嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~三十九の歌~
《篠原さんに恋してしまいました≫ 原作:参議 等
「しのぶれど色に出にけり……」とか言うやつ。
あれと同じ。もう、だめみたい。
「篠原さんが好きなの!」って叫んでまいそう。
こんなの耐えられないよ、もう。
定家「あさぢふの をのの篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき……か」
蓮生「……貴方への思いをじっと耐えてしの(忍=篠)んできましたが、もう耐えきれません。どうしてこんなに貴方が恋しいのでしょう……。口に出せん恋はつらいな」
定家「そんな恋はもう遠い昔や。今はもう空蝉の人生」
蓮生「ええやん、それで。思い返せるものがあるんなら、それを愛しゅう抱いてくらせばええやろ」
定家「せやね」