岸田Japanは倭人自治区になる?
岸田Japanは倭人自治区になる?
“シーチン”修一 2.0
【雀庵の「大戦序章」83/通算515 2022/8/21/日】11月の米国中間選挙を控えて米国民主党とその支持者によるトランプ叩きが凄い。そのトランプが大統領時代に、彼を世界で一番恐れ嫌っていたのは習近平とプーチン、金正恩という赤色独裁3傑のワルである。
トランプの2016年大統領選のスローガンは「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」だった。「企業は海外投資を控え、米国内にこそ投資し、雇用を増やすべきだ。中国ばかりが潤い、米国の工場は閉鎖されてサビ(ラスト)ついている。まるでラストベルトで、多くの国民が失業の憂き目に遭っている。米国を再び偉大な国、元気な国にしよう、Make America Great Again!」とハッパをかけた。
誠に正論である。多くの米国企業が国外生産を止めたり縮小して米国に戻り、日本企業も米国で現地生産を増やし、それにより失業率も改善していった。中共との共存を優先して世界の警察官を辞任したヘタレのオバマ・民主党が消え、元気なアメリカが戻ってきたのだ。
トランプ政権で一番割を食った国は主敵とされた習近平・中共で、なす術もなくバッシングを受けた。トランプは中共を恐れないし、「誰のお陰で今の中国があると思ってるんだ」という態度だった。中露北にとってトランプは、何をするか分からない「怖さ」があった。
安倍氏とトランプ・共和党は相性が良かった。リベラルを自称する人は概ね容共だが、この二人は「共産主義独裁は悪であり、中露北は国際秩序を破壊しかねない不倶戴天の敵」という認識で一致していた、と小生は思う。
トランプ政権は一期4年で終わってしまったが、50州からなる連邦国家の米国では州の権限が保護されているため、大統領選挙でも日本のような全国一律の厳格なルールがあるわけではない。
「アメリカの大統領選は国民の直接投票ではなく、州ごとに異なる制度で選挙人団を選ぶ間接選挙になっており、やや複雑だ」(東洋経済)とは知っているが、調べてみると「かなり複雑」で、州により「細則」が異なり、郵便投票などは時の州知事や州議会多数派が意のままに変えることができるようだ。大体、日本のような厳格な「住民登録」制度がなく、投票所スタッフの選任経緯も曖昧など、不正の温床になりやすいのではないか。
こうした曖昧さ故にトランプは「選挙が盗まれた!」と不信感を募らせているのだろう。日経2022/8/14「米大統領選にルール変更論 共和は郵便投票縮小も探る 州議会権限、最高裁が判断」から。
<米国の共和党が大統領選挙のルールを決める権限は州議会にあると主張し、実現に動き出した。州議会の決定は裁判所の介入を受けないとの考えで、連邦最高裁が来夏までに合憲性を判断する。合憲になれば、郵便投票の大幅な制限などに道を開くとされ激戦州で議会多数派を握る共和党に追い風となる>
USA、United States of America・・・日本語にすれば、複数の国からなる「アメリカ連邦」だろう。50の各州はそれぞれが州法を持つ独立した「国家」であり、日本の都道府県のような「自治体」とは全く違う。
共和党と民主党の対立はオバマ政権以降は年々激しくなっている印象だが、我が国の明治の教育勅語「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶養すべし」のように、米国民は有事の際には党派や宗派を超えて大結束、大団結するというのは凄い。イザ!となれば中露北との戦争も辞さないだろう。これこそが世界有数の強みになっている。
奥山真司/地政学・戦略学者の「日本は防衛費を3倍に! 注目の米戦略家が断言する理由とは」SAKISIRU 2022/8/7から。
<「日本は防衛費を増額すべきだ、しかも(GDP比)2%ではなく、3倍の3%も目指すべきだ」
実に刺激的な提案をする人物と、先日都内で意見交換をしてきた。エルブリッジ・コルビー(42)氏である。コルビー氏はトランプ政権で国防次官補代理を務めていた時に2018年の「国防戦略」(NDS)をまとめ、それまでのアメリカの大戦略でテロ組織を最大の脅威としていたものを、「大国間競争」の時代に入ったとして方針転換させた張本人だ。
彼は元官僚として、現在は「マラソン・イニシアチブ」という小さなシンクタンクを立ち上げてワシントン界隈でアクティブに活動している。去年の2021年9月には自身の戦略論をまとめた『拒否の戦略』(The Strategy of Denial)を出版し、日米の国防関係者の間でも話題になっている(邦訳は日経新聞社が準備中)。
このコルビー氏から、知人のつてで突然「8月初頭に訪日するから一緒に昼飯でも食べないか」と提案があり、急遽都内で意見交換をすることになった。
