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結局Syamu Gameとは何者なのか-彼を特別にしたもの-



彗星の如く現れた奇妙な男


2014年に突如としてニコニコで大ブームとなった「オフ会0人」ことsyamuさん。彼の投稿していた莫大な量の動画が素材となり、様々なmadが制作されたことで人気はさらに加速した。一躍インターネットの人気者となった彼だが、無職であること、おかしな行動等を隠そうともしない異常さがウケたにすぎず、本人のユーモア、ジョークセンスは壊滅的だった。(もちろんそれもネタにはされているが)
しかし、インターネットを少し散策すればわかることだが、syamuさんのような少し変わった人は山のようにいるし、syamuさん以下の動画を延々と投稿している底辺youtuberと呼ばれる人々も大勢存在する。

なぜsyamuさんは大ブームとなったのか。何が彼を特別にしたのか。

本稿ではその謎に迫りたい。

現在のsyamuさん

いきなり余談になってしまうが、一応現在の彼を見ておきたい。2023年6月現在、syamuさんはtwitter、ニコニコ、youtube、instagramを使用し細々と動画投稿を継続している。また、ゾット帝国(オリジナル小説)の執筆を継続しており、イラストレーターを起用した出版を予定しているそうだ。

彼の動画では「愛のある動画にしよう」という文言が度々見られる。まあ散々ネットリンチに遭ってきた彼にとって当然の要求だろう。彼のウケ要素である自身のおかしさをツッコまれるという構造が、彼には耐えがたいのだ。

「自己肯定感の低い者ほど謝らない」と、よく言われる。ギリギリで自分を保っている人間は、自身の落ち度を認めるというストレスに耐えられないからだ。syamuさんが、自虐によってウケを取ろうという安易な無職ネタに走れないのにはそういう心理がある。しかしそういう彼の不器用さが、彼を2重3重に面白くしている。

壮大な勘違い

私は、2014年8月に行われた彼の「第一回オフ会」(オフ0)に至るまでの彼の「勘違い」こそが、syamuさんを唯一無二にしたポイントであり彼の輝きであると思っている。彼がオフ会0人にたどり着くまでには、決して一筋縄ではいかない道のりがあったのだ。

まず、syamuさんはのび太のバイオハザードの実況によって、キッズ層からそこそこの再生数を得ていた。しかし彼は自身の動画で、「幅広い年齢層の男女に視聴されている」と公表している。(クリエイターツールでは視聴者の年齢層や性別を見ることができる。) 実際彼は、「30~40代女性視聴者が多い」という発言をしている。
彼が「キッズが母親のアカウントで視聴している」という当たり前の発想をできるはずもなかった。自分は女性からも視聴されている=モテていると勘違いしてしまったのだ。それこそが彼の最大のミスだった。

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