日本の安全保障こそ大事
日本の安全保障こそ大事
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」350/通算781 2024(令和6)年11/19 火曜】固定した長いハシゴに乗っての営繕作業、特にペンキ塗りでは、左手はハシゴをしっかりつかみ、右手で2メートルほどの長い刷毛(自家製、比較的軽い)を操作して塗るので2時間ほどで右手、右腕はヘロヘロになってしまう。結構シンドイので一日おきにしているが、フェンスなど簡単な塗装は右腕への負担が小さいので遊び感覚で楽しんでいる。ストレスの解消にもなる。
ブログを書くのもストレスの解消かと言うと、ちょっと違う。現役バリバリの人は仕事や遊びに忙しくて、仕事関係以外の「国際情勢」なんぞはざっくりとしかチェックしないのが普通である。小生もそうだった。それなら小生があまたの報道から厳選して「日本の安全保障」に関わる論稿を紹介すれば少しは役に立つかもしれないと思っているのである。スマホでは見逃してしまう情報や論稿をこれからも紹介していきたい。
一か月前の2024/10/11産経 古森義久先生の論稿「米に一蹴された石破首相の『アジア版NATO』 『ルーピー』批判浴びた民主・鳩山氏想起」もとても勉強になった。以下転載する。
<つい日本の民主党の鳩山由紀夫政権時代を思い出した。2009年9月に誕生した鳩山政権が米国側をびっくりさせ、対日不信を一気に生んだ先例である。今回の石破茂新首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想へのワシントンの反応は15年前のそんな歴史まで想起させたのだ。
鳩山氏が当時のオバマ政権を仰天させた理由の一つは「東アジア共同体」への賛同だった。東アジア諸国を中国を中心に米国を除外して連携させるという構想は日米同盟の否定に等しかった。だが、日米同盟を保ちながらこの構想を推すという鳩山氏の態度に米側は「ルーピー(愚かな)」という表現を使ってまで反発した。
石破氏のアジア版NATO構想への米側の反応も非現実的とみなす点で東アジア共同体への反対と似ていた。石破氏は日本国内での言明ではこのNATO構想に中国を含む可能性を示唆していたから、その歴史の類似には不吉な重みさえあった。
石破氏の米側への政策発表は「石破茂の日本の新安全保障時代・日本の外交政策の将来」と題され、米保守系シンクタンクのハドソン研究所から公開された。明らかに新首相としての政策発表だった。その中の主眼、アジア版NATO構想については以下の骨子を述べていた。
▽アジアではNATOのような集団防衛システム不在が戦争を起こしやすくする。中国の抑止にはアジア版NATOの創設が不可欠だ。
▽アジア版NATOは中国、ロシア、北朝鮮の核戦力への抑止のために米国の核の共同使用やアジア地域への配備を考慮すべきだ。
▽日本の自衛隊はアジア版NATOでは国内法を変えて、他の同盟諸国の防衛にも出動して戦うようにする。
以上のように石破氏は日本国内では述べなかった重大方針を米側に向けて発信したのだ。中国を脅威の主対象として位置づけていた。この発信では石破氏側近の政治学者が主役を果たしたという情報もあるが、米側ではあくまで石破新首相の政策案と受け止められた。
米側の反応は総括すれば、一笑に付す、という感じだった。私自身が接触した数人の専門家たちはみな「非現実的」や「無知」という言葉を使った。冷笑とか嘲笑とさえいえる反応だった。そのなかで最も丁重にみえたハドソン研究所日本研究部の上級研究員、ジェームズ・プリシュタップ氏の見解を紹介しておこう。同氏は国務省や国防総省で40年ほども日米安保関係を担当してきた超ベテランである。
「アジア版NATOとは巨大な発想だが、その時期はきていない。いや実現することは決してないだろう。インド太平洋地域の戦略環境は多数の国家間の安保上の国益の相違を明示し、NATO的な概念の実現を困難にしている」
一国への攻撃に対して全加盟国がすべて反撃するという集団同盟にいまの日本が加盟できるはずがない。アジアの他の諸国も同様である。
石破氏にとって幸運だったのはこの構想が米側の専門家たちの入り口であっけなく排され、一般には知らされなかったことだろう。首相に就任した石破氏はさっそくこの構想を引っ込めた。まず言葉だけ、という石破流政治の実例か。石破氏が防衛問題に詳しい、などという評価は誰が広めるのか。こんな疑問だけが残る茶番の一幕だった。(ワシントン駐在客員特派員)>以上
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渡部亮次郎 「頂門の一針」ryochan@polka.plala.or.jp
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