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ここ半年のイヤ活とか

 そのうちレビューしようとか思ってたらいつの間にか半年以上空いてしまったので、ここ半年でお迎えしたイヤホンのレビューとか。
 Fender TRACKからだいぶ環境が変わったというか、順調に沼にハマっているというかそんな感じです。
 他の方みたいに文章が上手かったり表現に優れてたり分かりやすかったりみたいなのは一切ない、ただの低音厨のおっさんによる感想レビューなのでご容赦ください。


MADOO typ512

 某レビュワーさんが「低音の化身」と紹介されていたのを見て、低音厨としては試さないわけにはいかないぜ!と試聴しに行き即堕ち。
 お値段がお値段なのでしばらく悩んでたんですが、冬🍆が出たタイミングでお迎えしました。
 丁度秋葉原では品切れてたタイミングだったので、中野まで行ってお迎え。

MADOO typ512
Nobunaga Labs 「悠楽」にリケ

 音に関して「低音の化身」という評は実に的確かと。
 低音域、特にキック/ベースに関しては脳幹に直接響くと言っていい程の重みがあり、クラブミュージック、特にHARDSTYLEとかHARDCOREとかと滅茶苦茶相性がいいと思います。
 対する中/高音域は割とあっさりめ。あっさりめとは言ってもちゃんと鳴らしてくれるので、これだと物足りないと感じる人はいるだろうなー、程度のものです。
 総じて聞き疲れする傾向の音ではなく、長時間のリスニングも結構余裕です。低音ホンの鑑。

 音以外の点でいうとこのtyp512、というかMADOO現行機種3兄弟の共通点なんですが、装着感がとにかく抜群に良いです。
 そこそこ重め+デカめの金属筐体ですがスッと耳に納まってくれるため、重さを意識させられることはほぼ無いと言っていいレベルだと思います。
 アジア人のインプレッションだけ300人分集めて作った独自形状に嘘はなかった。

総評

長所
・高品質な低音
・長時間リスニングに耐えうる刺さらない音
・分解能の高さ
・抜群の装着感
・デザインがかっこいい
短所
・ノズルが独自形状なためイヤーピース換装の際注意が必要
・純正ケーブルのアジャスターが割とガバガバ。すぐ落ちる
・Pentacon ear特有のリケーブルの選択肢の少なさ

 短所と言っても気にしなければそれまでかなー、といった細かい点なので、欠点のほぼ無い完成度の非常に高い低音ホンだと思います。
 2DDを抜いた同価格帯の中では突出しており、低音厨の皆様には是非おすすめしたい1本です。

BGVP DMA

 平素通り秋葉原をブラブラしていたら「音場が横に広い」と紹介されていたので、横に広いとはなんぞや?と思って試聴したところ本当に横に広かった。「なんじゃこれおもろ!」となって衝動買い。

BGVP DMA
Kineraの青いケーブルにリケ。綺麗

 1DD+2BA+2BCDという構成、かつ骨伝導を中/低音域の音の表現に利用しているとのことで、先述した通り音場が横に広く、低音ホンの中でも特徴的な空間表現力を持っていると感じました。
 前項のtyp512が重みのある低音だとするとしたら、DMAは弾みのある低音でしょうか。特にキックに関しては「ズン、ズン」といった感じではなく「ポン、ポン」という何処か軽快さを感じる音です。
 音場の広さも相まって、TRANCEやHOUSE、POPSに関してはこちらのほうが相性がいいように思います。
 一方であまり強い音圧の表現は得意ではなく、歪んだギターの音などはちょっとモヤっとした感じの音になってしまったり、音量によっては割れやすいです。ROCKやMETALにはあまり向いていないかもしれません。

 メカメカしたデザインも高評価。青いフェイスプレートの下のシェルは透明で、中のドライバーや音導管が見えるようになっています。この年になってもスケルトンにワクワクするのは治んないンだワ…。
 本国ではフェイスプレートが白のモデルも販売されているようで、純正ケーブルやケースが純白なのも恐らくそちらに合わせてあると思われますが、残念ながら日本での販売はブルーのみのようです。

 少し気になった点としては、本体以外の部分に「雑」さが見られたところでしょうか。
 パッケージのフェイスプレートの色はかなり紫がかったオリエンタルブルー系統の色ですが、実際の本体はゼニスブルーと言うか、パッケージに比べるとかなり彩度が高いです。
 また、4.4mmプラグのプラグカバーが欠品していました。別の方では3.5mmのほうが欠品していたとのことで、ここらへんは「うーん中華」としか言いようが無いですねw

総評

長所
・弾むような独特の低音
・広い音場表現
・デザインがいい
短所
・音圧に弱め
・クソデカプラグくん(BGVP共通の模様)。普通に邪魔なレベル
・ちょっと残念な気分になる音・本体以外で滲み出る雑さ

 恥ずかしながらDMAを購入するまでBGVPというメーカーを認識すらしていなかったのですが、実験的な製品に溢れかえっている中華ホン界隈でも特に冒険的なプロダクトを作りたがるメーカーのようですね。
 DMAはその実験がかなりうまいことハマった、面白い1本だと思います。
 若干ジャンルを選ぶ感はありますが、300$クラスとしては買い得感を感じられると思います。

