姫路ステークス (11/30 京都10R)
・序
11/30(土) 京都10R 3勝クラス ダート1200m
姫路ステークスにおけるシステム予測値とレーティング比較。
良馬場、顔馴染みのメンバー構成。
定量戦なので前走がハンデ恩恵有りの馬に人気が集まってくれるのなら妙味が有りそう。
本記事では過去傾向から『レース展開』までを推察。
幾分長い記述となりますが、次回以降のアプローチにも繋がるヒントとなるはず。
・馬場傾向
今回は京都ダート1200mで「展開による着順傾向」に注目。
・良馬場or含水率9%以下
・新馬を除く
この条件で
『3コーナー5番手以内のみで馬券占有なるか、否か』
というフィルタリングを実行。
まず通常の「3コーナーポジションと着順の相関」がこちら。
【データ概要】
・該当59R中逃げきり勝ちは15R(19.21%)
・3コーナー1-5番手の馬券率は38%(113/対象295頭)
・勝ち馬の特徴としてはその69.5%が1-5番手から発生
いわゆる『前有利』な様相。
今回はこれに加えて、
『3着までが1-5番手で占有される行った行った』
という展開がどのくらい発生しているかを確認してみることに。
結果はこちら。
c-0は未勝利、c-4はオープン条件を表す。
【データ概要】
・行った行ったの展開は対象59R中19R(32%)
・2024年度の方が割合は多く、未勝利戦の割合が高い
・23-24良馬場では68%が『前だけでは決まらない』展開に
さらに残ったレースの特徴を挙げていくと
『6番手以降が絡むレースは、その6番手以降が複数同時に馬券内であることが多い』
つまり
『前潰れ(1-5番手が差されて脱落)』
の状態が発生していることが判明。
ここで条件分岐を集計すると
①前1-5番手のみで決まる。軸は逃げ馬が最適→約32%
②前2頭+中団もしくは後ろの差し馬1頭→約32%
③『前潰れA』6番手以降から2頭馬券内→約30%
④『前潰れB』完全に差し。馬券は6番手以降のみ→6%
という結果に。
【まとめ】
パターン①~③でほぼ1:1:1に別れた結果の『展開と着順傾向』
これを看破する要素のひとつが、『逃げ先行馬の競りがあるか否か』となる。
・先頭競りが発生した場合(前半3F馬体差1馬身以内)
・単騎逃げが成立した場合
この両者をポジションデータから比較。
するとパターン①になるのは当然の如く単騎逃げが成立した場合が多くなっていると判明。
しかも未勝利戦という、ポテンシャル差が出走馬で大きく幅のある条件が大半となっている。
これらが示すのは、『一度篩に掛けられた形の1勝クラス以上であれば、組み合わせに恵まれないと単騎逃げは発生しにくくなっている』ということだろう。
以上の事から前半予測値を用い、隊列が単騎なのか馬体が被る範囲の競り発生なのかを見極めることが有効なアプローチと判断した。
この考え方は三連系の馬券を購入するにあたってのヒモ候補のチョイスで効果を発揮するだろう。
・前半3F地点ポジション(上位7頭)
①12ジョーローリット
②03アイファーシアトル
③02ペプチドヤマト
④11ケイアイアニラ
⑤13エコロガイア
⑥16カフジエニアゴン
⑦14オーガスタスカイ
ハナ必須の注文がつくのは03アイファーシアトル、16カフジエニアゴン、12ジョーローリット。
内枠を利して03アイファーシアトルが行き、二の脚が速い13ジョーローリットがコーナーまでにハナを奪えるかというスタート。
基礎スピードが高い02ペプチドヤマトや13エコロガイアは番手競馬での好走実績が多く、先頭を目標に構える形だろう。
大外の16カフジエニアゴンはスピードが不足している分推して行く作戦しか無さそう。
番手グループの11ケイアイアニラと13エコロガイアは並走を避けたい。となると11ケイアイアニラが溜める形でひとつ後ろに構えるかもしれない。
前半3F予測値から3コーナー突入ポジションの大まかなグループ分けをしておくと
1-5番手 12 03 02 11 13
6-9番手 16 14 01 10 06
10番手以降 07 09 1505 08 04
となっている。
なお便宜的に予測値の上位から割り振ったので実際は、
11 13←→16 14の入れ替えのような形も有り得るので注意。
【予測値からの隊列長】
1.55-1.93s 7.0-9.7馬身程度
【予測値からの1番手と2番手の差】
0.03-0.04s 0.15-0.15馬身(12ジョー→03アイファー)
ほぼ同体 競り発生
