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不妊治療物語4 〜殿との出会い〜

そんなこんなで本格的に体外受精へ踏み切るため、より専門的な病院を調べ始めました。

幸い自宅が都心部だったこともあり通える範囲にいくつも病院はありましたが、病院によって方針やカラーが異なりどこが自分に合っているのかよくわからないなぁというのが本音でした。


思い返せば、この時点での調査不足が私の不妊治療を長引かせた敗因の一つでした。



私が最初に選んだのは自然派のN病院でした。

不妊界隈では有名な病院で、特徴としては基本的に高刺激はせずに自然周期で採卵、移植をする方針であること。

つまり、あまり薬を使わないということです。

良さそうに聞こえるけど、これは卵巣機能がある程度維持されていることが前提となります。

そもそも放っといたら卵胞が育たない人などは、自然周期では採卵に漕ぎ着けないのです。

そして自然に卵胞の成熟を待つので、採れる卵の数が高刺激法に比較して少ないことや、スケジュールの調整が難しいことなども欠点として挙げられます。


ただ当時私は生理が順調に来ていて毎月排卵もしていることを確認済だったこともあり、自然周期でいけるなら自然周期で!という軽い気持ちでこのクリニックの門を叩きました。

そしてここで衝撃の理事長、殿と出会うのでした…。

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