2024/07/10の日経新聞を読んで
海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が衝突し墜落した事故で、不適切な見張りや指揮官の連携不足が原因だったとする報告書を海自の事故調査委員会がまとめた。厳しい安全保障環境を背景に訓練が高度化する一方、安全対策が追いついていない可能性がある。海自ヘリの事故は続発しており、指揮官による高度管理の徹底といった再発防止策の実効性が課題となる。記事を要約すると共に所感を述べたい。
海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が衝突し墜落した事故で、不適切な見張りや指揮官の連携不足が原因だったとする報告書を海自の事故調査委員会がまとめた。
海自ヘリの事故は続発しており、指揮官による高度管理の徹底といった再発防止策の実効性が課題となる。
事故調査委が9日にまとめた報告書が明らかにした問題点は大きく2つある。
1つは不十分な乗員の見張り体制で、僚機との距離を誤認した可能性があると指摘した。
2つ目は指揮官による高度管理が不十分だった点だ。2機はそれぞれ別の指揮官の下で訓練に参加し、指揮官は高度差を確保するようヘリ側に指示していなかった。
指揮官の連携不足が起きた要因について、事故調査委担当者は「それぞれの指揮官同士で情報交換は行われていたが、正式な命令や報告という形で共有されていなかった」と説明した。
元海自幹部は「訓練に十分な時間を割けず、練度の向上が追い付いてない可能性がある。再発防止策の実効性を高めるためには訓練の強化が必要不可欠ではないか」と指摘する。
直近でも奄美大島沖で21年7月、不十分な見張りが原因で哨戒ヘリ2機が夜間訓練中に接触する事故が起きた。
特定秘密事案もあり、防衛省は週内にも3自衛隊と内部部局の防衛官僚の処分に踏み切る。
自衛隊は慢性的な人員不足で、23年度の採用想定人数に対する充足率は過去最低の51%だった。訓練の安全性担保は人材確保の前提になる。
【所感】
今年の4月にSH60K事故で亡くなった全ての方にご冥福をお祈りしたい。事故の原因が海自内での連携不足とはお粗末なものである。この訓練は夜間に行われた対潜水艦を意識した訓練であり、非常に難易度が高かった訓練である。だからこそ、徹底的な訓練の準備は必要だ。一方で中国や北朝鮮への監視といった実運用も近年は増えており、訓練への時間が避けれないのも事実。さらにそこへ慢性的な自衛隊員の人不足が押し寄せて、さらに頻繁に訓練を実施するのが難しい。そうなるとやはり、一つ一つの訓練の質と密度を上げる。テストをして、合格しないと先に進めないなど制約を求めてはどうだろうか。
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