不妊治療物語6 〜ぽぽぽぽりーぷ〜
内診を終え、なんだか一気に老け込んだ私は白目むきながら診察室の前で待機していました。
殿のいる診察室に次から次へと患者か呼ばれ、不妊治療クリニックとは思えない速さで回転していきました。
(あれ…なんかこういうクリニックってもっと患者と医師がうだうだ話し込んで一人ひとりに時間かかりそうなもんだけどな…)
なんて思っていたら、あっさり自分の番に。
「joyanesさんねー、ええーっと、卵胞ね、少ないね。あなたの歳ならもっとたくさん見えてていい。あとAMHも低いね。まぁなのであんまりのんびりはしてられないと。そして子宮ね。これは多分ポリープだね。たくさんある。まずこれを採らないといかん。それからだね。あとあんたの子宮は前後屈だね。治るかと思ってエコーで力入れてみたけど治らなかった。まぁそれはいいとして、まずはポリープ採ってフーナーだね。まだフーナーしてないんでしょ?」
大体こんな内容を一息に言い、私はポカーンとしてしまいました。
ポリープ…?
半年以上婦人科クリニックに通って毎月エコーで内膜診てもらってたのに一度も言われたことないんだが…?
内膜に多発ポリープがあればそりゃあ妊娠しずらいのも納得だけどなんで今までわからなかったんだよ…
じゃあこれまでのタイミングとかAIHとか全部無駄じゃん、全然意味ないじゃん…!
フツフツと前医に対する怒りが込み上げてくる私。
そして前医ではフーナーはやらない方針だったため未検査でしたが、もう体外受精するならフーナーとか関係ないからそんなのすっ飛ばして採卵に進みたい!
「あの…もう出来るだけ速く妊娠したいのでフーナーではなくて体外受精を進めたいのですが…」
と恐る恐る殿に申し上げる私。
すると殿から一喝!
「速く欲しいのは皆同じ!
不妊には原因があるんだから、一つ一つそれを潰していくしかない。
まずはポリープ採ってフーナー!」
「…はい。」
反論する隙もへったくれもなし。
(ああ、この人は絶対に自分の思う通りに治療進めるタイプの人か。
それだけ自信があるんだろうな。
仕方ない。こちらは素人だし、まずは信じてみるしかないか…)
しかしポリープの件については納得いかず質問してみました。
「あの…私ずっと他のクリニックで内膜診てもらってたのに一度もポリープなんて言われたことなかったんですけど、エコーじゃわかりにくいものなんですか?」
と聞くと
「まぁ不妊治療専門にしてる人間じゃないとまずわからんだろうね」
と。
ほんとかよ…?
巷の婦人科医ってそんなもんなのか…?
いや麻酔科医の私にはよくわからんけど…
「いやでもAIHはやってる程度には不妊治療やってるクリニックだったんですけど…」
「AIHなんてどこぞの山奥でも出来る」
ああそうですか…そりゃあ失礼致しました笑
まぁこの時点で殿は何も間違ってないんですよね。
ひとまず言われた通りにしてみるかーとポリープ採る日程決めつつ主人の精液検査の予約を取ることに。
そして次回、主人も殿にフルボッコにされるのです。