2023年ボカロ10選〜前編〜

どうも、半額(@HANGAKUnnbe)です。
2023年も色々ありましたが、無事10選を提出できる予定なので選んだ理由とか色々解説していきます。
別に毎年note書いてるわけじゃないんですが、今年は年100選を提出しないのでその代わりにということで…

結構書き終わった後の私です。普通に文量が多すぎるので前編・中編・後編に分けます。前編では今年のボカロ界の振り返りと惜しくも10選に入れなかった曲たちを紹介します。中編は10選の中で枠争いをした曲、後編は1選争いをした曲を紹介します。要は前編よりも中編、中編よりも後編の方が好きな曲ってことです。ちなみに大体どの編も後ろに行けば行くほど好きな曲です。
前編では年10選の解説には一切入らないので10選の解説だけ見たい人は中編から読んでください。
中編→https://note.com/gifted_macaw741/n/n9e10540c8fc9

あ、色々言う前に一つだけ
みなさん、年10選(月10選)は年が明けてから提出しましょう!!!!12/27には鏡音誕も控えてますし、なんなら去年(一昨年)は結構大晦日に良作がありました。なんで、せめて提出は年明けた瞬間にしましょう!!!!!!





個人的な今年のボカロ界の印象


私自身2025年には受験が控えていることもあり、2024年はほとんどボカロ聴けないのが想定できたので、今年はかなり気合を入れて新曲を漁ってました(特に上半期)。1月は全曲リスナーしたり、ボカコレはいつもの1.5倍くらい聴いたり。
なんで、結構今年のボカロに思うことが色々あったのでちょっと話します。

まず、真っ先に考えつくのがSynthesizerV(以下SV)の台頭ですね。今年以前から調声をメインに活動してる人はSVやばいやばいって騒いでましたが、スマッシュヒットが出てなかったんですよね。しかし今年は重音テトSV発売を皮切りにマサラダさんの『ライアーダンサー』や原口沙輔の『人マニア』(UTAUテトだけど)などニコニコだけでなく他動画サイトやSNSを巻き込んだ旋風が巻き起こりました。ついにSV最強時代の幕開けを感じさせましたね。とくに人マニアなんかはニコニコだけでなくYoutubeでも相当伸びてます。
ニコニコのランキングも見てみるとミクの次にテトSVが多いですね。21〜22年くらいのCeVIO可不に取って代わった感じ。来年には可不SVの発売も決まってますし、どうなっちゃうんだろ…


あとVOCALOIDも動きを見せましたね。V6は全然シェアを伸ばさず機能面で見ても残念合成音声って言われてます。しかし、8月に公開されたVX-β(以下β)は無償配布も相まってかなり市民権を獲得したように思われます。テトや可不を取り込むSVに対してゲキヤクや春日部つむぎを取り込んでいきながらも新キャラも出していくβと言う構図は来年どうなっていくんですかね。βもスタジオが24年の3月までらしいのでその後の展開はどうなるのか。


あと問題になったのは、AIによる作詞作曲ですかね。調声だけでなく作詞作曲にまで手を伸ばしてきやがりました。個人的にはAIなんて所詮量産型音楽しか作れないので、あと5年くらいは人類が淘汰されることはないと思ってます。AIくん、結月ゆかりにポエトリーリーディングとかやらせ始めないかな。まぁMixにまでAIが手出し始めたら本格的に人間負けると思います。それまではあくまでサポート程度にしか使われなさそう。

てな感じで今年の振り返り終わり!書くこと考えずに書いてたので大分散らかった文章になってしまいました…新曲リスナーしながら肌で感じたもの(流行とか)も言語化しようと思ったんですけどまとまりませんでした…流行が変わっていくのを自分で感じるのは結構面白いので皆さんも新曲リスナーやりましょ


惜しくも10選入りしなかった曲


10選考えるにあたって最初に20曲ぐらいまで絞ったので10選入り逃した曲を紹介

メフィスト(Ryoカバー)/Cruezer

やべ早速カバー曲出しちゃった。知らない人のために言っておくと私、カバーとかアレンジとかRemixとかめちゃめちゃ好きです。10選だろうが100選だろうが入れます。実際今回の年10選候補に8曲カバー曲がいます。その中の5曲がCreuzerさんです。

このカバーは原曲も聴くことで完成するので皆さん原曲も聴きましょう色々使われてましたし
とにかくRyoとこの曲の親和性が高いんですよね。特に注目して欲しいのがサビの高音地帯で、原曲でもそうなんですが特にこのカバーだとめちゃめちゃ色気があるように聴こえます。ちなみにこの曲のRyoカバーが欲しいな〜ってツイートした2日後にこのカバーが投稿されました。



