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ジャンプ+のMADとエイリアンロムルスを比較考察してみた

【セクション1:「MAD」という名前の由来と意味】

まず、『MAD』という作品名の由来について考えてみましょう。「MAD」という言葉には「狂気」という意味があるだけでなく、狂気の果てに到達する科学や技術の暴走が描かれている可能性があります。

狂気とは単なる感情的なものではなく、人類の存在意義そのものを問いただす壮大なスケールのテーマを大鳥先生は『MAD』という作品を通して伝えたかったのではないでしょうか。真相は未だ謎に包まれていますが、物語が進むにつれ確信に変わっていくように思える内容です。

【セクション2:人間の内面の弱さと狂気】

 『MAD』は、人間の内面の弱さや狂気を見事に描いている作品だと、注目を集めている作品です。大佐やレオンが持つ狂信的なまでの信念は、単なる支配欲を超え、まるで“罰を受ける

”ことで正気を保っているかのように感じられます。彼らの行動を心理学的な要素で見つめてみると、目的のために手段を選ばなくなる…つまり、手段が目的化してしまうメカニズムだと考えられます。

この逆転現象はデメリットを産むことでも知られており、手段が目的化してしまうと、行動に一貫性を帯びないことが多々あります。そうなると上司のもとで働く部下は「何のために我々はこの行動をしているんだ?」と考えだし、モチベーションは下がる一方です。”エイリアン撲滅”の為に機械のごとく働かされている人間達。それが仮面をかぶっている兵士たちだと私は予測しています。

『MAD』©大鳥雄介/集英社

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