鬱病、椅子に感動する
先日、歌舞伎町の109シネマズプレミアムに行った。一番安い席で4500円もする高級な映画館である。贅沢がしたいと言うよりかは、どうしても観たい映画がそこでしか上映されておらず、痛い出費だったが仕方がなく行った。そこでは1時間前からラウンジげなるスペースに入ることができて、飲み物やポップコーンを自由に食べることができるのだ。そんなの要らないから料金を安くしてくれというのが本音だが、意味がわからないものを知ると、思わず自分で体験し、なぜ需要があるのか発見してみたくなる。
QRをかざし、バーの廊下のような暗い道を進むと開けた空間。岩盤浴の時のようなリラックスする曲がかかっていた。
ラウンジのソファーに腰掛け、読書をする。後から何人か客が入ってきて「いらっしゃいませ。こちらで飲み物とポップコーンを召し上がれます。」とお高くとまった黒服に声をかけられていた。そしてはたと気づく。私は声をかけれてないことに。そして原因もわかる。ジム帰りなので全身黒のジャージ姿にキャップを被り、スタッフと間違えられたのだろう。
いらっしゃいませとスタッフに声をかけられていない手前、今さらポップコーンとドリンクをくださいなどとねだりに行けはしない。映画の上映を待ちながら、ジムで汲んだ水を飲む。上映前のギリギリにかろうじてアイスティーを貰うことに成功した。
しかし一番の感動は椅子である。とにかくラウンジの椅子がいいのだ。永遠に読書をしたくなる。マイ・フェア・レディでも歌われていたが、でっかい椅子を置くことは贅沢であり道楽なのだと、普段はベッドor床で生活を送る私は驚いた。どの椅子に座っても読書が最高に捗る。この椅子の贅沢だけで4500円の価値はあると思った。
ちなみに個人的に映画において特筆すべき点はなかった。映画館内の椅子はリクライニングがすごいから、気を抜くと一気に滑るので要注意である。そしてアイスティーのストローは流行りの紙製なので、要注意?である。
ラウンジの椅子の素晴らしい贅沢を全身で感じつつ、高級な場に行くときは、服をちゃんとしないと、サービスを受けられないという教訓を得た秋口であった。
明日も自分に優しくできますように。
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