魔女子恒星の回し方/魔女方式

いや〜いいですよね魔女方式。のんですさんの儚げながらも力強さを持つ声色ととかふぃーさんちのミクのリードするような可愛らしさを持つ調声のデュエットが最高です。

というか2人の女子高生の終わりに魔女子恒星を投稿するんですよ。世の中ではデジタルタトゥーが問題視されてますけど言い換えて仕舞えばこんなのクソデカタイムカプセルですからねエモすぎ。
というかかふぃーさんの評価は各所で高いんだからもっと魔女方式も評価されていいはず。みんな人間も聴こう。


人マニア(初音ミクカバー)/たれまの

人マニアがめちゃめちゃ流行っていろんなカバー(ボカロだけじゃなくて人間も)が投稿されたのでホクホクしてます。2番サビの「モババババ」ってやつが聴きたくて動画開いてる節あります。これ共感してくれる人いないな
ミクカバーの他にもテトSVカバーとかEnglishカバーとか色々悩みました。代表してこいつのことを書こうかな。

ニコニコのタグにもある通りこのカバー、違和感が全く仕事してないんですよね。初見でこれ聴いたらこれが本家だと思います。このカバーだけじゃなくてオリジナル含めて人マニア全部に言えることなんですけど、人マニアって初見だと脳が理解しないせいで若干スルメ曲みを持ってるんですよね。そのせいですごいリピートされてるんだと思います。


あこがれは咲き/あ子

最近のあ子さんの曲はとにかく打率が高いです。高いクオリティをコンスタントに出してくれるのでボカロリスナー的にはめちゃめちゃ嬉しいです。

あ子さんの『タイトル』って曲もそうなんですが、この人の応援曲はめちゃめちゃ元気出るんですよね。多分リンの伸びやかな調声とアップテンポを保ち続けるドラムのおかげ。無理矢理一歩を踏み出させてくれるみたいな。

この曲の一番ヤバいところは間奏ですね。とにかく物量で攻めてくる感じ。あ子さんはピアニストなんでほとんどの曲にピアノがいてその技術を魅せてくれることが多いんですが、この曲の間奏では色んな小道具が登場したあとシンセが登場するんですよ。あ子さんのピアノに慣れている身からすると情報量の多さに圧倒されます。
同名のアルバムがマジミラで発売されてたので、初めてあ子さんのアルバムをリアルで買いました。めっちゃ良かったのでこの曲好きな人は買いましょう。


エウレカレプリカ(ゲキヤクカバー)/ニラ七

こっちのゲキヤクはβじゃなくてUTAUです。とにかくゲキヤクさんのお声が素晴らしいんですよ…原曲もユギカさんちのミコトなんでかなりダークな掠れ声を聴けるんですが、このカバーはそんな原曲へのリスペクトがありながらゲキヤクの良さが前面に出てるんですよね。偽薬と不安薬を使い分けることでダークで落ち着いた雰囲気を纏った声と凶暴な掠れ声を両立してるんですよ。特に落ち着いた雰囲気から一気にエッジの効いたボイスに切り替わるところが何個かあるんですよね。普通にギャップでゲキヤクさんに惚れてしまう。

人間の声に寄せすぎているわけでもなくて、しっかりと合成音声の良さを出ながらもノイズは取り払われててまさに自分好みのカバーです。本当に10選に入れたかった…


Disco No.39/Rulmry.

この曲は新曲として聴いたときは普通に流したんですが、プロセカに収録された後もう一回聴いてみたらなんとびっくりぶっ刺さってしまいました。とにかくこの曲は楽しい!!!!!!!さすがにプロセカNEXTのお題「ノリノリになれる曲」なだけあります。
だってサビ始まり「Turn up!(盛り上がれ!)」ですよ?その後「踊れ回せミュージック 相当良い音 いよいよ無視できないね」ですって。そりゃノリノリにもなります。
そして自分で相当良い音って言っちゃってます。

急にジャンルが変わったり色んな楽器が出てきたりとにかく飽きさせないような工夫がされていて、2分16秒が一瞬でなくなります。それでめちゃめちゃ頭に残ります。これは是非ともクラブハウスで聴きたい。


新人類(鏡音レンカバー)/Creuzer

Creuzerさん②
個人的に今年の顔ボカロPは彼です。てかこのカバー、原曲が出てから1日で出てるんですよねそんでこのクオリティって…Creuzerさんバケモンすぎるでしょ。まったくなにもんなんですかね。