もちろん公式なインタビューではないので、彼と私の詳しい会話の内容はここで紹介するつもりはない。すでに日本のいくつかのメディアで見解を発表しているので、詳しくはそちらを見ていただきたい(参考1「朝日新聞デジタル」、参考2「日経電子版」)。
しかしそれでは物足りないという方々のために、私がすでに読んでいた彼の本から読み取った、日本の今後の戦略を考える上でカギとなるものを以下の5点にしぼって紹介しておきたい。
【(1)世界秩序の安定に必要なのは】「平和」といえば日本では一般的に「武力衝突のない安定して穏やかな理想的な状態」であると解釈されがちだ。しかし国際政治を研究する学問(国際関係論)の伝統的な学派のうちの一派で「リアリズム」(現実主義)という学派の学者たちは、「平和」とは国家間で力のバランスがとれている「次の戦争までの小康状態」のことだと解釈することが多い。
この考え方は「勢力均衡」(バランス・オブ・パワー)という概念として説明されることが多いのだが、この概念については学者たちの間でも考えが二派にわかれており、上述したような「平和は、国家間の力が均衡している時に実現する」というものの他に、「平和は、一国が圧倒的な力を持った不均衡な状態の時に実現する」という、いわば「勢力不均衡」の場合のほうが実現しやすいと説くものもある。
コルビー氏は後者の立場をとっており、自身をリアリズムの古き良き伝統を継承した考えに立ちながら、「アメリカは圧倒的な力を維持して世界秩序の安定に寄与しなければならない」とする立場をとっている。
【(2)アメリカの力には限界がある】ところがコルビー氏は「アメリカにはその圧倒的な立場を維持するだけの力がもう残されていない」との厳しい認識を持っている。
コルビー氏の厳しい現状認識の前提には、イギリス出身のポール・ケネディ氏が世界的ベストセラー『大国の興亡』(草思社)などで展開した、いわゆる「帝国の過剰拡大」(Imperial Overstrech)という概念がある。
つまり現在のアメリカは、権益と支配が過剰拡大するという覇権国が陥りやすいワナにハマっているという認識だ。
たしかに現在のアメリカは、世界各地に300を超える基地や拠点を持っており、それらは「三大戦略地域」と言われる西欧、中東、東アジアのそれぞれの地区を睨んだ形で置かれている。だが、ようやく撤退できたアフガニスタンやイラクだけでなく、リビアやイエメンなど、現在でも中東やアフリカなどで手広く軍事介入を行っている。
そうなると、いくら世界最大の軍隊を備える国家であっても、大戦略において優先順位の立て方を間違えてしまうとリソースをうまく活用できないことになる。それぞれの方面で手薄になってしまうからだ。
【(3)アメリカは大戦略を間違えていた】それぞれの方面で手薄になる、ということは、つまり「気が散る」(distracted)という状況に陥りやすいのだが、コルビー氏はここ20年間のアメリカは実際にこのような状態にあったのだと断言する。
たとえば2001年9月の連続多発テロ事件をきっかけとして始まったアフガニスタンやイラクへの侵攻だが、コルビー氏にとって、これは大戦略の選択の大間違いとなる。
なぜならアルカイダのようなテロ組織というのは、アメリカにとっては覇権や国家の存続そのものを脅かすような存在ではなく、国家の威信をかけて戦略を考えるような相手ではないからだ。
アメリカにとっての脅威はあくまでも覇権を脅かす「大国」であり、中東で行っていた「テロとの戦い」(the Global War on Terror:GWOT)や「対テロ作戦」(Counter Insurgency:COIN)などは、まさに「気を散らす」存在以外の何者でもないことになる。
【(4)中国こそが最大の脅威である】ではアメリカは大戦略の焦点をどこに置けば良いのか。コルビー氏はそれをアメリカにとってライバルとなる「大国」、とりわけ中国であると主張して譲らない。
なぜ中国なのかといえば、アメリカの覇権と、それが形成してきた現在の世界秩序を作り変えるポテンシャルを、経済面でも軍事面でも最も高く持っているからだという。これは同国を「戦略的競合相手」と位置づけた歴史的なアメリカの国防戦略の文書をまとめた人物としては当然の結論かもしれない。
もちろん東アジアに生きる我々にとって、世界最強の軍隊を持つアメリカの国防関係者が「中国の脅威に集中せよ」と言ってくれることは頼もしい限りではあるが、だからといって手放しで喜ぶことはできない。
というのも、前述したようにコルビー氏は「アメリカの力には限界がある」という現実を自覚しており、だからこそ冒頭で紹介したように、日本にも相応の防衛費増額の負担を求めるからだ。
つまり現在の世界秩序を維持したければ、余裕のないアメリカに一方的に頼るだけではなく、日本もそれ相応の負担をすべきだ、という以前から繰り返されている議題なのだが、コルビー氏によれば、日本にはついにその「年貢の納め時」が来たということだ。
【(5)ロシア対応に割くリソースはない】そうなると一方の「大国」であるロシアはどうなるのか。
