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英語は楽し!                                     第10弾英語の世界の犬と猫                                  < Part 1 >

イ “hump day
 hump(ハンプ) とは背中の「こぶ」のことです。ラクダを思い出してください。背中にこぶがありますね。それを使って  hump day  という表現があります。「こぶの日」が直訳です。猫はとても体が柔らかく、私が飼っている猫も、手足を最大限に伸ばせば、1メートル―は楽に超えるくらい長くなることができます。そんな猫の癖は、柔らかいその背中を丸めることです。相手を威嚇するときにもそのようなポーズを取ります。そしてその丸まった部分がラクダのこぶのように見えるのです。さて、何のことでしょうか。
   ヒントです。「こぶの日」とあるので、一週間のうちのある曜日を指します。さぁ、考えましょう。何曜日でしょうか。
   正解を言います。その丸まった背中の中央部分は猫の体のちょうど真ん中付近にできます。猫の鼻先が日曜日、お尻の端が土曜日です。するとその真ん中と言えば、そう。水曜日です。 hump day とは「水曜日」という意味だったのです。
 アメリカの学生たちは水曜日になると、”Happy hump day!”とこぶしを握り、突き上げます。「よし、一週間の半分が来たぞ。あと数日頑張れば待ちに待った週末だ。さぁ、今日一日頑張ろう」と、自らにエールを贈るのです。アメリカ人は週末のために生きているようなものだと、どこかで読んだ記憶があります。実に人間的な楽しい習慣ですね。
 
ウ “Cat got your tongue?
    これはとても微笑ましい表現なのです。何と言っても語感がいいです。「キャッ、ガッチョ タン」とリズミカルに発音してください。tongueング)はご存じ、焼き肉で言う「タン」。「舌、ベロ」のことです。直訳は「猫ちゃんがあなたの舌を食べちゃったの?」です。これには楽しい意味と怖い意味の二つがあります。
 まず楽しいほうですが、これは例えば学校の先生が宿題を忘れてきた生徒に優しく尋ねている言葉です。「どうして宿題を忘れたの?」という先生の問いに生徒はモジモジして何も答えられない状態です。そんな生徒に対して先生が「どうして黙っているの。猫ちゃんに舌を食べられてしまったのかな?」とコミカルに問い返してその事情を聞きだそうとしているのです。また、警察が容疑者に尋問をしているとき、容疑者が黙秘していると、この表現が使えるのです。警官が容疑者に「どうして黙ってるんだ?」という意味で ”Hey.  Cat got your tongue?”とドスの利いた声で言えばいいのです。 実にかわいらしく楽しいですね。
   次に怖いほうの意味です。ヨーロッパ中世時代には魔女が存在すると考えられていました。魔女狩りなんて言葉を聞いたことがありますね。当時魔女は市民から徹底的に嫌われ恐れられていたのです。その魔女は街などで誰かと出会ったら魔女だとばれないように、その人の舌を抜き、抜いた舌を飼い猫(黒猫)に食べさせていた、というのです。すなわち、秘密や大切なことを口外されないように、という意味でできたフレーズがこの  Cat got your tongue?  だったというわけです。おーこわ。また、この一説からわかるように、黒猫は魔女の分身として忌み嫌われていた時代があったということもわかります。



とことん戦う



エ   “fight like Kilkenny cats"(キルケニーの猫)
   これはアイルランドの諺で、2匹の猫がしっぽだけになるまで激しく戦った、という逸話からできたフレーズです。キルケニーとはアイルランド南部にある町の名前です。そう言えば、オス猫ってとんでもない激しい喧嘩をしますね。しばらく「ミャー、ミャ―」とにらみあってますが、突然飛びつき合ってぐるぐる回転するように噛みつき合います。周辺にはお互いの抜けた毛玉が散乱するほどです。ということで、この表現は「とことんまで戦う」「血みどろの戦いをする」という意味で使われるようになりました。
   それにしても、この表現の原産地は Kilkenny ですよ。よく見てください。 killル・殺す)という単語の  kil(l) が入ってます。とんでもなく面白い偶然です。外国語を学んで楽しいことの一つはこういう思いがけない事実に出会うことです。
 
 
今回はここまで。次回は犬について書きます。 So long!
 
 
 
 

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