投資の基礎知識①
さて、前回の記事にて「なぜ投資をしなければいけないのか?」について書かせていただきました。
少しでも、投資を始めてみようかな・・・という気持ちになっていただけましたか?
ただ、いざ始めてみようと思っても、何からすればいいのかわからないっていう方も多いと思います。
なので、今回は投資を始めるうえで知っておくべきこと・知っておかなければならないこと、基礎知識について解説していきたいと思います。
正しい知識さえ覚えておけば、あとは行動に移すのみです!
まずは投資をする上で、必ず守ってほしいルールをお伝えします。
【1】投資の三大原則
1-1.投資の三大原則とは
投資をしていく上で、必ず守ってほしいルール。
それは・・・
【金利】【時間】【分散】です。
それぞれ具体例を挙げながら、みていきましょう。
【2】金利
2-1.単利と複利
金利の話になると必ず登場する「単利」と「複利」という言葉。
金融商品を選ぶときに、大切なお金を預けるのですから、少しでも安全で金利の高い商品に投資したいと考えるのは当然です。
金利を考える場合、絶対に見逃してはいけないのは「単利か複利」の区別です。
例えば、目の前に「単利20%の商品」と「複利10%の商品」があった場合、あなたはどちらにお金を預けますか?
具体的にそれぞれの商品に預けた場合、資産はどうなるでしょうか・・・?
A:単利20%の商品に100万円を30年間預けた場合
単利とは、常に元本のみに利子が発生します。
1年目:100万+(100万×20%)=120万
2年目:120万+(100万×20%)=140万
3年目:140万+(100万×20%)=160万
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30年後:700万(元本100万+100万×20%×30年)
元本100万円→700万円になり、600万円を利子で増やすことができました!
B:複利10%の商品に100万円を30年間預けた場合
複利では、1年分の利子を元本に組み入れ、翌年の元本として繰り越していきます。
1年目:100万+(100万×10%)=110万
2年目:110万+(110万×10%)=121万
3年目:121万+(121万×10%)=133万1000円
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30年後:1744万9402円
複利の場合、約1,644万円を利子で増やすことができました!
両者を比べると、単利20%と複利10%の商品では大きな差が生まれてしまいました。
まずここでは「投資は複利の効果を活用することが鉄則」ということを覚えていってほしいです。
次に、同じ複利の商品でも、選ぶ商品が大事だということをみていきます。
2-2.複利の効果
ここでは、複利を選択したうえで、実際に運用される金利の差によってどのくらいの差が出るのかを検証したいと思います。
2024年に改正された新NISAの投資限度額の1,800万円に合わせ、30年をかけて1,800万円の枠を使い切るとします。
毎月の積立金額は(1,800万÷30年÷12ヵ月)=5万円です。
それぞれ別々の商品で積み立てをする3人を例に挙げてみます。
Aさん:平均年利0.02%で運用(現在の銀行の定期預金金利と同等)
Bさん:平均年利5%で運用
Cさん:平均金利10%で運用
それぞれ30年間、毎月5万円の積立投資を継続し、結果として上記の平均年利で運用ができたと仮定をします。
上記の3人の場合、30年後のゴールはいくらになっているでしょうか?
答えは・・・
結果としては、元本1,800万円に対し・・・
Aさん:1,805万
Bさん:4,161万
Cさん:11,302万
という金額になりました。
驚くべきことに銀行に預けていたAさんと平均年利10%で運用できたCさんでは、30年後に約9,500万円の差がつくという結果になりました。
ここで注目したいのは
・複利を選択したうえで、より高い金利の商品を選択する事が重要
・過去の実績より、平均10%以上で運用された商品は実在するので、決してありえない数字ではないこと
です。
2-3.複利は人類最大の発明
(ちょっと余談ですが・・・)20世紀最大の物理学者といわれるアインシュタインもこんな言葉を残しています。
「知っている人は複利で稼ぎ」というのは上記のようにお金に働いてもらうことをいうのですが、「知らない人は利息を払う」とはどういう事か?
