元鬱病、心の狭さを憂う
近年、急速に自分の心が貧相になっていっている。
バスで騒ぎ立てる子供を見れば、"嫌な中年顔"で眉をひそめては、母親を慌てさせている。この前は私の嫌な顔に気づいた母親に注意された女の子が号泣しだして「だって楽しくしたかったんだもん」等と大声で弁明していて、更に不快だった。しかし確かに罪悪感もあった。
電車が来れば、最後の客の足がホームに着いた瞬間にはもう車内に体を滑り込ませ、早歩きで座ろうとする。
道をノロノロと歩く高齢者や家族連れ、カップルが道を塞いでいれば、苛ついて異様な速度で追い抜かす。
オンライン決済を済ませ、勿論要らないレシートを店員に聞かれる前に「レシート要らないです」等と言う。
最近とあるきっかけで、スタジオでレコーディングする機会があり、自分の歌っている姿を動画撮影してもらっていた。その時、少しだが動揺を隠せなかった。私は気持ちよく歌っているつもりなのに、顔が仏頂面だったのだ。なんてことだ。日々の辛気臭い人格が、素直な喜びを覆い隠しているのか。
何か、変えなくてはならないと気づいている。変えたいと思う。良い本、良い音楽、良い映画に触れて、それでまだ心が貧相な私は、あと何に救われるのだろうか。
その手段を見つけられなくて、きっかけを自分一人では作り出せなくて、途方に暮れる夕方がある。
明日は自分に優しくできますように。
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