・上記項目より今回逃げと2番手の差は0.03-0.04s程度なので先頭での競りが発生する確率は高いと考えたい。
・過去データより前半3F上位が34.5-35.4s、走破タイム上位が71.0-72.0sという今回の予測値と似たようなレースを抽出。
サンプル59R中10R(Hペース9R、Mペース1R)が該当し、そのパターンは
①1R ②5R ③3R ④1R
という出現率となっていた。
上記二点より、パターン②か③が発生する可能性が大きいと判断して予想を進めていくことにしたい。
なお京都ダート1200mで前半後半差1.0s以内のミドルペースが記録されたのは『前半3F通過タイムが35.0s以降』の時のみ。
今回の先行メンバーのテン3Fのダッシュスピードを考えると通常のハイペースと見て良いだろう。
・上がり3Fポテンシャル(上位7頭)
3コーナー通過ポジションが10番手以降の馬が馬券に絡むのはパターン③と④の場合。
中団から一脚使えるのは05カミーロ、10ジュストコル、01フラップシグナスの3頭。
これらは前との距離感+前がやりあってどのくらい失速するかという展開次第。
京都ダートの差し追い込みで馬券になるには上がり36.6sより速い末脚を要求されるのでそこをひとつの基準としたい。
①04カネコメシスター
②09ドンレパルス
③08ハンベルジャイト
④15マルカラピッド
⑤05カミーロ
⑥10ジュストコル
⑦01フラップシグナス
・対戦マトリクスから見る混戦度合い
・基準馬 ☆15マルカラピッド(基準レーティング1500)
high
02ペプチドヤマト(1580-1640) 負けノードなし
13エコロガイア(1560-1620)
10ジュストコル(1550-1610)
11ケイアイアニラ(1550-1610)
middle
05カミーロ(1460-1560)
01フラップシグナス(1430-1570)
☆15マルカラピッド(1450-1550)
09ドンレパルス(1440-1560)
low
04カネコメシスター(1330-1450)
07コパノハンプトン(1320-1440)
06ダイリュウホマレ(1310-1430)
08ハンベルジャイト(1320-1420)
最下位
03アイファーシアトル(1300-1360)
14オーガスタスカイ(1300-1350)
16カフジエニアゴン、12ジョーローリットは対戦ノード不足の為オミット。
(レーティング算出方法は記事の最後に記載してあります。)
・タイムレンジと走破予測タイム比較による勝敗予測(上位7頭)
ポテンシャル幅は非常に近接している。
グラフの左寄り、自身のベストパフォーマンスに近い能力を発揮するための材料が揃っていそうな馬を選びたい。
①12ジョーローリット
②13エコロガイア
③10ジュストコル
④11ケイアイアニラ
⑤09ドンレパルス
⑥01フラップシグナス
⑦02ペプチドヤマト
【トップ予測値から0.3s以内→軸候補として有力】
・結論
最有力
12ジョーローリット
☆アピールポイント
二の脚の速さでコーナーまでにハナを取ってしまえば、あとは引き付けて押しきるレースが可能。
閉じ込められる事もない枠なので、仮に内枠が速すぎる展開でもその真後ろにピッタリつけられるルメールならば番手競馬も可能。
中竹×大山ヒルズ自体の複勝率は14%程度も、大山ヒルズ帰りのダートは好成績なケースが最近多い。
ジョーローリット自身も3回このローテで全て勝利している。
勝負駆けと判断した。
有力
13エコロガイア
☆アピールポイント
前半が速すぎると追走に体力を使ってしまうタイプ。
上手くハマるのはやはり前半が34.8-35.2sのあまり速くないペースの時。
引っ掛かってしまったときの失速度合は1s/Fをオーバーしているケースが見られるので相手関係が重要。
チャンピオンヒルズからの叩き2走目。状態は良好そうなのでやはり展開が番手に向くか、そして隣のケイアイアニラとかち合わずに道中行けるか、がポイント。
10ジュストコル
☆アピールポイント
ハナで競馬をするにはやや厳しくなってきたのは陣営も理解しているので先行集団での競馬を選択するだろう。
この枠であれば出たなりの先団からの粘り込みを狙える。
グリーンW×大久保龍厩舎の複勝率は38%と優秀も、この馬自身のローテパターンとしては複勝率25%程度までとなっている。
軸というよりは相手候補の1頭。
お楽しみ
01フラップシグナス
