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No. 21 英語教育とidentityについて 19【translanguaging】

はじめに

久々の更新になってしまいました。。。仕事は試験期間前で忙しく、プライベートも最近は何かとやることが多いのですが、自分なりのペースで更新できたらと思います。

さて、前回の投稿では「誰も傷つかない英語学習・教育」という、僕が今後目指していきたい方向性について書きました。

今回の投稿では、このnoteの二大テーマの関わりについていよいよ書いていきたいと思います。すなわち、「identityとtranslanguagingとの交差点」についてです。

identity categoryについて

以前、英語教育とidentityについて⑤の投稿で、Block (2014)に記されているidentityのカテゴリー(種類)について書きました。

具体的には、ethnicity and race・nation・migrant・gender・social class・languageなど、identityを構成するメジャーな要因についてまとめました。

そのなかでも、英語学習・教育において一番関わりが深いのが、langauge に関わるidentity (=英語を学ぶことで創出、構築、表現できるidentity)だと思います。それはたとえば、「関西弁スピーカー」」といったlanguageをベースとしたidentityのことです。英語学習・教育の文脈で言えば、「ネイティブ」「帰国子女」「バイ/マルチリンガル」などがよく聞くものであると思います。

日本の英語教育が目指してきたのは、日本語や日本文化に精通しつつ、英語をしっかりと使える「グローバル人材」の育成でした(詳しくはこちら)。言い換えると、「global identityの養成」を主眼に置いた英語教育だったということです。これは今でも大きく変わっていないと思いますし、このこと自体に異論はないのですが、僕はこのままでは物足りない英語教育になってしまうと思っています。その理由は最初の投稿でも書いたことなのですが、これからの時代には「英語が堪能なバイ/マルチリンガル」はさほど必要とされないと考えられるからです(No. 11の投稿など、これまでの投稿をお読みになれば話がわかると思います)。

では、英語学習・教育を通じて、どのようなidentityを養成すべきなのでしょうか。その一つのこたえは、translingual identityであると、僕は考えています。

translingual identity

ここでいよいよ、このブログのもう一つのテーマである、translingualが出てきました。translingualとはなんなのでしょうか?

これからの投稿で深く考察していきますので、今回はひじょ〜に簡単かつ大まかな考え方を記して終わりにします。

multilingualsが「複数の言語をcode-switchingで使いこなす人々」だとしたら、translingualsとは、「複数の言語をtranslanguagingで使いこなす人々」である

多くの読者の方が???となっていると思いますが笑、今後の投稿で詳しく書いていきますのでご安心ください。

今回一つだけ明確にしておくとしたら、「translingualはmultilingualはよく似ているが、同じというわけではない」ということです。

何がどう似ていて、何がどう異なっているのか、これからの投稿をお楽しみください。

おわりに

今回の投稿では、これからの英語教育においてはtranslingual identityの養成が重要になるということを提唱しました。「グローバル人材」「バイ/マルチリンガル」を目指すこれまでの路線と180度異なるというわけではありませんが、translingualという新たなるベクトルに向かっていくべきだと僕は強く考えています。

これからの投稿では「英語教育とtranslingual identityの養成」ということについて深く考えていきたいと思います。

今後ともお楽しみいただけると幸いです。

参考文献

Block, D. (2014). Second language identities. Bloomsbury.

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