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私の青春〜高1〜

私は都内の高校へ入学した。知り合いが1人もいない学校へ。私の中で初めての冒険であった。

入学式では、右も左もわからず、とりあえず、前にいた女の子に話しかけた。彼女はとても優しく、すぐに受け入れて救われた。

高校の入学式が終わって、初登校日の全校朝礼ですっと前に現れた彼は、私に横顔だけ見せて、他の誰かと話していた。
私はその表情を見ただけで、彼に近づきたいと思った。心の中でなにかが弾けた。

彼は同じクラスだったと知ったのは、教室に戻ってからだ。なぜなら、私たちの高校は世にいうマンモス校で、1学年だけで1000人ほどは超える。全校朝礼ともなると、もう生徒だらけで見分けがつくのはスーツを着ている先生くらいだ。

教室に戻って、私たちは担任の話を聞いていた。私は前を向きながらも、隣の隣の列の1番前に座ってる彼の後ろ姿を見つめていた。
高校1年生の頃、彼との接点は彼が入ってる同好会と一緒のクラスメイトの女の子くらいだった。試験が始まると、順位が出て、そこで私は彼と少しばかり話すようになった。クラス順位は私が1位で、彼が2位だった。彼はマイペースで流されない人で、私はクラスに馴染もうとするのに必死でたくさんの人と話していた。だから、唯一話せる試験期間も他のクラスメイトに勉強を教えることが多く、彼と一言だけでも話そうとテストが終われば、真っ先に彼のとこに行って、せめて『どうだった?』とか、『あそこの問題いけた?』みたいな上っ面な言葉ばかり並べて、バイバイをしていた。

そんな期間を設けながら、季節の訪れは早く、体育祭や文化祭へとなった。
文化祭では、彼と出店は別々だった。廊下とかで会えば、挨拶したり、おいでよ〜。と声をかけるくらいだった。
気付けば、高校1年も終わり、文系と理系どっちにするのか、選択する時期になった。
周りの女子が文系を選択していく中、私は医療系に進みたかったので、理系を選択した。

理系の説明を受けるのに向かっていると、彼の背中があり、思わず声をかけた。彼も理系を選択していた。私の中では奇跡だった。

私の憧れは高2へと続いた。

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