コルビー氏はロシアがウクライナに侵攻していることは問題であることは認めつつも、基本的にそれは現地の当事者である欧州諸国が主導すべき問題であり、アメリカは武器や資金の提供はしつつも、決して兵力を派遣するような形で直接介入すべきではないとしている。これは中国の問題から「気をそらす」ことにつながるからだ。
当然ながらこれはウクライナの惨状に同情すべきだとする人々からは反発を受ける意見であり、本人もそれを自覚しているが、それでもリソースを集中させるべきは東アジアの中国であり、それこそがアメリカの大戦略の進む道なのだという。
【冷戦後のアメリカの「過ち」とは】以上のように、コルビー氏の思考は極めて明晰である。アメリカの大戦略の方向性と、その論拠に関する議論について一点の曇りもない。
もちろん彼の思考が「タカ派すぎる」というものや、あまりにも「帝国主義的だ」という点から批判されそうなのは、私にとっても気になるところだ。
ただしそのような問題点を超えて私が本質的に同意したのが、なぜアメリカが長きにわたって戦略を間違えていたのか、という理由についての彼の分析であった。コルビー氏はそれを「ソ連との冷戦に勝ってから世界は一極状態となり、アメリカは戦略を真剣に考えなくなったからだ」と主張している。
つまりアメリカは冷戦における戦略に成功してしまったからこそ、その後に油断してしまい、対テロ戦のような寄り道をして、真剣な戦略思考を持つ人間を育てられなくなってしまったのである。
【日本が主体的に戦略を考えるべき時】ここで、読者はお気づきになられるはずだ。戦略を最も考えてこなかったのは、そのアメリカの戦略に乗っかったまま、これまで真剣に考える必要のなかった日本そのものではないか、と。
もちろん「インド太平洋」という概念を国際的に広めて日本の安保制度の変革への一歩を踏み出していた故安倍元首相という例外的な存在はあったが、それはあくまでも例外である。
もし日本が防衛費を増額したくないというのであれば、コルビー氏の主張に対抗できるような説得力のある戦略を積極的に打ち出すべきではないか。
いずれにせよ、先日のペロシ下院議長の訪台とその後の中国による軍事演習で日本のEEZ内に中国のミサイルが着弾するような事態も発生している。いよいよ戦略を必死に考える時期が来たと言えるだろう>(以上)
「戦略を必死に考える」・・・習近平・中共に威嚇、恫喝されても「中国の弾道ミサイルがEEZを含むわが国近海に落下したことは、わが国の安全保障、国民の安全にかかわる重大な問題だ。中国の行動は地域および国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える。軍事訓練の即刻中止を求める」(外務省・森健良事務次官)。
一方、中共は「中国の主権や領土保全を侵犯するいかなる行為にも中国人は必ず倍返しする」(産経2022/8/4)
中共の弾道ミサイルが日本のEEZに着弾したのは初めてというのに岸田政権は通り一遍の“遺憾砲”、ただの空砲でご挨拶。出自がパンダハガーの宏池会。それなら中共を真似て「日本の主権や領土保全を侵犯するいかなる行為にも日本人は必ず倍返しする」と言ったらいい。
「存在が意識を決定する」。圧迫されていると解放されたいと思う。その逆に満足していると現状を変えようという意欲は湧かない。「なにくそ」というハングリー精神は起きない。マキアヴェッリ曰く――
「建国間もない新君主は側近に慣れ親しんだものを置く傾向があるが、今の境遇に満足しているイエスマンばかりが側近だと国家はやがて堕落、弱体化していく。
一方で新君主により追放された旧政権の幹部の中には不遇をかこつ者が多い。こういう不満居士を登用すると、当初は新君主への反発もあって可愛気がないが、ハングリー精神から「なにくそ、目にものを見せてやる」とばかりにいい仕事をする者が結構いる。当初の恨みつらみは恩讐の彼方となり、彼らはやがて良き側近になったりする」(君主論第20章「君主が常に頼りにすするもの」のキモ)
艱難汝を玉にす、そんな経験のないだろうチヤホヤ育ちの岸田首相で大丈夫か。一点突破、全面展開、まずは安倍氏の「アメリカとの核シェアリングをタブー視せずに(実現に向けての)議論をすべきである」を断行すべきだ。
<しかし、安倍氏の発言に対して、岸田首相や岸防衛大臣は「非核三原則を遵守するという日本政府の立場からは、核シェアリングは認めることはできない」と直ちに火消しに回った。
核シェアリングの議論を封じるそうした日本国内の動きに対して、アメリカからは「日本防衛当局はこの機会を潰してしまうのか」と不満の声も上がっている(北村淳:軍事社会学者、JPpress 2022/3/10)>
脳内お花畑、危機感もなさそうな羊が1億日本のリーダー・・・このままの無為無策が続けば日本は間違いなく「倭人自治区」になる。
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