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大人たちよ、結婚式を魅せてくれ。

先日、家族で結婚式に参列した。
夫の親友なので、新郎側のゲストという人生初のパターンだった。ちなみにこの新郎くんは、テレビにも出演する人気ダンサーなのだが、実際は2回くらいしか会ったことがなく新婦様は初対面。

アウェーだ。極めつけに式のスタイルは、 ”立食パーティー” 。酒を片手に談笑し、キリのいいところで立ち食いに走るアレだ。ボッチはすみっこでスカしているアレだ。後者確定!
あらかじめ夫には、「いいかい?わたしと娘を放置するんじゃないよ、わかったね?」と、何度も言って聞かせた。手ぶくろを買いに(絵本)のキツネのお母ちゃんが坊やに、「決して、こっちの手を出しちゃいけないよ。こっちの方、ほら人間の手の方をさしだすんだよ。」みたいに、何度も何度も言って聞かせた。
にもかかわらず、会場につくやいなや旧友との再会に「ウェーイ☆♪!☆♪☆!」と、人の群れに消えた夫。この言葉が浮かんだ。

四面楚歌
敵に囲まれて孤立し、助けがないこと。周囲の者が反対者ばかりであること。

コトバンク

もはや半分寝ているような娘と手をつなぎ、立ちすくむわたし。しかも、夫の ”かしこまらない方がいい” という意見を鵜呑みにし、カジュアルフォーマルで参列した。が、みんな普通にフォーマルやないかい。今のところ、なにもかもが夫のせい。

しかし。そんな地獄絵図のような状況だったにもかかわらず、帰りの電車ではホカホカした気持ちになっていた。3、4日たっても新郎新婦の仲睦まじい写真を見返して『いい式やったな〜』とホッコリしていた。アウェー戦だったのになぜだ!勝手に分析させていただく。(やめろ)


新婦かわいい

美容外科勤務のころから散々クレオパトラをみてきたが、生涯忘れないであろうかわいこちゃんだった。写真撮影の際、「わたしたちタメだよね☆こんどみんなでキャンプいきましょ♪」なんて言われたわたしは、クレヨンしんちゃんのしんのすけのごとくデレデレしてしまった。「ななこおねいさぁん!」と叫んでいなかっただろうか。叫んでいたかもしれない。

ゲストファースト

にぎやかながらしっとりと、ご両親と参列者を大切に想う気持ちが溢れた式だった。
新婦がお色直し中は、新郎が自分の足で歩き回り、みんなに(もちろんわたしと娘にも)声をかけていた。素晴らしいよ。疲れが顔ににじみでていたよ。でも、そのおかげで置いてけぼりにならずに感謝している人がここにいるよ。

『鎌倉』という土地

会場は鎌倉のカフェだった。またそのカフェが、ちょっとお寺っぽい和の感じでハイカラ。料理もとても美味しかった。
過去に贅沢ウェディング希望の友達同士の、【〇〇と式場かぶってマジ最悪】問題を何度も目の当たりにし、そのまましれっと参列していたわたしにとっては非常に新鮮だった。
おかげさまで土地勘がなさすぎて完全に彷徨える家族になっていたが、家族でオシャレして彷徨う鎌倉もよかった。

ゲストの落ち着きっぷり

これは大きい。ゲストの皆々様は、ほぼオーバー35。おそらく『結婚式』という場数を踏んでそうな人ばかりだ。そのためか、トイレで化粧直しに励む女子も、気合いいれてバカ騒ぎしている輩もいない。むしろ、スピーチ慣れをわざと隠して真摯に丁寧に話す人ばかり。また、随所随所のヤジの飛ばし方も、こなれ感がある。さすがだ。
子どもにカルパッチョを取り分けてくれる見知らぬ人。突然サプライズスピーチよばれた人の、料理てんこもりの皿をそっと預かる見知らぬ人。新郎の両親への手紙で大号泣している新婦側の見知らぬ人。なんかもう、こんなあたたかい空間に呼んでくれてありがとな。

久しぶりのパーティー、テンション上がる

「昔のスーツ、ギリはいったわ〜笑」って言っている人がいた。夫なんて早々に腹回りを諦め、当たり前にスーツをレンタルしていた。そう、わたしたちアラフォー世代は久しぶりなのだ。オシャレをして、人が集まる場に出向くのは久しぶりなのだ。なんかまだワクワクしちゃう、そんな世代なのだ。

大人の結婚式、良かった。
お二人のお友達がいい人ばかりだったからこそなのはもちろんだが、なんかもうぜんぶ安心して見てられた。もしまた招待されたら絶対にいきたい。
でも、わたしはやりたくない。なぜなら二の腕が太ももみたいだからね。アーメン。

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