「呪詛」映画レビューNETFLIXオリジナル
この記事はNETFLIXオリジナル映画「呪詛」のネタバレを含みます
NETFLIXオリジナル作品「呪詛」を見ました
呪怨+サイコスリラー的びっくり演出多めという感じ
最も、この映画の素晴らしくフレッシュな点は
恐怖の対象が「宗教」
なので、特定のキラー的存在がいるかというと、いない
呪いにかけられ、囚われる
逃げられない、どうしよう
追い詰められる
この感じをキラー的存在ナシで良く表現しています
主観的カメラワークにより
「行っては行けないあの場所」や「見てはいけない人・モノ」を見せられます
宗教のキーとなるマントラを何度も聞かされたり
宗教の手の挨拶のやり方や意味を聞かされる事でこっちまで宗教の世界に引きずり込まれる=呪いにかけられてるんじゃないか、という気にさせられます
というか、呪いをかけられます
しかし、ただ呪いをかけられるのではなくて
なぜ自分が呪いをかけられたのか分かってしまう
自分が主人公だったら同じ事をしたんじゃないか
という気持ちにさせるのがこの映画の面白さ
そして、昨今の新興宗教騒動にも繋がる様な現実味を帯びた怖さ
同時にこの映画の上手い点は
この映画を見る → 呪いをかけられる → この映画を広めてはいけない、でもこの主人公の様に広めなければいけない
という心境を視聴者の中に作りだすことで
映画のプロモーティングに繋がる流れを作ってる所です
日本には貞子がいるってなってしまうし、欧米・ヨーロッパではこの感じを出すのは難しかったと思うので、キャスティング・ロケーション共にバッチリだと思いました
元々オカルト研究的な活動をしていた明るい女性
が、ガチでおちていく、そういう話なんですが
ファーストインプレッションで感じた様な主人公の素朴さ、幸薄な感じに繋がっていきます
そこに呪いという宗教要素が入ってくると…
そういう人周りにいたら統合失調症か何かだと思うんじゃないでしょうか
実際にそういった扱いを主人公はうけることになりますが
本当に起こっている呪いと、普通の人のギャップもいいです
もっと個人的な感想にいきます
ここからもっとネタバレ・オチを含む要素に突入します
この話は自分がかかった呪いのせいで娘が死にそうになるのを母親が助ける為に冒険する話です
主人公は呪いという現実から逃げようとする弱さと
同時に母としての強さを持っています
自分は呪いから救われる為によく分からないマントラを唱えるくせに
娘には辛い事を乗り越えるなら好きなモノを3つ唱えるんだよ
と、オリジナルのマントラを作ってこう言います
「信じれば乗り越えられるからね」(細かく言えば違ったと思いますがそんな感じです)
この辺は滑稽な面白さがありますね
自分はここに物語の分岐点があると感じました
つまりここの伏線によって
呪詛の呪い(Curse) VS 母の祈り(Bless)
の図ができてるんですよね
娘さんは素直に、最後まで母から言われた祈りを貫きます
ただ、母親はこうすれば娘さんは助かるよ、と言われた約束事を守ることもできず、やることなすこと、全てスカしてばっかり
最後には母の祈りが勝つ、と思ったんですよ
ただそうすると
この映画を広めてはいけない、でもこの主人公の様に広めなければいけない
この心境を視聴者の中に作り出させる事に繋げられないですからね
ハッキリ言って後味は悪かったですが、その点、上手だなと思いました
まぁ、母の祈りが勝つ、のパターンであってもベタな演出と言われるでしょうから
後味が悪くても印象に残りビジネスに繋がる演出を作り出したネトフリの勝ちです
という感じ
せば