社労士試験にギリギリの点数でコスパ良く受かる方法3〜学習スケジュール〜
よくありますよね?「半年の勉強期間で社労士試験合格!」「勉強時間トータル500時間で合格圏内に」とか。
あれって本当なんですかね?今回はそういう資格試験業界の勉強スケジュールの闇にメスを入れつつ、私の実際の勉強スケジュールについて鼻の穴を膨らませて書いていきます。
そもそも社労士試験の目安勉強時間ってなんで1000時間?
世間では社労士試験合格に必要な勉強時間は1000時間と、まことしやかに言われていますね。1000時間って何を根拠とした数字なんでしょう?前提となる勉強開始前の各個人の知識量とか学習経験とか無視じゃないですか?もし、有名難関大学法学部卒業、労働法が得意ですみたいな方が社労士試験の勉強をはじめたら、300時間ぐらいの勉強で受かるかもしれません。
でもそれでドヤ顔されても何か違うよね?資格試験勉強前の基礎知識半端ないじゃん?法学部卒なら「認可」と「許可」とか「みなす」と「推定する」の違いとか当然知ってるんでしょ?難関大学卒なら効率のいい勉強の仕方も知ってるわけじゃん?そんな人に「社労士試験なんてちょっと勉強したら受かるよ!」って言われも「それはあなたの感想ですよね?」ってなりますよね。
私は1月後半からユーキャンの通信講座をはじめてその年の試験で合格したんですが、約半年で一発合格ってうたっていいのか?と我ながら疑問に思います。社労士事務所に勤めているので、育休から産休に切れ目なく入るときは育休終了届いらないとか、36協定は監督署の印をもらった日以降有効とか細かいことは自然と覚えてるんですよ。労災の業務災害か通勤災害かの認定なんかはしょっちゅう監督署に実際の案件を相談してるから得意と言えると思います。でも、目的条文とかはまったく知りませんでした。国民年金なんか全然わかりません。とはいえ、ある程度の知識はあったわけなので、たった半年程度の勉強で合格しましたと言うのは違うかなと思います。
なので、私の勉強スケジュールと勉強時間は「へーそんな人もいるんだー」ぐらいに流してください。結局あなたの合格体験はあなた自身のものなのです。人の合格体験はあくまで参考にしかならないのです。当たり前のことですが、合格を手にするのはあなたなのです。
1月からゴールデンウィークまで
1月の中頃にユーキャンの通信講座を注文し、後半に届きました。なんで1月に勉強を本格的に始めようと思ったのか?遅すぎるんじゃないかと今になると思うのですが、直接的なきっかけはちょっと忘れてしまいました。1年半後を合格目標にしといても良かったぐらいの時期ですよね。
おそらくQuizKnockの何かしらの動画に影響されたはずです。「たった10日間の勉強で国家資格受験してみた」とかかな?1月の新着動画じゃないですが、たまたま見たんでしょう。これは勉強をはじめてみようと思えるいい動画です。資格試験にチャレンジしたい方は見るべきです。
で、1月からゴールデンウィークぐらいまではひたすらテキスト読みと講義動画の視聴とテーマ別問題集という基礎的な内容の問題集をしました。あと、科目ごとに添削課題というものもあり、これもせっせと出しました。
要するにユーキャンの言う通りにしました。多分テーマ別問題集も添削課題もWebテスト(ユーキャンのサイトで利用できる単元ごとのマルバツクイズ的なもの)もゴールデンウィークぐらいまでに5周程度はしたはずです。テーマ別問題集の1回目はテキストを見て答えを探しながらして、2回目からは自力で解いていきました。この頃はまだ勉強に本腰が入らず休みにする日もありましたが、基本的には朝早起きして1時間と通勤途中や昼休みで1時間、夜2時間程度勉強していたと思います。時間は多分です。細切れすぎるし、タスクベースで考えていたので、正確な時間はよくわかりません。ちなみにモチベーションの維持には「みんチャレ」が有効でした。勉強時間の確保とモチベ維持の話はまた別記事にします。
ゴールデンウィークから1回目の模試まで
ゴールデンウィーク後ぐらいからは過去問に入りました。ユーキャンの過去問は6年分です。少ないと思う方もいるかもしれませんが、私はちょうどいい量だと思います。あんまり古いと今では注目されない論点から出題されていたりするので参考になりません。
正直、過去問に入るまでに基礎的な問題とはいえ問題演習を相当繰り返しているし、テキストもよく読んだし、過去問も割と解けるんじゃないかと甘くみていました。しかし、現実はそうではなくテキストを見て答えを探しながらでも、なかなか大変でした。5、6月で過去問を6周ぐらいはしたはずです。これも1回目はテキストで答えを探しながら解いて、2回目以降もしょっちゅうテキストにもどりながらでした。「解く」というより「読む」というほうが正しいかもしれません。選択式なんか記号のほうを覚える始末です。テーマ別問題集と添削課題も合間にはさみつつ解いていきました。
ここで、救世主現れます。その名も過去問ランドです。
過去問ランドを知らない方は今すぐ会員登録してください。神です。QuizKnockの神は河村さんと言われていますが、社労士試験受験業界の神は過去問ランドです。過去問を気軽にスマホやパソコンで演習できます。過去問ランドについては書きたいことが多すぎるので、また別記事にします。とにかく神に従えば間違いないです。QuizKnockの神はすぐれた知性を持ちビジュも麗しいです。こちらの神の言うことも間違いないです。すみません、嘘です。河村さんは間違うこともあるでしょう。でも、そんな人間味があるところも推しポイントです。
