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辛いところがあっても言わない患者さん

以前にリウマチ特有の手の変形をしている患者さんを診たときの話しです。


私は手を見たときからリウマチだとわかっていたので、鍼治療をお勧めしたのですが、マッサージだけでお願いしますとのことでした。
それで、マッサージをしながらいろいろ話している中で「口を開けるのが痛い」という話になったので、「それはマッサージだけでは無理なので鍼治療が必要ですよ」と話したら、
「それならやってください」という話になり、
結果、その場で痛みが取れました。


そこから「実は私リウマチなんです。少しは痛みが楽になりますか?」
と聞いてきたので、「試してみますか?」ということでリウマチの治療が始まりました。

聞いてみると鍼治療だけでも何軒も試してみたようで、いろいろやってみてダメだったので諦めていたようです。

こういう患者さんは珍しくないんですよね。
諦めてしまって言わない人もいれば、昔からずっと持っている症状なので言わない患者さんもいます。

昔からの症状は、その患者さんにとっては当たり前の日常になっていて、あまり意識していないということもあるんです。
そういう患者さんの場合は、どのくらい悪いのかを分かってもらうためにわざと悪い方だけを治療するようにしています。
そうすると、治療した方だけが凄く良くなり、正常な方よりも楽になったりします。

そこで初めて「私、こんなに悪かったんだ」ということを自覚してもらうことができます。

そういうときの患者さんの驚き様が私にとっても患者さんにとっても面白いので、「うちのアトラクションは楽しんでもらえましたか?」と言ったりします。
それがこの仕事の楽しみの一つでもあります。

そして、患者さんの気づいていない症状がО-リングテストの結果に出てくることも良くあります。

そこで「左の肩も痛くないですか?」と聞くと「あっ、痛かったけど腰の方が辛いので言うのを忘れてました。そんなことまでわかるんですか?」と聞かれたりします。

こんなやり取りはとっても面白いですね。

これが私にとっては一番の健康法なのかもしれません。

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