【GW/おでかけ】ネットが普及している中でZ世代はなぜ人とオフラインで会うのか
コロナの自粛が解けた後、ゴールデンウィークの期間においては、徐々に外出率が回復していったことが報告されています。今回はアフターコロナ後のお出かけ先について、コロナ前と比較してどのように変化したのかを見ていきましょう。
はじめに
ソーシャルディスタンスを意識した外出先が人気に
自宅待機が続いたことで、外出先の嗜好にも変化が見られるようになりました。例えば、自然豊かな場所や、人が少なく落ち着ける場所への需要が増加しているようです。また、家族や友人との過ごし方にも工夫が見られ、BBQやアウトドアなど、自分たちで楽しめるアクティビティの需要が高まっています。
旅行の需要については、国内旅行が徐々に再開されるなかで、地方の観光地や温泉など、自動車やマイレンタカーで行って楽しむ旅行が増えてきています。これに対し、海外旅行についてはまだ不安要素が残るため、国内旅行が上位になる傾向があるようです。
さらに、オンラインでの活動が増えたことで、地方の有名なレストランやお土産屋さんなどをネットで購入する人も増えました。そのため、地元の商店や生産者が注目されるようになり、創業から続く老舗店や、地元民も通う穴場スポットなどにも人気が集まっています。
以上のように、自粛が解けた後のゴールデンウィーク期間には、外出率が回復しつつあるものの、感染拡大を防ぐためにも十分な注意が必要です。また、人々の旅行やアクティビティに対する嗜好の変化が見られ、それに合わせた観光地や商店のアプローチが求められています。
Z世代の行動の変容
Z世代は、新型コロナウイルス感染症に対するリスク意識が高く、最初の自粛期間中も、他の世代に比べて厳格な自粛生活を送っていました。しかし、自粛が緩和された後のゴールデンウィークには、外出に積極的に取り組んだことが報告されています。
一方、他の世代に比べると、Z世代は、戸外での活動やスポーツ、旅行、レストラン、カフェ、映画館、美術館など、よりアクティブに外出することが多いとされています。コロナ自粛期間中に、オンラインでのバーチャル体験などを楽しむこともあったかもしれませんが、Z世代は自然体験やリアルな出会いを求める傾向にあり、コロナ自粛期間中に自然や公園への散歩やハイキング、キャンプ、釣り、自転車旅行、スポーツトレーニングへの取り組みを始めた人も多かったようです。コロナ自粛期間中に実施された一部のアウトドアグッズやスポーツ用品の販売の状況からも、Z世代のスポーツやアクティブライフスタイル志向が伺えます。
また、他の世代に比べ、Z世代はゴールデンウィーク中に買い物やエンターテイメントのためのショッピングモールや専門店、劇場に行く割合が少なく、クラブやバー、音楽フェスティバルなどの人口密集した場所を避ける傾向にあるようです。コロナの影響で封鎖され、飲み屋が閉店したり、コンサートが中止されたため、多くのZ世代の人々は、友人らと一緒にエクスペリエンスを共有する形で楽しめる屋外イベントなどに参加することを選ぶようです。
そんなアクティブな体験を好むZ世代の中から今回は私たちはGWの3~7日の5日間の間4日間お出かけをし、それらの体験に「どこにでかけるではなく、大切な人を過ごす時間を作りたい」という価値を見出している「H.Kさん」をエクストリームユーザーとして調査を行い、その結果を報告していきます。
ペルソナの特徴的なエピソード
インタビュー調査の結果から、ペルソナであるH.Kさんはお出かけをする際「どこに出かけるよりも大切な人と過ごす時間を作りたい」という価値を見出している特徴的な価値観を持っていることが判明しました。
どこに行ってもすることは同じ!
