【GW/おでかけ】観光地でもいつも通りのことがしたい!「観光の新たな視点」
近年はコロナが収束に向かっていることもあり、街や駅は海外から来た観光客で溢れかえっているなんて光景を最近はよく目にしませんか?皆さんそれぞれの観光地でしかできないこと経験を求めて世界中からやってくるのですね。その影響で経済的には豊かになってきているのかもしれません。ですが、その一方で人が増えすぎたことによって国内の観光客の方は不便になってしまった一面もあります。例えばちょっと何かを食べたくてお店の中をのぞいたら大行列でしたなんてこともよくあるみたいです。
・社会的背景とZ世代の現状の比較
Z世代に向けてGWはどう過ごしたかのアンケートを取ったところ、大体の人がおでかけ(日帰り)したり、おうち時間を過ごしたり、アルバイトをしていたことが分かりました。この中でもお出かけする人は近場の近畿圏内で済ませている人が一番多いようで、全体的に宿泊を伴うお出かけ(旅行)はあまりしていなかったようです。また一緒に行く人としては「家族」と答えた人が多く、Z世代にとってGW中の旅行はどこに行くかより誰と行くかが大切なのだと考えている人が多いのではないかと読み取ることができました。
ペルソナへのインタビューから得られた特徴的な考え方としては、
「旅行に行っても観光地に行かない」
というものでした。ペルソナにとって旅行はどこへいくか、よりも誰と行くかのほうが重要で、旅行先では仲のいい友達と対面で普段通りにゲームをすることを楽しんでいるようです。出かけることが重要なのではなく、「誰と何をするのか」というのが重要だというわけです。
そんなペルソナは最近ではGWに普段から一緒に電話をしながらゲームなどをしている高校の時の部活の仲間と旅行に行ったそうです。その際、事前に計画は立てずにどこへ行くかは行ってから決めたそうです。当日は前半に観光はしたものの後半はネカフェでゲームをしていたそうです。この観光からネカフェでゲームという行動にシフトチェンジしたことには理由がありました。それは外国人観光客の多さです。冒頭でも紹介しましたが、何をしようにも長い行列に並ぶ必要があり、ペルソナにとっては大変ストレスだったようです。また、外国人観光客のマナーの悪さにも苛立ちを感じたようです。このことからペルソナは途中からネカフェで仲間たちと漫画やゲームを楽しんで、なんと5時間も滞在していたようです。この時ペルソナは観光したい気持ちはあったようですが、絶対にしたいという気持ちではなかったらしく、むしろ一緒にいるメンバーがそもそも旅行に向いていないというのが5年の付き合いでわかっていたので、無理に観光する必要はない、いつも通りみんなでゲームをやって楽しめればいいと考えていたようです。
ペルソナへのインタビューを通して、
・友人と出かけることに特別な体験を求めず、場所に関係なくいつものメンバーでいつも通りに過ごすことに価値を感じているのではないか
・外国人のマナーや長い列に並ぶなど、インバウンド・脱コロナによる観光地への影響に不満を感じているのではないか
という2つの仮説を立てました。
いつも通りのメンバーでいつも通りのことをする、観光地に行っても快適に過ごすことができる。
それを実現できるようなアイデアを、今回私たちは考えました。
・ペルソナの意識とZ世代の比較
私たちはペルソナがいかに特徴的なのか知るために、他のZ世代との比較をすることにしました!
まず、Z世代に旅行について聞いてみたところ、旅行には非日常感のある特別な体験を求めており、そこでしかできないようなことをしたいという意見がありました。
また、旅行中に写真をたくさん撮り、映えたものはインスタグラムに投稿する人が多いようです。
一方、彼は、旅行に対して非日常な体験や映えた写真を求めていないようです。話を聞くと、仲の良いメンバーで過ごすことが好きで、非日常よりいつも通りの居心地の良さに価値を感じています。
そのため、観光地でも疲れたらネットカフェでみんなでゲームをしながらくつろいだり、写真を撮る習慣がないので映えも気にしていません。
したがって、彼は旅行中もいつも通りに仲のいいメンバーでくつろぐことを求める、特徴的なペルソナだと言えます!
・ペルソナの悩みを解決するアイデア
インタビューを通して、彼は、
・特別な体験を求めず、場所に関係なく「いつものメンバーでいつも通りに過ごす」ことに価値を感じる
・外国人のマナーや長い列に並ぶなど、インバウンド・脱コロナによる観光地への影響に不満を感じている
という2つの仮説が生まれました。
私たちはこの仮説に基づいて、ペルソナの価値観に沿ったアイデアを3つ考えてきました!こちらが、そのアイデアです。
①ようこそ日本へ!だれでも分かるマナーパンフレット
②ご当地フード予約サービス
③観光地でもリラックスできる休憩所
まず、①「ようこそ日本へ!だれでもわかるマナーパンフレット」は、インバウンドで日本に来た外国人観光客に対するアイデアです。
彼が感じている外国人のマナーへの悩みをしようとしたとき、私たちは「外国人観光客も日本の分からないマナーで困っているのではないか」と考えました。
そこで、外国人向けにマナーについてのパンフレット配布や看板の設置を行うことで、両者とも心地よく観光できるのではと考えました。
次に、②「ご当地フード予約サービス」は、食べたいご当地名物を何時に取りに行くかオンラインで予約できるサービスです。
これで、長蛇の列にも並ばないでご当地名物を食べることができます。
最後に、③「観光地でもリラックスできる休憩所」です。
ペルソナは、場所に関係なくみんなで同じ時間を共有することに価値を感じています。実際に友達と観光に行った時も、ネットカフェのような場所で友達とくつろぐことが楽しかったと話していました。
また、観光での悩みを聞くと、インバウンドの影響でご当地名物を食べるためには長蛇の列に並ばなければならないことに困っていました。
そこで、ご当地名物を食べられるネットカフェのようなくつろぎスペースを作ったら良いのではないかと考えました。これならば、移動や列に並ぶこともなく、友達とくつろいで遊ぶこともできます!
今回は上記の③について、ペルソナにフィードバックをいただき、Z世代へのアンケート調査も行いました。
ペルソナからのフィードバックとして、
「観光に興味のない友人を無理矢理歩かせることなく、ご当地グルメを楽しめる」
「冷暖房が効いた部屋でゴロゴロしながらご当地グルメを食べられる」
という2点に好評を頂けました。
また、
「観光地が一望できる部屋」
「買ったものを好きに食べられるスペース」
があれば、Z世代のみならず、家族連れや中高生も気軽に利用できるのではないか、という新たな視点もいただけました!
このアイデアについて、近畿大学経営学部の学生26人にアンケートを実施したところ、半数以上からこのサービスがほしいと言っていただけました。
アンケートでは、
「観光地でも落ち着きたい」
「空港のラウンジみたい!」
「ご当地グルメを食べて、旅行気分になれる上に、友人とゆっくり話すことができる!」
などのコメントが寄せられ、
「観光しながら、ゆっくりと過ごしたい」
という感情を持っているZ世代は少なくないようです。
今までは、「その土地でしかできないこと、食べることができないものを食べる、見ることができないものを見る」といったイメージが「観光」にはあったと思います。
しかしながら、
「誰と何をするのか」を大切にし、観光地でもいつも通りのことを行いたいというZ世代も現れています。
「観光と言えば、アクティブに行動する!」という方は、
一度あえて「いつも通りのことをする」観光を味わってみるというのも、
いかがでしょうか?
新たな発見があるかもしれません!!
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