【増配修正】【9284】カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人【2024年6月期】:分配金予想&投資口価格試算の備忘録
【増配修正】カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
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12/19に自己投資口の消却と、分配金の予想修正が発表された。
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投資口が11,757 口消却されて439,999 口に、2024年12月期は154円の増配、2025年6月期は83円、2025年12月期も80円の増配予想。
分配金予想
予想算出の前提条件
・12/19発表の投資口消却と増配を考慮
・直近の営業収益をベースとする
・発電所の新規取得を行わなかった場合とする
・FIT後の売電価格は厳しめの5円/kWhと仮置き(参考:最新の取引価格)
・経年劣化1年あたり0.5%とする
・借入金は2040年時点でLTV50%程度となるように返済しているものとする
増配した場合においても変わらずに2038年まで配当金の維持が可能。
分配金予想に基づく投資口価格の試算
複数シナリオで投資口価格を算出してみる。
なお、2024年6月期決算時点での1口当たり純資産は102543円とのこと。(投資口消却前)
パターン① 最悪シナリオ
・条件
FIT後の売電価格:0円/kWh(FIT後の発電所が無価値化)
必要な利回り:10%(超インフレ・高金利環境継続)
・理論投資口価格
45701円
パターン② 厳しめシナリオ
・条件
FIT後の売電価格:5円/kWh
必要な利回り:8%(インフレ・高金利環境継続)
・理論投資口価格
56344円
パターン③ 標準シナリオ
・条件
FIT後の売電価格:7.5円/kWh
必要な利回り:5%
・理論投資口価格
74469円
パターン④ やや楽観シナリオ
・条件
FIT後の売電価格:10円/kWh
必要な利回り:3%
・理論投資口価格
92745円
パターン⑤ ゼロ金利環境に戻るシナリオ
・条件
FIT後の売電価格:10円/kWh
必要な利回り:1%
・理論投資口価格
111420円
上場インフラファンド投資の注意点
上場インフラファンドは、見かけ上、超高配当(直近では8%や12%)に見えるが、FITの電力買取に期限があることを考慮すると、実質的にはそこまで高配当ではない。その点を考慮して実質的な利回り(利回りから逆算される投資口価格)を試算する。
制度上、導管性や出力抑制といった分かりにくい点があることや、債券に近い性質から利上げは価格下落の圧力となることも理解が必要。
利益超過分配金については、減価償却費から支払われるため所謂タコ足配当ではないものの、資産が減る=規模の縮小になり、持続性の観点からは望ましくないかもしれない。
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