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『ありがとうございました… 良い旅を🌙☘』
大変ご無沙汰しております。
新緑の美しい季節になりました。空気までもが清々しく、まるでグリーンガムを噛んでいるかのように、さわやかな気分になります。
目的地のないドライブには絶好の季節です。
時々、無性に高速道路を走りたくなります。お気に入りの音楽を聴きながら、目的もなく走り続ける…。それは、自分と向き合い対話できる時間でもあります。日々の環境に感謝を伝え、今日までの自分にお礼を。
最近、【自分自身を大事にすること!】を学びました。
こうして今、この環境の中で、自分が存在できているのは、物体である私自身が、私の思考をすべて受け入れ、100%対応してくれているから。
きっと、毎日無理をさせているのだろうと反省しつつ、自分に労いの言葉をかけて、頭を撫でる。最近試みていることの1つです(^_-)-☆
今月はるかでは、3名のお客様が旅立たれました。
ALSという難病と闘い、59才という若さでこの世を去られた明菜さん。
中森明菜が大好きで、よくスタッフとお部屋で『Desire』を歌っていました。
YouTubeの中森明菜メドレーはお気に入りになっており、夜中でも早朝でも
にぎやかな『ハァ~どっこい!!』が聞こえてくる毎日でした。
最後まで人工呼吸器は使いたくないと、頑なに使用を拒み続けた彼女。
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彼女なりの決断を尊重した息子さんお2人と私たちスタッフ、主治医の先生。繰り返されたACPの中でも、揺らぐことがなかった人生の終い方。
明菜さん!あっぱれです!
『ご飯が食べられるようになって、トイレに行けるようになったら、お家に帰るなり、次の環境を探しましょうね!』と言って、元気になる前提でご契約をいただいたスーさん。
優しい娘さん方と、少し物忘れが進んできた奥様。
スーさんはあたたかな家族に囲まれ、最期の時を過ごされました。
鼻に入る酸素のチューブが嫌で、何度も取ってしまうスーさん。
途中からオープンフェイスのマスクに替えると、ナント今度はマスクを口にくわえておられました。思わず『ぷっ!』と、笑ってしまう場面もあり。
お酒が大好きだったスーさん。
ガーゼに浸した日本酒で唇をスリスリすると、ほんのり香る日本酒の香りに、うっとり酔いしれておられました。
この度、縁あってスーさんの奥様と介護保険を通してつながることが出来ました。間接的な関りにはなりますが、見守っていけることに幸せを感じております。
『さくらの花を見に行きましょうね!』
『お友達を呼んで、パーティーしましょう!』…
たくさんの【やることリスト】が掲げられ、それはそれは退院を心待ちにしておられた不二子ちゃん♡
断捨離がしたいと、お家から荷物を持ち込み、はるかのお部屋の中で荷物整理を行い、まずは一段落。
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バスケットボール部のお友達も会いに来てくれて、楽しい時を過ごせましたね。せっかく久しぶりに集まったんだから、一緒に写真を撮ったらと言っても、不二子ちゃんは首を縦には振りませんでした。なんでかな?とその時はわかりませんでしたが、今思えば、元気だった時の楽しかった思い出だけ、お友達には覚えていてほしかったのでしょうかね。
不二子ちゃんの心情がわかるような気がします。
最終ACPでは、『私はもう、ここからは何処にも行きません。具合が悪くなっても、チューブが詰まっても、もうこのまま静かに逝きたい。私の人生なんだから、誰の意見もいらないわ』とキッパリ言い放った不二子ちゃん。
悲しげに見つめるご主人は、だいぶ困惑している様子でしたが、主治医の先生も含め最終になるだろうACPは、方向性を取り違えることなく軌道修正され、不二子ちゃんの尊厳を守ることが出来ました。
でもそんな不二子ちゃん!最後は家族と過ごす時間を選択され、苦痛を和らげるお薬を拒否。
ご主人と息子さんがおこなってくれる足のマッサージと、その時交わされる家族の会話に包まれながら、眠るように逝かれました。
はるかの開設から、すでに何人ものお客様をお見送りさせていただいておりますが、未だに涙がこぼれます。多分これからもずっと、私は涙を流し続けることでしょう。でもその涙は悲しみの涙というより、感謝の涙なのかもしれません。
はるかを通して、お客様はもちろん、そのご家族様と出逢わせていただいたことへの感謝。人生の最期の時をはるかで過ごしていただけたことへの感謝。
すべての感謝が私の涙の雨だとすれば、きっとその先に、大きな虹がかけられることでしょう。大きく手を振って虹を渡っていく皆さまが、目に見えるようです。
🌙… 良い旅を☘
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