必要な燃料量のわずか0.5%にとどまる。
【所感】
昔から地球温暖化に向けての対策はあり続けたが、ANAのサメ肌は希望となることを期待したい。本日の日経の一面では、2026年度に本格導入する温暖化ガスの排出量取引制度で、排出削減を達成できなかった企業が他の企業から排出枠を購入しなかった場合に課徴金を課す調整に入ったとあった。いよいよ、環境問題に対しての課徴金額発生する。
再生航空燃料であるSAFにも期待がかかる。既存のジェット燃料のCO2排出量が8割削減になるのだから、夢の様な取り組みとなる。これが実現できれば、ANAは温暖化ガスの排出量取引制度で他社に優位に立てるし、ドル箱にも変貌するかもしれない。まずはサメ肌の成功を祈りたい。