第2弾 結婚・妊娠・出産・赤ちゃん・コウノトリ(part2)
③出産
「出産」は英語で delivery(デリバリ)と言います。「安産」は easy delivery、「難産」は difficult delivery と言います。easy は「簡単な」です。difficult は「難しい」です。また「生まれる」は be born(ボーン)で表現します。I was born in Japan.(僕は日本生まれだ)。面白いことに、「陣痛」は labor(レイバ)と言いますが、これは本来「労働」という意味です。そう、英語の世界では「出産」は「労働」なのです。素晴らしい労働ですね。妊婦さん、お疲れ様です。「つわり」は朝やってくることが多いという理由から morning sickness(モーニングスィックネス)と言われます。
さて、妊婦さんが出産をする場面ですが、日本では妊婦が息むとき、「ヒーヒーハァハァ」など言って分娩の手助けをするのですが、英語圏ではもっとすごいですよ。「おなかに力を入れて赤ちゃんを下へ押し出せ、押し出すんだ!」と励ますのです。皆さんもよく知っているシンプルな単語です。「下へ押し出せ」ですよ。そう、 push です。 “Push, push, push!“と言って妊婦を励ますわけです。妊婦さん、もう大変!産まないわけにはいきません。
④赤ちゃん👶
赤ちゃんはご存じ baby です。babe も使えます。あの有名な野球選手のベーブルースの「ベーブ」はこの Babe です。これは彼の本名ではなく愛称です。ベーブルースの写真を見てください。赤ちゃんのようなかわいい顔立ちですので。それで Babe という愛称で呼ばれていたのです。 a little one も使えます。「小っちゃくてかわいいもの」みたいな意味です。この場合の one は「一」ではなく、「人」という意味です。
さて次に紹介したいのはこれまたかわいらしく心が温かくなる表現です。英語圏では赤ちゃんのことを「一包みの喜び」「一包みの天国」と発想します。「一包み」とは、ほら、生まれたばかりの赤ちゃんが暖かい布にくるまれて、パパママの優しい視線を受けている場面を想像してください。「一包み」とは赤ちゃんが布にくるまれている状態を指しています。そしてこれを「喜びjoy」、「天国heaven(ヘブン)」と結びつけます。赤ちゃんは「喜び」であり、「天国」なのです。優しさと愛情あふれる表現ですね。英語で書いてみましょう。「包まれること」は bundle(バンドル)といいます。 英語でそれぞれ、 a bundle of joy, a bundle of heaven となります。ぜひ覚えてください。
➄コウノトリ
コウノトリは赤ちゃんを運んでくれる鳥として、日本だけでなく世界中で知られています。それだけでなく欧米では、コウノトリが巣を作った家には幸福が訪れるという言い伝えもあり、「幸せ」の象徴と考えられています。英語では stork(ストーク)と言います。
話は変わらないのですが、 delivery(デリバリ)という言葉は皆さんご存じですね。ウーバーイーツやピザの宅配のことを総じてデリバリーと呼びます。しかしこの delivery にはもう一つ「出産」という意味があることは既に紹介しました。ここで考えてください。なぜ 「配達」という意味の単語の delivery に、「出産」という意味があるのか。
思い出しましょう。コウノトリは赤ちゃんを連れてきてくれるんでしたね。つまりコウノトリは赤ちゃんを「配達」してくれるんです。そして配達が完了した時が、まさに「出産」となるわけです。すなわち、 delivery の意味に「配達」と「出産」があるのは、コウノトリの仕業だったのです。コウノトリが取り持つ仲が「配達」と「出産」というわけです。コウノトリの面目躍如です!
⑥ shotgun wedding(ショットガン ウェディング)
何とも物々しい表現ですね。「ショットガン・ウェディング」。ショットガンとは「猟銃」のことです。ズドンズドンと二発撃つやつです。これはそもそも「できちゃった婚」のことです。娘を妊娠させられて、怒った父親が相手の男に向かって「今すぐ娘と結婚しろ。さもないとテメェのどてっぱらに風穴が空くぜ!」とすごんでいる場面を想像してください。先ほど二発の猟銃だと書きました。一発は相手の男に向けられていますが、じゃぁ、もう一発はどこへ向けられているのでしょうか。それは娘のお腹に対してです。「今すぐ結婚しなけりゃ、お前はもちろん、娘とお腹の子ともども命はないぜ」というわけです。オ~こわ!とにかく、大切な娘を妊娠させた責任を取れ、という父親の怒りです。 shotgun wedding とは「できちゃった婚」のことを言います。
ですが、お腹の子には何の罪もないです。これではあまりにお腹の子が不憫です。生まれてくる子どもへの祝福や父親母親になる期待感・喜びよりも、怒りに狂わんばかりの娘の父親の鬼のような顔しか思い浮かばない話です。というところから、この shotgun wedding は、少しずつ意味が変わってきました。お腹の子へのやさしさがその根底にあります。それは「できちゃったから仕方なく結婚する」ではなく、「子どもの幸せのために結婚する」という意味に変わってきました。そして「できちゃった婚」でなく、「授かり婚」という意味で使われ始めたのです。
今回はここまで。 You’ll get the rest soon.(第2弾part3は後日出します)