見出し画像

ジェンダー・ハラスメントとは

職場のジェンダー・ハラスメント

男性も女性もどちらでもない人も、加害者にも被害者にもなる

ジェンダー・ハラスメントとは、男女という二元性によって人を区分し、それぞれの性に紐づく役割を期待したり、強要したりする言動です。
ハラスメントと聞くと、男性から女性へのものを想像する人が多いかもしれませんが、そうとは限りません。ジェンダー・ハラスメントは、被害者・加害者ともに、男性、女性、そのどちらにも当てはまらない人がなりえます。また、男性対女性といった対立構造で捉えられることが多いため、異性間の行為を想像する人が多いかもしれませんが、そうとも限りません。同性同士のジェンダー・ハラスメントは頻繁に発生しています。
少し意外に思うかもしれませんが、男性から女性へのジェンダー・ハラスメントと女性から女性へのジェンダー・ハラスメントが同じくらいの頻度で発生しているという調査結果があります(小林, 2009)。

就業女性へのジェンダー・ハラスメントとは?

職場の女性へジェンダー・ハラスメントは、従来女性向きとされてきた周縁的な役割に女性を固定し、反対に、男性が向いているとされてきた基幹的役割や重要な仕事からは除外することです(小林・田中, 2010)。
例えば、ある有能な女性リーダーに対して、「美人だからうまくいったんだ」「銀座のママのようなもので、真のリーダーとはいえない」などと言い、その女性のリーダーの資質を否定するといったことがあります。それは、その女性の仕事ぶりを評価せずに、女性らしさといった特性を強調して、そこだけを積極的に評価することです。
また、地位や職歴が同等の男女に対して、男性の方を重く扱い、両者を平等に扱わないといったことが挙げられます。
若い女性が先輩男性を尊重するのに対して、先輩女性には敬意を表さないといったことを見聞きしたことはありませんか?また、職場の食事会の席で、大皿の料理を取り分けるなどして、気配り気働きをしている女性が、それに協力しない女性に腹を立てたり、自分と同じようにふるまうことを強要するといったことを見聞きしたことはありませんか?これらは女性から女性へのジェンダー・ハラスメントに該当します。同性間で行われるジェンダー・ハラスメントに、留意する必要があるといえるでしょう。

お問い合わせ先 toiawase.cct【アットマーク】gmail.com

引用文献  
小林敦子 (2009). ジェンダー・ハラスメントが達成動機に及ぼす効果 ―地方公務員の女性を対象として― 応用心理学研究, 34, 10-22.
  小林敦子・田中堅一郎 (2010). ジェンダー・ハラスメント測定尺度の作成 産業・組織心理学研究, 24, 15-27.



いいなと思ったら応援しよう!