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【9282】いちごグリーンインフラ投資法人【2024年6月期】:分配金予想&投資口価格試算の備忘録


上場インフラファンド投資の注意点

上場インフラファンドは、見かけ上、超高配当(直近では8%や12%)に見えるが、FITの電力買取に期限があることを考慮すると、実質的にはそこまで高配当ではない。その点を考慮して実質的な利回り(利回りから逆算される投資口価格)を試算する。

制度上、導管性や出力抑制といった分かりにくい点があることや、債券に近い性質から利上げは価格下落の圧力となることも理解が必要。

他の上場インフラファンドの予想一覧は下記で。

いちごグリーンインフラ投資法人

いちごグリーンインフラ投資法人株価も他の上場インフラファンドと同様に下落を続けている。

分配金予想

予想算出の前提条件
・直近の営業収益をベースとする
・発電所の新規取得を行わなかった場合とする
・FIT後の売電価格は厳しめの5円/kWhと仮置き(参考:最新の取引価格
・経年劣化1年あたり0.5%とする
・借入金は2040年時点でLTV50%程度となるように返済しているものとする

予想年間分配金

FIT期間が終了する発電所が出始める2033年以降の収益の減少が予想される。FIT期間終了による収益の減少により、2035年頃から分配金の減少が予想される。

分配金予想に基づく投資口価格の試算

複数シナリオで投資口価格を算出。
なお、2024年6月期決算時点での1口当たり純資産は35386円とのこと。

パターン① 最悪シナリオ
・条件
 FIT後の売電価格:0円/kWh(FIT後の発電所が無価値化)
 必要な利回り:10%(超インフレ・高金利環境継続)
・理論投資口価格
 20921円

パターン② 厳しめシナリオ
・条件
 FIT後の売電価格:5円/kWh
 必要な利回り:8%(インフレ・高金利環境継続)
・理論投資口価格
 26011円

パターン③ 標準シナリオ
・条件
 FIT後の売電価格:7.5円/kWh
 必要な利回り:5%
・理論投資口価格
 33785円

パターン④ やや楽観シナリオ
・条件
 FIT後の売電価格:10円/kWh
 必要な利回り:3%
・理論投資口価格
 42013円

パターン⑤ ゼロ金利環境に戻るシナリオ
・条件
 FIT後の売電価格:10円/kWh
 必要な利回り:1%
・理論投資口価格
 49394円

投資口価格の試算


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