Empire Ears BRAVADO MkII(Universal fit)

 RAVEN発売後そのクオリティの高さとお値段に衝撃を受け、すっかりEmpireが憧れのメーカーになっており、秋葉原のカスタムIEMコーナーでEmpire製品を試聴してはお値段を確認して涙しながら帰るのが秋葉原訪問時の日課になっていた(店員さんごめんなさい)のですが
 ある日も日課をこなしたあと中古コーナーになんか面白いもの転がってないかな~、とウロウロしていたところ状態A・付属品完品のこれが出ているのを見つけて息が止まりました。
 ユニバは確か21年発売。定価799$で今のレートだと127kくらい…かつ多分生産終了かそれに近い状態なので、これを逃したらA品が出るのはいつになるか…。というかEmpireの中古自体あんま見ない気がするし…。
 などと考えながら試聴をお願いし、試聴に2時間くらい費やしました。(店員さん本当にごめんなさい)
 最終的に清水の舞台から飛び降りる形でお迎え。

Empire Ears BRAVADO MkII
恐らくほぼ未使用のA品でした。出会えたのが奇跡
Nobunaga Labs ECLIPSにリケ
純正ケースは怖くて使えなかったのでJUKEBOXに

 Empireの中ではエントリーの位置付けとされているBRAVADO MkII。エントリーで800$って何?と思いますよね。思うんです。
 ただそのクオリティはやはりというか、帝王の名に恥じぬものだと言っていいでしょう。
 低音はtyp512に似たズンッと来る重量感があり、それだけで低音ホン好きのツボを押してきます。筐体の素材の差かどうかわかりませんが、BRAVADOの方が若干重量感に加えて粘りがあるような気がします。
 512との最大の違いは中/高音域の艶感でしょうか。あっさり目の味付けだった512に対してBRAVADOはこちらも濃厚です。特に女性ボーカルの艶感に関しては512を完全に凌駕していると言っていいでしょう。
 ただ注意すべきは、いわゆるボーカルホンにはその分野では及ばないであろうということでしょうか。音源自体のマスタリングがどうなっているかにもよるとは思いますが、あくまで低音ホンの中では優れている、と捉えたほうが無難な気がします。僕はボーカルホンを所持していないので、ここらへんは憶測の域を出ませんが。
 合うジャンルとしては…基本的にクラブサウンドは一通り合うと思うのですが、MELODIC DUBSTEPやBASS HOUSE、HARD DANCEのようないわゆるベースミュージックや、HiTECHのようなキック強めのTRANCE派生ジャンルは特に魅力的です。勿論ギターサウンドの表現も素晴らしいため、HARD ROCK/HEAVY METALなども素晴らしいです。
 苦手なジャンルはあえて言うならばAMBIENT系でしょうか。個性を活かせないジャンルになると一気に音がスカスカになってしまうように感じます。

 デザインに関しては、実はHEROとかLEGEND EVOのほうが好みです(
笑)。Empireで一番好きなのは言うまでもなくRAVENですが。
 ただひと目で分かる外箱や付属品の高級感は間違いなく所有欲を満たしてくれるものですので、完品と出会えたのは本当に運が良かったと思います。
 ケーブル/プラグに関しては、4.4mmがここまで普及する以前の製品ですので、プラグが3.5mmだけなのは仕方ないな、という感じです。プラグの形状は北欧神話のトールハンマーを模したような凝った作りになっていて好きなんですが、リケーブルさせてもらいました。

総評

長所
・重量感のある低音
・中/高音域の隙のない表現力
・僕の好きなジャンルには割と何にでも合う(主観)
・高級感
・ブランド力とか言うチート
短所
・長所を封じられると弱い
・値段()

 前述もしましたがEmpireは僕の憧れのブランドで、いつかオーナーになりたいなぁ、と思っていたので、セカンドハンドのエントリーモデルとはいえ憧れが憧れでなくなったのは自分のオーディオ道において凄く大きな出来事でした。
 お陰様でしばらく出費を抑える必要がありそうですが、もしもあそこで見送っていたら次はなかったであろう(実は同時にほぼ同じ状態のODINも出ていましたが、3日後にJUKEBOXを買いに行ったらいなくなっていました)ことを考えると、後悔しない選択肢を取れた事はなんというか、とても嬉しいことでした。


 長くなってしまいましたが、そんな感じです。
 他にも「買わない」と言っていたMDR-MV1を結局買ったり、FIIO K7を導入してみたりと順調に沼にハマっていたりします。
 ちなみに色々と物が増えましたが、Fender TRACKくんは今でも主に音ゲー用として常に持ち歩いています。なんだかんだで愛着のある1本です。

 Ziigaat Doscincoが気になりすぎて仕方なかったり、DUNU DaVinciの国内販売が決定してそわそわしたりと、まだまだ沼は深そうですが、今後も借金と破産だけはしないようにのんびり楽しんでいきたいと思います。

 最後にここまで読んでくださった皆様に感謝を。良いオーディオライフがありますように。

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