「男のプライド」第5話
バイト先のご利用者さんで珍しく
一人暮らしの男性がいました。
奥様は施設に入ったばかりで初めての
一人暮らしに意図せずなったようです。
サービスは1日1回夕方に料理を作り
テーブルに並べ 朝の分は分けて冷蔵庫
ヘルパーがいると始終ウロウロして
落ち着かず椅子に座る事もありません。
食べる所をみられるのも嫌みたい
テレビもつけず家は静まり返っています。
何とか打ち解けようと
色々話しかけてはいました
ある日猫の鳴き声が聞こえ外を見ると
窓際に人懐っこい野良猫がいて
呼んでるよう
「この時間になると時々やってくるように
なったんですよ」
とゆうと戸棚から昔飼ってた犬の餌を
皿に入れ猫に食べさせていたのです。
私が「いいお友達が出来てよかったですね」
とゆうと
「餌ですよ。私と同じ…」
え…と驚きました。
餌を与えられ世話をされるのが惨めかの様に
猫を憐れみ 自分も哀れだと感じている
ようでした
よく恋愛評論家は「男は頼られたり
甘えられると喜ぶ」といいますが
奥様にはそうされていたのでしょうか
この生活が始まったばかりで馴染めて
いないのはあきらかでした。時期
受け入れる事ができるかな…と
思っていましたがすぐにサービスを
打ち切り奥様と一緒の介護施設に
入ってしまったのです
大きな一軒家での一人暮らしは身の
置き場がなかったのでしょう
山さんも一軒家の一人暮らし。
寂しいとか死にたいとかいいながら
施設よりましだといいます
その日の山さんのファッションは
山姥風バスローブ
死人に頼み事は駄目!!って説得力
ありすぎでした
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