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英語は楽し!  第17弾「色」 Part3 最終回


PART3
Ⅲその他
 今回はごく少数の色についてしか紹介できませんでした。まだ他にもたくさんあるのです。
 たとえば silver(銀)です。 silver は英語圏では「おめでたい」というニュアンスとしてとらえられています。 silver lining(吉兆、希望)、 silver bullet(特効薬)、 silver spoon(銀のスプーン)は「裕福」を意味します。The baby was born with a silver spoon in his mouth.(その赤ちゃんは銀のスプーンをくわえて生まれてきた)というフレーズは「裕福な家庭に生まれた」という意味になります。欧米で今でも出産のお祝いに銀のスプーンを贈る習慣があるのはこのためです。また、月 moon の色は日本では黄色ですが、欧米では銀色 silver なのです。冒頭の写真を見てください。
 青は「高貴」を表します。青い目が英米人の中で畏敬の念を持って歓迎されているのはこのためです。かと思うと、「卑猥」な色でもあるのです。日本語ではピンクに当たりますね。また、「気が滅入る」状態も blue です。ミュージックの一分野に「ブルース」がありますが、 blues と書きます。聞いていると気持ちが沈んでいくような音調ですよね。 blue Monday で「憂鬱な月曜日」となります。日本語でも「ブルー」は憂鬱の色ですね。
 また英語の pink は「健康でピチピチしている」という意味です。「卑猥な」という意味は一切ありません。
 「悪気のないウソ」では white を使います。 white lie です。日本語では「白いウソ」という言い方はありません。一方、悪質なウソを日本語では「真っ赤なウソ」と言いますが、英語では red lie とは言いません。英語は、「真っ赤なウソ」を色で表現できないのです。 英語と日本語の違いの面白いところです。
 

🏳️‍🌈

LGBTQ+の象徴  レインボーフラッグ


Ⅳおまけ
 せっかくですので color という単語について紹介します。名詞の時はもちろん「色」です。動詞として使う時に面白い意味を出します。 He colored his documents. 「彼は自分の書類に色を塗った」=「改ざんした」みたいな意味になります。 color は「事実とは違うことを言う」「脚色する」「粉飾する」という意味で使われています。
 日本語の中に「色を付ける」という言い方がありますね。 「相手に温情を示す。祝儀を出す。値を引く、景品を付ける」などの意味です。例えば孫に小遣いをやろうとしているおじぃちゃんが、もうすぐ孫が5歳の誕生日を迎えるのを思い出し、「色を付けて」もう千円はずんだ、みたいな使い方をしますね。 英語とは少し違いがあるようですが、比べてみると面白いです。
 また英語では意味が広がり、「影響を与える」という意味にもなります。 His poor childhood colored his bad character.(幼少時代の貧しさが彼の性格に良くない色を塗った → 良くない性格を作り上げた)。 つまり、「~のために何らかの色が付く(=影響する)」という感じです。 colored opinion で「偏見」という意味ですが、よく理解できます。
 「有色人種」は people of color となります。
 
Ⅴ終わりに
 外国語を学ぶとは、一つには文化・習慣・概念等の違いを知るということですが、中にはぴったり日本のものと一致するものもあり、びっくりします。たとえ一致はしなくても、「なるほどな~」と思えます。このような気持ちを味わっているとき、みんな同じ人間なんだなぁとつくづく関心し、感動します。こういうところから海外の人をリスペクトできる精神と道筋が開けてくるのだろうなと思います。
 外国語を学ぶとは、やはりそのゴールは、世界平和です。そう信じて止みません。
 では、 See you around!

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