H.KさんはGWに友人数名と京都に行き、食べ歩きを楽しんだのは束の間、友人らと京都のネットカフェに移動し、いつも遊んでいるようにNintendo Switchを全員で楽しみました。
高校時代の友人とは特に普段電話をしながらゲームをしているため、会えることに対しより喜びを感じ、場所よりも友人みんなと集まれることを重視しているそうです。そのため、昨年のクリスマスもその友人たちと城崎温泉に行くも、Nintendo Switchを全員が持っていき、ゲームで遊んだそうです。
これらのように、ペルソナはどこかに出かける際にも家族や友人との会話を楽しむことを一番の体験価値として、非日常感よりも普段通りに近い過ごし方の方がおでかけを楽しめるということが分かりました。
ペルソナの意識×Z世代の意見
一般的なZ世代は、GWにアウトドアやBBQなど様々な場所に出かけアクティブに過ごす人が多いです。ペルソナのH.Kさんも同様に様々な場所に行く反面、することはいつもするようなゲームなど日常間あふれる体験といった特徴があります。
H.Kさんの場合は、友人らとリアルで会話や一緒にいる空間で過ごすことに価値をおいており、一般的なZ世代とは異なりますが、1点共通点があると考察できます。
それは、リアルな出会いでなければできない体験を求めているという点です。
もちろん、おでかけはリアルで行うことが当たり前です。しかし、社会的な背景として、「新型コロナウイルスによるパンデミック」によって対面での交流の価値が高まったのではないでしょうか。Z世代は特に本来であれば修学旅行や体育祭、大学生活など多くの思い出を残す機会を失い、マスクをしているせいで初めて出会う人の顔がどんな顔かはっきりとわからないということも多くありました。
そのような我慢の連続の中で、「対面で会い、同じ時を楽しむ」という思いがコロナ禍を明けた今、Z世代の行動に繋がっているのではないでしょうか。
直接会いたいタイミングでいつでも会えて、同じ空間で同じ体験を楽しむ。そんな当たり前のおでかけをできることこそが、現在のおでかけにおいて最も大切であり、その想いがGWの外出量の増加に影響しているとインタビューを通して感じました。
結論
以上ペルソナの情報から、2つの仮説を立てました。
1つ目は、「どこに行くかというよりも、誰と行くのかに価値を感じている」です。ペルソナは、友達と出かける際はどこに行くか、何をするのかは気にしておらず、会えることに楽しさを感じています。また、家族と出かけても家族で会話していることに1番楽しさを感じているという点から、このような仮説を立てました。
2つ目は、「人とオフラインで会えることに楽しさを感じている」です。ペルソナは、友達と一緒にSwitchをプレイすることが多いです。Switchはオンラインで一緒にプレイすることもできますが、ペルソナは実際に集まり皆でプレイすることが好きという点から、このような仮説を立てました。
商品の提案
前述したインタビューや調査の結果をもとに、私たちは以下の3つのアイデアを考案しました。
①「一緒にいればいるほどお得になるサービス」
②「遊びの計画を立ててくれるタイムツリー」
③「お題に沿って写真撮影SNS」
①「一緒にいればいるほどお得になるサービス」
こちらのサービスは、ゲームソフト内のサービスまたはスマホにダウンロードして使用するアプリを想定しています。お互いに登録した友達と半径1m以内に長時間一緒にいると、ポイントを貯めることができます。一緒にいればいるほどポイントを貯めることができ、そのポイントはクーポンに引き換えることができます。より友達とオフラインで会いたくなるようなサービスとなっています。
②「遊びの計画を立ててくれるタイムツリー」
こちらのサービスは、予定共有アプリ「タイムツリー」を使用したサービスです。通常のタイムツリーの機能に加え、グループ内のメンバーの空いてる日が重なった場合に通知が届きます。事前に遊びの予算やグループでやりたいこと、時間帯などを設定するとアプリからおすすめの遊び場所の案内など、一緒に遊ぶメンバーの価値観に合わせた提案なども行ってくれます。その他気が合う友人を紹介する機能など、自分たちの友人グループにあわせて楽しみ方が変幻自裁のサービスとなっています。
③「お題に沿って写真撮影SNS」
使い方は以下のとおりです。
①アプリ内でグループを作成し、「会う頻度」「達成期間」を設定します。
②③その後会う頻度に合わせて決められたされた期限以内にお題の場所で写真撮影を行います。
④撮影した写真は、グループのメンバーのみ閲覧でき、達成期間を迎えるとアルバムのように見ることができる仕組みになっています。
Z世代はSNSで数々の情報の中から行きたい場所を探し、おでかけしています。そんなお出かけの中で私たちは、その時々の思い出を写真に多く残していることから「遊ぶ場所決め×思い出作り」の体験をより楽しめるアイデアになっています。
ペルソナの感想
ゲーム性をもって観光ができるのは新しい体験だと思います!お題があるので、行先を決める手間も省けるので便利だと思います。また、その日に撮った写真をSNSで送り合うことなく共有できる点が、手間が解消されて良いと思います。会う頻度を決めることで、自然と定期的に集まる機会を設けられるのは良いと思います。目標を達成した後になんらかの報酬があるとなお良いアプリだと思いました。(例:観光地で使える割引券など)という意見をいただきました。
Z世代の感想
アンケートでZ世代18名の方に「この商品・サービスが実際にあれば欲しいですか?」お伺いしたところ、半数以上の方が「はい」と回答してくださいました。
欲しい理由としては
・いつも遊び場所を決めるときが一番苦手だから、提案があるのは助かる
・せっかく会った友達との写真の撮り忘れをすることがあるから、思い出を残せるのは嬉しい
一方で欲しくない方の意見は
・場所を自分で決めるのも楽しみの一つだから
・目的を決めずに遊ぶのが好きだから
といったような意見が見受けられました。意見が少し分かれてしまう結果となりましたが、欲しいとおっしゃる方については強いニーズの生まれるアイデアであるということが分かりました!
最後に
Z世代はネットを通じてコミュニケーションを取りやすい一方、オフラインでの対面コミュニケーションも重要だと感じています。ネットが普及した現代において、スマートフォンを通じてコミュニケーションを取りやすくりましたが、その反面、「顔を合わせたコミュニケーションの大切さ」や「リアルな場でのコミュニケーションの楽しさ」をコロナ禍で実感したZ世代は多いようです。結果として、より豊かな人生を送るにはオフラインで人と会う事が欠かせないようです。忙しいあなたもたまには外に出てオフラインで人と会ってみてはいかがでしょうか?
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