ゴミのポイ捨て妄想記 #4 ~給料日前の大博打~
47歳男性。工場勤務。
24日午前9時。パチンコが空く1時間前だ。
整理券を貰って列に並ぶ。給料日前日なのになんだこの列は。混むなら明日だろ。
残高は1480円。給料が25日に入る。そんなものにすがっては無い。
俺がすがるのは、そう。今日当てるパチンコだ。
午前10時。開店。玉のスピードより遅いか、スタッフに誘導されながら大量の人間が店に吸い込まれてゆく。
今日は当たります。今日までどんだけ頑張ってきたと思ってるんだ。
同僚が昼ごはんを食べてる間、そのお金を節約したり、定時になってみんな帰る時、YouTubeで勉強もした。
ありがとうございます。1ヶ月分の給料を今日稼いでやる。
午後4時。手持ち0。
途中大当たりしたが、欲が出た。言うものパターンだ。
ストレスやばい。お酒も買えない。タバコも吸いたい。
ポッケをめっちゃ確認した。たまたま入ってた。なんの銘柄かもあまり確認せずに気づいたら肺に煙が入っていた。
この瞬間だけは全てを忘れられる。仕事のことも。将来のことも。パチンコで負けたことも。
いつもなら少し残すが、今日はギリギリまで吸う。
最後の1本だぞ。あと8時間位タバコ無しで過ごさなきゃ行けない。
もう無くなった。急に負けたことを思い出した。
そのまま地面に叩きつけて踏んずけてやった。
その場には他にもたくさん同じくらい吸われたタバコのゴミが散らかっていた。
みんなも一緒なんだね。