チャリ跨ぎながら井戸端会議
今日、僕は自宅から自転車で1分のところにあるコンビニ行った帰り、信号で待っていると恐らく60代であろうおばさん達がチャリに跨ったまま井戸端会議をしていた。片足を浮かせながら。
僕がコンビニに入る前からいて、コンビニに2分ほど滞在していたため最低5分くらいはいるだろう。片足を浮かせながら。
道でばったりあったのだろうか。
ところで、人間は何分話せばチャリから降りるのだろう。
10分なのか、いや意外と30分ぐらいは耐えられるのか、はたまた1時間ぐらいは意外といけちゃうのか。
でも、1時間経ってチャリから降りた時に話が終わったりして。
また跨ったと思ったら話が再熱したりして、すごいソワソワしてるやつみたいになる。そんなことを考えてるうちに自転車から降りられないなんてことが人生で何度もあった。
少し長い信号だったため、僕はなんとなくおばさんたちの話に耳を傾けてみた。
話を盗み聞きしようと思ったら、遠くで救急車のサイレンが聞こえた。
せっかく話を聞こうと思った矢先、救急車のサイレンで話し声はかき消された。
すると、救急車がこちらに向かって走っていることがわかった。
僕と、おばさん達の前を通りすぎる。
その瞬間、
おばさんAが「どこに行くんだろうね〜」
その返しで
おばさんBが「がんばってほしいね〜」
僕は思った。どっちがだよ。
患者なのか、救急隊員なのか。ドライバーなのか。その先の医者なのか。
そしてもう一つ思った。
帰れよ。
信号の前でチャリ跨ぎながら話してて、救急車に反応するレベルの会話なら帰れよ。
僕は人生でチャリを跨りながらした会話で覚えているものなんて一つもない。
救急車が通って、見てしまうのはまだわからなくもない。
でも救急車にコメントするなら帰れよ。
もうそんな話すこともないんだろ。片足は浮かせたままだし。
と、僕は片足を浮かせながら思った。