詩 嘘

苦しまぎれの嘘

鼻歌交じりの嘘

悲しい嘘

楽観的な嘘

予測不可能な嘘

君の全ては嘘で構成されている

毎日の嘘―流れてくるメロディーのように

小太鼓が鳴り響く中

ドンドコ ドンドコ

君のナレーションは堂に入っていて

私を騙そうとして全力投球だ

千夜一夜の虚構の世界

しばし夢中になって傾聴する

しかし目覚めれば全てが

ない―

あっけない程だ

私が人の話を聞いても丸っ切り信じないような

人間だったとしたら

君も騙しにかからないだろう

それ程の真実味を帯びさせようとする

知力のパワー

感じ入るね、その執念

嘘をつくよりも

たった一つの真実によって

私の心は解きほぐれていく

私を愛してる人の

眼差しや、声や、仕草や

私の心はそういうものだけを

欲するのよ




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