最内で後手に回るのは折り込み済みとして、ロスなく回ってきた直線で進路があれば食い込むチャンスはある。
内側が渋滞していたならば何も出来ずに終わりそう。
あくまでも3着候補。合成オッズ次第でカットしてもよい。
06ダイリュウホマレ……橋口慎×吉澤SWの複勝率は8/16頭で50%近く、ダイリュウホマレ自身は4/5と超抜。
このメンバーで出番があるとするには色々と噛み合わないと難しいが、出脚良ければ前目に付けることも可能なのでなだれ込みは一考したい。
グループとしては中団扱いで良い。
消し
02ペプチドヤマト
番手のインで溜める競馬となるが、このパターンで不発だったケースが同馬では複数回ある。
今度こそ、という期待の持ち方もあるがむしろこの馬に合ってないのでは?と考えることもできそう。
11/20チャンピオンヒルズより帰厩なので、仕上がっているかどうかは各自判断を。
チャンピオンH×武英智厩舎の組合わせは複勝率33%と好成績なのだが、10日競馬がどうなるか。
本来ならば軸にしたいところであるが、今回は押さえまでとした。
対戦ノードと着差を利用したぺぬレーティングでは抜けたトップだけに難しい決断となるが……
補足
今回のメンバー構成、各予測値と過去傾向から算出した展開予測は
パターン②
先行(1-5番手)から2頭、差し(6-9番手)から1頭
・12ジョーローリット、13エコロガイア、02ペプチドヤマトから2頭
・11ケイアイアニラ、09ドンレパルス、05カミーロ、06ダイリュウホマレ(01フラップシグナス)から1頭
パターン③
先行(1-5番手)から1頭、差し(6番手以降)から2頭
・12ジョーローリット、13エコロガイア、02ペプチドヤマトから1頭
・11ケイアイアニラ、09ドンレパルス、05カミーロ、(01フラップシグナス、06ダイリュウホマレ)から2頭
このどちらかが濃厚であると判断した。
馬券の組み立てとしてはパターン②のほうが選択肢が少なくすむので決め打ち用としては最適。
パターン③の差し馬の選び方は別の要素(上がり上位、場所実績、進路などの前走不利、調教やローテパターン、外厩との相性etc. )なども選定項目に加えるべきだろう。
・個人的な買い目
パターン②(先行2頭、中団差し1頭)を選択
12ジョーローリット軸
馬連
12-13.10.02.11.09.06.(01) (6or7点)
三連複
12-02.13.10-06.09.11.(01) (9or12点)
これが基本で02ペプチドと01フラップシグナスと13エコロガイアを抜いた
馬連12-10.11.09.06 (4点)
三連複12-10-06.09.11 (3点)
が個人的な買い目の本線。
参考までに
パターン③(先行1頭、中団後方差し追い込み2頭)の場合
11ケイアイアニラ軸
馬連
11-05.06.09.11 (4点)
三連複
11-01.05.06.09-02.12.13 (12点)
パターン①(先行のみで馬券占有)の場合
02 03 11 12 13
これは人気馬のみの組み合わせになるので馬単か三連単で馬券を構築しないとリターンが薄い。
しかもこの先行馬のみの組み合わせで決まる割合を考えると合成で3倍を作れなければダメ。
このパターンだと予想するのであれば手を出す必要はない。
パターン④(前潰れの大荒れ)の場合
①の5頭を一切買い目にいれない爆荒れパターンも、事後確率的には5%程度の出現率しかない。
20倍超えの買い目は簡単に作れ、期待値としては100を超えるのだが5%一発ツモを狙う戦法でしかない。
信頼度や信頼区間といった世間的な指標も95%で多用されるのが数字と金の世界、『黒い白鳥』出現はあくまでも事故扱いで良いだろう。
©️ぺぬ
自作システムを利用した走破予測タイムと他のファクターを比較して勝ち馬を予想。
各馬ポテンシャルは重回帰分析ベース。
対戦レイティングはMarkovの手法を元に着差ベクトルを基準とした補正値込みの数値を設定し算出。対戦ノードが3-5戦分に満たない場合はダミーを作成して使用。
比較自体はEloレイティングの
r1=r0+K(S-μ)
r1:新規
r0:前回結果
K:算出した定数(Markov手法から着差を施行距離別に設定)
S:勝敗ノード
μ:勝率(対戦勝率)
の基本式に準ずる形で各馬を個別に比較。
その上で感覚的にイメージしやすいように基準レーティングを1500としてランキング。
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