英語は楽し! 第14弾 「スーパー単語」 work の世界
写真の女性は今、 I am working on Japanese food! と言ってます。「私今、日本料理に夢中です」と言っているのです。
今回は英単語の中の「スーパー単語」を取り上げようと思います。皆さんの「へ~っ!」を引き出せれば、と思います。
扱うのは work(ワーク)です。日本人のほぼ全員が work の意味は? と問われれば「働く」と答えると思います。まぁ、それで間違いではないのですが、「働く」と覚えてしまうと主語は「労働者」にほぼ限定されてしまいます。これではあまりにもったいないのです。実は work は主語が変わると意味が無限に変化する単語なのです。だからスーパー単語なのです。
work の意味は「人や動物や物が、本来の機能をしっかり果たす」です。 work が「働く」という意味になるのは、主語が労働者の時にほぼ間違いないのです。
「人、時計、エンジン、脳、エアコン、薬、視覚、聴覚、味覚、計画、照明器具、内臓、努力、恋愛」など、この世の中には「本来の機能を果たすことが使命のもの」がたくさんあります。だから work の意味は無限に広がるのです。少し例を挙げましょう。
My watch is working well. 「僕の腕時計はばっちり時を刻んでいる」
The student always works hard. 「その学生は常に勤勉だ」
My brain doesn’t work well today. 「今日は頭がうまく回らないわ」
This medicine works for cancer. 「この薬はがんに効きます」
I think our plan won’t work. 「計画はうまくいきそうにない」
主語が看護師なら work の意味は「看護する」、主語がボランティアなら work は「奉仕する」、主語がテレビ番組なら「視聴率がよい」、「脈拍」なら「正しく脈を打つ」、「努力」なら「報われる」、「恋愛」なら「相思相愛」、「もめごと」なら「解決する」という言うふうになります。しかも(否定文でない限り)すべてが「プラス効果を持つ意味」となります。 これもまたスーパー単語である証拠です。
ですのでこう考えてみると面白いのですが、もしこの世の中から work がなくなってしまったとしましょう。いったいどうなるでしょうか。どうでしょうか。とんでもないことになってしまいませんか。世の中すべてがストップしてしまいませんか。スマホも使えなくなるわけですので、世界経済も大混乱に陥ってしまうでしょう。新しい命も誕生しなくなるでしょう。 文明の進歩はあり得ません。 真っ暗闇の世界です。
つまり言い換えれば work はまさに人類を支える偉大な働きをしているのです。
ですのでこの世は work だらけです。「仲間と一緒に頑張る」のが teamwork(チームワーク)、「一生を貫く仕事」が lifework(ライフワーク)、「人間関係を広げること」は network(ネットワーク)、「家で行う作業」は homework(ホームワーク)、「事務仕事」は paperwork(ペーパーワーク)とか deskwork など、その他にもたくさんあります。
英単語の勉強法に「一語一訳」というものがあります。これは「一つの単語に日本語の意味を一つだけ付けて覚える」という方法です。私はこれを否定はしませんが、英語の中にはスーパー単語がいくつもあり、すべてにこの方法を導入すると、とてももったいない事態が生じてしまうと思っています。たとえば、 スーパー単語の一つである get を「得る」とだけ覚えてしまうと、 ① He got me. や ② I got my car into the garage. などの文意が分からなくなってしまいます。 ①は「奴には降参だ」、②は「私はクルマを車庫に入れました」となります。なぜか。 get の本当の意味は「何らかの力が一定の方向に向かう・向かわせる」だからです。①で言うと、「彼の存在から生じる力が自分に向かいぶつかった」 → 「奴にやられた」 → 「降参」となります。②は「クルマを車庫に向かわせた」 → 「車庫に入れた」となります。このように一語一訳には弊害があることも指摘しておく必要はあると思います。
今回は work について寄稿させていただきました。皆さんの興味を引くことのできる他のスーパー単語についても機会を見つけてお示ししたいと思っています。 work は「人や動物や物が、本来の機能をしっかり果たす」です。ぜひこの発想で work と付き合ってください。表現力が倍増です!
では、次回まで。 Stay with me. Bye-bye!