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元鬱病、久しぶりに飲み会に行く
ようやく9月。私の大好きな秋~冬シーズンである。今年もワクワクと体重も増加傾向になる時期が来た。皆さん如何お過ごしでしょうか。
転職して半年経った。現在の私は、ホワイトで有名な会社、すなわち人間関係が極限までドライな会社に在籍している。半年前の私の入社歓迎会から半年を経て、先日2回目の飲み会に参加した。週に3回飲んでいた前職と比べると、半年に一度のペースの飲み会は同じ日本の会社とは思えない差である。
普段は最低限の仕事のやり取りしかしない上司や同僚も、お酒が入り楽しそうに酌み交わした。「ONE PIECEで悪魔の実を食べるならなにか?」「ONE PIECEとはなにか?」などONE PIECEを読んだことがない人間を置き去りにして大いに盛り上がった。たまにこのように日本人なのにすべてのアニメや漫画と触れずに生きてきた人と遭遇するが、軒並みコミュニケーション能力が低いのが不思議である。飲み会の最中も「え、能力が授かる実はなぜ悪魔と呼ばれるんですか?」などと小声で呟いていた。流行ってるから迎合すれば良いなどとは言わないが、飲み会の盛り上がっている席で読んでない自分の違和感をちゃんと全面に出せる辺り、彼はこれからも読まないだろうし、次の飲み会は呼ばれないだろうと思った。
一方、悪魔の実でテンションが上がった部長。ドリンクのラストオーダー辺りで「高校受検をする息子の小論文を書いたんだ」となぜか自慢げにうっかり滑らす。「え、それは流石にどうなの?過干渉じゃないの?そんなこともできないなんて息子バカすぎでは?そこまでして良い高校にいれたいのか?」様々な口に出してはいけない感想を喉に圧縮し、各々一瞬気まずく凍るテーブル。こういう時は受け身のうまい私がなにかうまいこと言えるはずなのだが、いかんせん母子家庭出身の私は父親がトピックに絡むと思考が平均未満になる。帰り道の部長は無言だった。きっと後悔と恥で頭がいっぱいだろうなぁと思いながらうなじの白髪を見つめた。
お酒を飲んで楽しむのは良いが、部下をドン引きさせちゃいかんよなと思った夜であった。
明日も自分に優しくできますように。