さて、過去問6年分の徹底と過去問ランドで私の問題解答力は爆上がりにあがったはずです。ここでひとつ模試にチャレンジすることにします。
LEC第2回模試
第1回の時期には到底模試を受けられる実力がないと判断したため、6月下旬の第2回模試から参戦しました。別にTACでも大原でも会場で受けられたらなんでもよかったのですが、日程が合うのがLECだけだったのです。なので、模試選びについて語るところは何もありません。地方民の辛いところです。東京ってどんなところなんでしょうね。きっと素敵な模試がよりどりみどりなんでしょう。
会場受験と自宅受験がありますが、私は会場の空気感等含めて体験したかったので、迷うことなく会場受験にしました。実際、トイレに行くタイミングとか、休み時間の過ごし方とか試してみて自分にとって最適解を探るいい練習になりました。
結果はひどい有様でした。選択式はB判定でしたが、択一はあまりにも悪くて判定不能! なんて難しいんだ、意地悪な問題ばかりじゃないかと思っていたら、講評によると易問ばかりとのこと。よく言われている通り、LECの模試は奇問難問はでません。必死になって何回も解き直しをしました。
その後も7月中は過去問と市販の予想問題を3回分ほどと、統計白書対策の冊子と法改正をまとめた冊子とテキスト読みに専念しました。市販の模試も3回ぐらいは繰り返しました。あと、この頃からYouTubeで目的条文と助成金クイズを通勤中に聴くようにしていました。
いよいよ最後の模試にチャレンジです。
LEC第3回模試
7月終わりにLECの第3回模試を受けることにしました。準備万端、用意周到、これはいける!成績上位者として成績表に名前がのったらどうしようなんて楽しい心配をしつつ、会場に到着したのですが、いざ問題を開くと全然わからない難しい。暗中模索、五里霧中。前回選択式は得意だと思ったのに、今回は何もわからない。自信を持ってえらべた選択肢が一つもない。あまりのわからなさに時間を持て余して、択一式は残り1時間半程度も時間があったのに退出しました。
結果はもちろん選択式も択一も点数が低すぎて判定不能と出ました。でも、このときってあまり落ち込まなかったんですよ。だって、本試験じゃないし。むしろ今わからないところがわかってよかったなみたいな。謎の前向き。ポジティブシンキング。大学受験もずっとE判定だったけど、受かったから今回も大丈夫だよ!っていう根拠のなき楽観思考。思い返すと自分がわからない。もっと落ち込めよ。Twitterには択一50しかとれなかったみたいな自虐風自慢なのかネガティブすぎる人なのかわからない声があふれているのに。
そんなわけで、過去問ランドで過去問やりつつ、模試の見直ししつつ、テキストや法改正まとめを読む日々をひたすら本試験まで続けていくつもりでした。そう、あの日がくるまでは。次章、敵機来襲。
コロナになった
みなさんもうお忘れかもしれませんが、2022年8月は新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっていました。私も世間の流行に乗ってお盆休み前にかかってしまい、3日ほど寝込み、熱が下がったあとも倦怠感とブレインフォグに悩まされ、勉強できない日々が続きました。過去問ランドで過去問を解くので精一杯の日々。この時に模試の解き直しはすべて諦めて、過去問とテキスト読みに絞ることにしました。それでも全然勉強時間が確保できない。仕事は在宅でしないといけないし、頭はぼんやりとしていて集中できない。せめて模試の成績が良ければ、今までやってきた貯金があると安心することもできますが、それもない。どんどん詰め込みたい時期につめこめない。むしろ頭からこぼれ落ちていく。焦る。涙がつたう。体調もイマイチ戻らない。もう本試験を受けに行くこと自体やめようか。来年もあるよ。妙に優しい心の声が私の足を引っ張る。からめ取られる。
トータル勉強時間
本試験に行くことにした経緯と当日の過ごし方についてはまた別記事にしますが、QuizKnockの河村さんのおかげで試験を受けに行くことができました。
1月からのトータル勉強時間は多分800時間ぐらいかなと思いますが、隙間時間での勉強が多すぎて計算不能です。実際には1200時間ぐらい勉強していたかもしれない。社労士事務所に勤めているので、高年齢雇用継続給付金の申請をするときにただ書類をマニュアル通り作成するのではなく、要件を再度確認するふりして勉強するみたいなこともしていました。総務職の方などはぜひ真似されてください。仕事の精度も上がるので一石二鳥です。
あと、基本的に勉強スケジュールの管理は時間ではなく、「本試験までに過去問を5周したいから、今月はここまですすめたい、そのためにはこの1週間で何ページすすめて、1日あたり何ページすすめる」といったタスクベースで管理していたのも、勉強時間がよくわからない理由の一つです。やる気がないときは過去問10問解くのに1時間ぐらいかかるし、やる気があるときは秒でおわります。時間は全然違いますが、どちらも同じ勉強量です。
何時間勉強するではなく、合格できるレベルに達するまで勉強するのです。勉強時間をカウントすることは自分に自信を持つ以上のたいした意味はなく、点をとることに意味があるのです。とにかく点をとるのです。