実は、この複利はお金を借りる場合にも適用されているということです。
複利はプラスに働く反面、マイナスの作用をもたらすこともありますので、ローンを借りる時などには注意が必要です。
【3】時間
そして、2つめの時間について。
ここでいう時間とは、「長期で継続をする」という意味です。
3-1.長期投資の重要性
ここでは長期間投資を継続することの重要性・効果に注目してみていきます。時間をかければかけるほど、複利の効果も相まって資産は増えていきます。
仮に先ほどと同条件(月に5万円積立、年利10%、30年間積立)した場合の資産推移を見てみましょう。
10年後:元本600万に対し総資産1,024万(利益424万)
20年後:元本1,200万に対し総資産3,797万(利益2,597万)
30年後:元本1,800万に対し総資産11,302万(利益9,502万)
40年後:元本1,800万に対し総資産30,596万(利益28,796万)
*積立は30年で止めてしているため元本は同じ
「複利」の効果を最大限活用するためには、長い「時間」も必要です。
短時間では、大きな結果は得られません。
せっかく投資を継続していたのに、10年でやめてしまった場合、成長もそこで終わってしまいます。(ただし、どうしても教育費や住宅費など使わなければいけない場面はもちろんあるので、無理をしないことが重要)
投資の神様で知られている、総資産10兆円ともいわれる世界的に有名な投資家、ウォーレン・バフェットも、こんな言葉を残しています。
「ゆっくりお金持ちになりたい人はいない」
多くの人が短期間でお金を儲ける方法を知りたがり、焦って利益を求めるあまり、その結果損失を出してしまう人がほとんどではないでしょうか?
バフェットは、株式投資を始めたのは11歳ですが、総資産の90%以上は50代以降に築いたとされています。
これも間違いなく「複利」×「時間」の効果と言えるでしょう。
長期間コツコツ継続をすることが大事ということは、覚えておいてください。
【4】分散
最後に「分散」について
ひとつに分散といっても、いろいろな種類の分散があります。
上記にように、資産分散・時間分散・地域分散などあります。
一般的に分散投資とは、複数の資産を持つことで、どれかひとつがダメになても、壊滅的なダメージを受けなくて済むというようにリスクを分散するという風に用いられるかと思います。
ここからは個人的な考えになります。
もちろん複数に分散することはリスクヘッジになります。しかし、資産が少ないうちは色々なところに分散をするよりも、まずは私たちの生活に必要な「円」とアメリカの「ドル」の2種類を中心に持つことを考えてよいと思っています。
4-1.アメリカへの投資
理由としては、
①世界の金融の中心はアメリカであること
②世界GDPの推移
上記2点をおさえておけば良いかと思います。
①については言うまでもなく、世界で一番流通しているお金ということ。
世界には約180種類の通貨が流通しているといわれているが、国際的な財・サービスの売買や金融取引に伴う資金のやり取りには、極めて限られた種類の通貨しか使われていません。
(例)
米国ドル、欧州のユーロ、英国のポンド、中国の人民元、日本の円など
その中でも米国ドルは圧倒的なシェアを持ち、世界の基軸通貨として機能しています。
②については、下記の世界各国のGDP成長率の推移をグラフに表したものを見ていただきたいです。(少し古い資料ですが・・・)
GDPとは国内総生産を指すもので、言い換えると「どれだけその国が稼いだか」を表す指標です。
まず、世界各国の合計のGDPは右肩上がりで伸びていることがわかります。
世界の人口が増えていますから、GDPも伸びることは必然です。
GDPが伸びるのと同じように世界株式指数(オルカン)も伸びていることがわかります。
それぞれの国・地域別にみてみます。(色分けされている部分)
1980年代から2020年まで
アメリカ(グレー)がGDPも成長率も1位であることがわかると思います。
日本(紫)は40年間の間、横ばいです・・・
アメリカは、移民の受け入れ等もあり、若い人口がまだまだ伸びていくと推測されています。人口が伸びていけばGDPも成長する。そうすると株式市場も更に成長していくことが予想されます。
4-2.世界の企業時価総額ランキング
また、2024年5月時点の企業の世界時価総額ランキングを見てみると・・・
企業の名前をみてみると、私たちの生活に溶け込んでいる企業もありますね。
Amazon/Apple/Microsoft
Alphabet=Google
Meta=Facebook、Instagram
世界トップ10の内、アメリカ企業で8社を占めています。
(ちなみに日本の1位はトヨタ自動車で32位です)
私たちは日本に住んでいるので、貯金や自動車、土地・不動産など多くの資産を持っていますが、これは円で持っていることと変わりません。
せめて投資をする上で、有価証券はアメリカ中心で良いと考えます。
(*個人の考えなので、必ず勧めるものではありません。)
まとめ
今回は、投資を始めるうえでの大切なルールについて、解説をしました。
特に「時間」ついて、これは取り戻すことができません。もっと早く始めていれば・・・という方を何人も見てきています。
まずは少額でもいいので、とにかく始めることが重要です。慣れてきたら金額を増やすもよし、始めてみたけどやっぱり慣れない・怖いというなら別に投資をしないという選択肢もあると思います。
価値観は人それぞれです。
次回はより具体的な投資先や、投資手法についても解説していきたいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。