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2023/09/04の日経を読んで

NATO加盟国の多くが国防費をGDP比2%以上に増やす目標を達成できずにいる。NATOの推計では2023年に2%を超えるのは約3分の1の11カ国にとどまる見通し。各国は国防費の積み増しに動くが、機動的な歳出増の壁は高い。記事を要約すると共に所感を述べたい。

  • NATOは組織の通信ネットワークや早期警戒管制機(AWACS)などの費用を、加盟国から一定割合で拠出される共通予算でまかなっている。

  • 各国はそれぞれの国防費をGDP比2%以上に増やす目標を掲げるが、7月に開いたNATO首脳会議では「少なくとも2%」とする新目標で合意した。

  • 22年時点で達成したのは7カ国。23年は米国や英国、ポーランド、ギリシャ、エストニア、リトアニア、フィンランド、ルーマニア、ハンガリー、ラトビア、スロバキアが2%以上を充てるとみる。

  • フランスは1.9%、ドイツは1.57%、トルコは1.31%といずれも2%を下回った。エネルギーや食糧価格の高騰で国民生活は苦しく、世論に配慮して機動的な国防費の増額が難しい側面もある。

  • ドイツは24年にも2%目標を達成する方針だ。第2次世界大戦でナチスの台頭を許した教訓から、ドイツは紛争地への武器供与などの拡大に慎重姿勢をとっており、1990年代後半以降、国防費はGDP比で1%台前半にとどめてきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて歴史的な方針転換を決めた。

  • 国防支出の増加は、サイバーや宇宙、偽情報といった安全保障の新領域における体制整備のために重要だ」と多くのNATO関係者は強調する

  • ロシアや中国はこうした分野に積極投資しており、NATOが出遅れる事態を懸念する。

日本の防衛は戦後最大の歴史的転換点を迎えたと各種メディアでは報道がある。そして、それは日本だけでは当然無い。ドイツが日本と似た立場にあるように思える。第二次世界大戦では同じ枢軸国として同盟を組み、負けはしたが、戦争の反省から、GDP比を上げるのには慎重な声もある。とはいえ、政府の掲げる抜本的な防衛力改革とはまずは数字ありきである。来年度の防衛費も概算要求で7.7兆である。数字を確保しなければ、財源を確保しなければ改革も進められない。併せて、今後のNATO各国の動きにも注目したい。

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