『ご縁あってお逢いできた皆さまに…』
10月15日、新月の夜に一つの命が幕を閉じた。すい臓がん末期の女性であった。
はるかにご入居されてから、まだ10日。出逢って、12日目でのお別れとなってしまった。
私のところにご相談がきた時には、だいぶ衰弱が進み、食事が摂れず、水分は数口だけの状態だった。
最後までトイレでの排泄を希望されるも、なだれ込むように便座に座る状態だった。
出逢った時からずーっと、凛とした表情が素敵な女性であった。
いつも素敵な装いで、立ち振る舞いが上品な彼女を、
次男のお嫁さんは憧れだったという。
女性として、息子を持つ母として、お嫁さんにそう言ってもらえることは、とても羨ましいかぎりだ。
そんな彼女に最後、私たちからプレゼントさせていただいたものは、
フェイシャルエステ(*´▽`*) 予約日:14日㈯ 16:00~
14日の夕方には、既に血圧も低下し、血圧計での測定は不能になっており、呼吸も努力呼吸に近い状態が続いていたが、
『お顔のエステしてもらう?』の質問に、声が出せずとも、
しっかりと『うん』とうなずいた彼女。
息子さん達が見守る中、20分程でエステは終了したが、施術の最中に、『どうですか?気持ちいい?』と聞かれると、少し微笑み『うん』とうなずいていた。
この日の夜、ご家族が一旦御自宅へお戻りになった間の、3時間ほどだっただろうか…私は、枕元に座り様子を看ていると、口元が微かに動いて何かを訴えている。
でも私には、それが何と言っているのか、わからなかった。
それから数分後、左手が何かを一生懸命に探している。
そして彼女は… 私の右手をしっかりと握り、安心したかのように、また眠りについた。
なぜだか私は心の中で彼女に、『ごめんね(:_;)』と謝ってしまった。『ごめんね、私で。ごめんね…。』
現在、10人のお客様にご入居頂いている、「はるか」。
ここ「はるか」には、10人のお客様それぞれの生活がある。
パーキンソン病とリュウマチでご入居いただいたお客様は、ほとんど寝たきりの状態から、現在では支えられれば歩けるまでに回復され、自分が望む生活を送っておられる。
老衰でほぼ点滴のみで退院された女性は、車椅子に乗って、リビングで食事が摂れるまでになった。
通常のホスピへのご入居は、ありえないのかもしれないが、癌末であるも認知症で周辺症状が顕著な方々もご入居されている。
老老介護で共倒れが目に見える自宅へは帰ることはできない。そう、「はるか」が、最期のおうち。
これからますます、そんな方々が増えてくるであろう。
でもお客様、どうぞご安心ください。
皆さまの人生の最期は、私たち「はるか」の職員がしっかりと見守っていきます。ご縁あって、お逢いできた大切な皆さまだから…(*´ω`*)
最期まで… ゆっくりと暮らしていきましょう。
開設から半年… いよいよセデーション(鎮静)を希望されているお客様が…1人。
今週、その方のACP(人生会議)が行われる。
何が正しいのか…何が間違いなのか?
既に論点はそこではなく、ご本人・ご家族様が何を1番望んでいるのか?
そのためには何ができるのか?私たちに出来ることは何か?
お客様が最期まで自分らしく生きるためのお手伝いを、させていただきます。
最期のお家「はるか」が、こころ穏やかに過ごせる居場所でありますように…🌙
WANIMA りんどう
優しくて、かつ心に染みるようなちょっぴり切ない曲です。
心細い時、あなたはどのように過ごしていますか?
喜びを数えるようにしよう。
自分の物語は、何に代えることもできない。
りんどうの花のように生きてみようと曲の最後に伝えている、心にとても残る歌詞が印象的です。
りんどうの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛す」。
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