【勉強投稿】人間作業モデルの意思について
人間作業モデル(Model of Human Occpation:MOHO)の概要
人間作業モデルは、1980年にアメリカ作業療法学会雑誌にギャリー・キールホフナーによって発表された根拠に基づく実践的モデルです。現在、作業に焦点を当てたモデルとして世界で最も広く使われている一つです。
大まかな概要として、人間を「意思」「習慣化」「遂行機能」の三つの構成要素で捉え「環境」と相互的に交流しながら、作業に従事、参加をしていく変化に焦点を当てています。
今回は「意思」についてまとめようと思います。
意思の過程
意思は作業を行うための動機として重要な役割を担っています。また、人は特有の考えや感情を持っており、その人の覚醒レベル、感覚様式、気質、機能障害といった生物学的傾向から意思を作り上げています。MOHOでは意思を三つの要素で捉えています。
・個人的原因帰属:自分の能力と効力性の認識
・価値:自分の行うことの重要さの意味
・興味:行うことに楽しみや満足感をもたらす
さらに、自分が行うことを予測し、選択し、経験し、解釈するといったサイクルのなかで意思が構成されるとしています。
例えば、作業療法学生が、自分は解剖生理学が得意であるため身体障害領域の就職が適していると考え(予測)、脳血管疾患や整形外科疾患の患者が多く入院する回復期病棟へ就職した(選択)。しかし、人の複雑なニーズなどを理解することに四苦八苦することになる(経験)。そこで、作業に着目したアプローチが重要と考え(解釈)、作業モデルを使用することに大きな意味を感じている。といった具合です。
意思は、作業を行うための根底の動機として重要であるため、介入の際は評価をするべきと考えています。そのために、MOHOでは、意思質問紙(VQ)や作業質問紙(OQ)など定量化されている評価バッテリーが存在します。
おわりに
今後も、その他のMOHOの構成要素や作業モデルをまとめていこうと思っています。暇なときにちらっとみていただけたら幸いです。