「家事を年収換算すると…」についてゴリラが思うこと
男女論のひとつに、家事を年収換算すると◯万円だ、みたいな話があります。
だから家で家事をする人間にも給料を渡せ!とか話の方向は色々あるんですけど、ワイはこの話は不毛だなというかあんまり意味がないと思っています。
ワイはスーパーで惣菜を作る仕事をしています。パートで時給制。年収は社保に入るくらいです。
家事でいうところの料理でお金を稼いでいるわけですが、家ではもちろん無償で料理をしています。
家での料理と、労働としての料理は全然違うんですよね。
例えばお弁当作りと一言で言っても、スーパーでは
鶏肉や魚の焼成と、ごはんやうどんの解凍を同時にやりながら、その間に野菜を素揚げして、届いた原料の個数を確認して整理してしまい込み、加熱したものが冷めたそばから詰めていく
という作業をします。
何種類もの弁当を何十個も作らなきゃいけないので当然といえば当然なのですが。
さらに言えば、異物混入に細心の注意を払い、衛生面でも都度アルコールを使用して殺菌、見栄えよく購買意欲がわくように、と気をつかうポイントもたくさんあるわけです。
こういうのは料理だけでなく、クリーニング屋さんに服を出せばシワがしっかり伸びて返ってくるし、ダ◯キンにハウスクリーニングを頼めば特殊な薬剤や道具でピッカピカにしてくれる。お金をもらってやることなので、たとえジャンル的に家事の一端であってもプロの仕事になるんです。
家庭運営のための家事ならば、最低限家族が困らなければいいのでそのレベルでやればいいと思うんです。
なぜワイがこんなことを言うかというと、たま〜にいるんです。
育児がひと段落して、パートでもしようかしらと、家事の延長だから楽だと勘違いしてスーパーの惣菜に来ちゃう人が…。目がまわるような忙しさに「こんなはずじゃなかった」となるんですよ。
あとは働く人じゃなくても、主婦の道楽で惣菜作ってるんだろと思ってる人もきっといます。
お金をもらっている以上は、お金をもらうに足りることをしているということを言いたいんです。
だから、家でやってることを引き合いに出して金銭的価値に換算しようとしたって無駄だなと思うんです。
とはいえ、無償で家事をしてくれる家族にはもちろん感謝すべきです。お金が発生しなくても家庭運営をしていく上で必要なことをやってくれている。家族が困らないようにしてくれるというのは大変なことです。
本質的に違うことを一緒くたにしようとしているから変なことになってしまうのであって、家庭においての家事労働はやらなくてはいけないもので決して軽視できるものでなく尊重するべきである、という論調になった方が喧嘩にならずに済むんじゃないかなぁと思うこの頃です。