原曲だとリンちゃんの割と元気めながらも少しダウナーな感じの調声ですが、カバーだとレンくんの気だるそうな掠れの効いた声がたまりません。こういうレンくんを養いたいよね。
リンとレンだとやっぱり根本的に声質が違うので曲の与える印象がガラッと変わってきます。たとえばサビの「進化も進歩も放っぽいちゃって」の「進化」の前半部の高音、原曲のリンだと結構頑張って出してる感じがあるんですが、カバーのレンだとそれまでの低音との比較で鼻に抜ける感じになります。それがたまらない……
めっちゃ細かいところ喋っちゃったな。このカバーはこういう細かいところがいっぱいあってそれが積もり積もって好きです。


Trajectory/ごーぶす

ハイテンポでノリノリな曲が続いたので少し落ち着きましょう。最初に言いましたが普通に12月下旬にこういう10選候補が投稿されるので10選は年明けてから提出しましょう
ごーぶすさんの毎年投稿される冬曲毎回楽しみにしてます。他の冬曲もいいので是非。シンセサイザーのメロウなサウンドとKAITOの沁みる調声がドゥンドゥンと鳴り響く安定感の塊みたいなベースの上で流れます。
歌詞も日常が詩的に描かれていてたまらないんですよね。

カカオの匂いを甘さで隠した
苦い記憶を光で溶かすように
白い箱の中に 並んだ小さな
プレゼントをぶらさげた

いや〜これ以上綺麗なクリスマスの歌詞ありませんよ。雪の優しさと厳しさが共存する冬、家にいる我が子を想う父の姿がありありと浮かびます。寒い日に家でホットミルクなんか飲みながら聴きたい曲です。


ヴァニティ/Fushi

いや〜こっから紹介する曲は強いです。本当に直前まで10選の枠争ってました。Fushiさんの新アルバム本当に良かったです。皆さん買いましょう

この曲はタグにもある通り「驚異的な中毒性」ですよ。気を許してるとすぐ頭の中で流れます。
個人的に一番好きなポイントは一番サビ直前のGUMIの「ヴー」って声ですね。結構小さいからしっかり聴いてみて。ちょっと掠れたこの声はこの短い間でこの曲の主人公の「ヒーローを続けるかどうするか悩んでる」っていう場面を表してるんですよ。まずかっこよさもありながら悩みも出てて、そんな葛藤をする可愛さも表れてて。マジでこの設定がいいんですよね。本当に愛すべきヒーロー。

多分Fushiさん、投稿頻度もっと高ければ大手Pの仲間入りしてるんだろうな。Fushiさんの生のライブ浴びて〜〜〜(申し込みしようとしたら一瞬でチケット完売)


ももいろの鍵(UTAUカバー)/bobaerror

いや〜いよわがまさかモモジャンに提供するとは…
いよわのピアノの音圧を聴きたいが為にいよわを聴いてる節があります。あのクソデカ音圧ピアノでしか摂取できない栄養があるんです。(いよわのRemixとか凄い)

プロセカとしての解釈を入れるのであれば初音ミクがボーカルとして"正解"なんですが、この重音テトSVのカバーはこの曲単体としてのボーカルの"別解"だと思いました。こういう単体としてかなり強めの主張を持つボーカルをあんまりいよわが使用しないのでこのカバーは新鮮みがありました。でもこれまた主張の強いピアノともしっかり共存できているし、そしてなにより曲の解釈と合ってると思いました。

重音テトSV、ボーカルとして最強なんですよね。こういう曲でも使えるし、『ライアーダンサー』のようなキャッチーさを全面に出した曲でも使えるし、後ほど10選で出てくるような曲でも使えるし…汎用性の塊みたいなボーカルです。第二の初音ミクって言っても良いかも。


命のユースティティア(重音テトカバー)/Creuzer


Creuzerさん③
この曲、実は元々10選の予定でした。10選を破壊した"奴"が来るまで…

原曲のレンだと高音が稚拙に聴こえてしまって曲全体としてのカッコよさが減衰してしまっているなと感じていたのですが、このカバーはテトSVがめっちゃカッコいいので曲全体が原曲よりも引き締まってカッコよく聴こえるんですよね。というかCreuzerさんとSynthesizer Vの親和性が高すぎ。鬼にロケットランチャー持たせてる。

イントロの

Justice is still in my heart
君に届け ユースティティア

からカッコ良すぎますよね。歌い始めた時のブレスもユースティティアって言う時のロングトーンもカッコ良すぎて惚れてしまいます。中編でも少し語るんですが、特に重音テトSVはピアノとの相性が良いと思っていて、自分の歌声を強く聴かせながらもピアノもしっかり聴かせることができるんです。私はピアノが一番好きな楽器なので重音テトSVも必然的に好きということです。テトSV、末長くよろしくな。


前編おわり


ということで今年の個人的所感と年10選候補の曲を紹介していきました。中編からは年10選の解説に入ります。なんと、5曲しか紹介しないのに11曲紹介した前編と同じ文字数です。バグってるな…

中編→


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