真珠問屋というところ2
「これお客さんから糸替え頼まれたから、お願いね。」
と言われて、真珠のネックレスをお預かりすることがよくあります。
うちの店で購入されたもの以外はメンテナンスしない
というような、小売店風のことは言いません。
どんな真珠のネックレスであろうと、組み直しはします。
お預かりするときに
長さ、珠数、クラスプ(留め金)をチェック。
珠数は目の前で数えます。
短くなった!とかすり替えられた!とかのトラブル防止のために
必ず加工指示書に書きます。
驚くことに、イミテーションパールを持ち込まれる場合があります。
「こちら、イミテーションなので糸組みはできません。
どうされますか?」
と言うと…
「えっ?それイミテーションなの?えー!」
「ほらここを見てください、塗料が溜まってますよね。」
「あら!ほんとだわ!やだー!気づかずお預かりしちゃったわ!」
なんてことがあります。
こちら、宝飾店の方ですよ。
本物の真珠とイミテーションパールの判別もつかないとか!!!
「やだー!」なのは頼んだお客様ですよねぇ。。。
実際、宝飾店とはいっても、真珠についてあまり詳しくない方も
いらっしゃいます。
ダイアモンド専門だったり、色石が得意だったり、
それぞれのお店によってカラーがありますので
たまたま真珠に詳しくないお店の方だったのかもしれません。
とはいえ、真珠の真偽くらいは判別してもらいたいところ。
簡単にお伝えしますと…
真珠のひとつひとつの色が全部違うのが本物です。
よーくご覧ください。
真珠ってひと珠ずつ色が微妙に違うんです。
そして次に穴口をご覧ください。
本物はきれいに穴が開いています。
イミテーションの場合はギザギザになっていることがあります。
糸組みすると切れやすいため、ワイヤー加工でしか承ることはできません。
そして、真珠と真珠を優しくこすり合わせるような感じに
してみると、なんとも言えない摩擦感があります。
ツルツルな塗料とは違って、引っかかる感じがするのです。
強くやってはいけません、やさしーくやってみてください。
イミテーションパールは、ワイヤーで組み直してお渡ししました。
宝飾店としては、お預かりした時点でイミテーションですよ、
と言えなかったことは残念ですし、信用を損ねてしまいます。
だって、組み直しを頼んで、戻ってきたらイミテーションですよって。
本物をすり替えられたと思われても仕方がありません。
そして、イミテーションだったら組み直しなんて頼まなかった、
と言われてしまう可能性もあります。
世の中には、本物の真珠とイミテーションを見分けることもできない
宝飾店が存在するのです。
あなたの信頼する宝飾店はそんなことはないと思いますが
上記の見分け方を参考に、ご自身の真珠を見直してみてください。
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