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2022 エリザベス女王杯 考察
・はじめに
2022エリザベス女王杯の考察と予想記事になります。
過去ラップデータからの予測ポジションを算出し、コース形態と合わせ展開と順位の予想をしていく毎度お馴染みの手法。
海外からの参戦となるマジカルラグーンについては走行データがなく予測値を作成出来ませんので御了承下さい。
今回は距離延長組の取扱いが非常に難解なレース考察となりました。
・初手2F-3F
ローザノワールの通過位置は先頭というレースが多いのだが、ウインマリリン自体のスピードもさほど変わらない。
鞍上がレーンということで番手を選択するとは思うが、ローザノワールの逃げというのは遅いタイムでの逃げ。痺れを切らしてウインマリリンがさっさと行ってしまう形も十分あり得る。
その後ろはかなり似たような出脚の馬が多く、より良いポジションを巡って争うのか、上手く隊列に加われずに外を回す格好になるかでかなりの有利不利を生むことに。
予測値の幅が有るものは速いタイムをA、遅いタイムをBとして扱う。
まずはゲートからの出脚がどんなものかを表したのがコチラ
![](https://assets.st-note.com/img/1668065658047-5DTX94XSK9.png?width=1200)
二番手集団の中から前に行きたいのはウイン2頭と近走ポジションとコース取りに恵まれなかったクリノプレミアムか。
スタートから最初のコーナーまで下りを交えての3F。ここまでに隊列は決定し、あとは想定通りのポジションが取れずに後手を踏んだ馬が向こう正面で押し上げる程度でそこまでのポジション変化は見られない。
注目したいのはナミュール。これまでのレースでは後方というイメージだが、このメンバーならひとつ前にポジションが取れそうな予測値に。同馬としては少しでもロスなく行けるのなら中団前寄りという選択肢も考えていそう。
①ローザノワールに蓋をされた格好でレースが進行するなら位置取りが明暗を分ける。
②ウインマリリンが早めにローザノワールをパスして3コーナーまでに先頭を奪う形なら少し速くなり、中団から外に出して差してこようとする馬に展開は向きそう。
上がり3F戦というよりも、ひとつ手前のコーナーからの4Fを押し上げた2021のアカイイトの様な競馬をするやり方も可能に。
![](https://assets.st-note.com/img/1668065975883-gTmNKkn90B.png?width=1200)
最初のコーナーに突入するときの隊列は上図がベースと考えてもらって構わない。もちろん前後の馬同士での出し入れは有るが、極端に変化する要素は出遅れと距離延長組の『好スタートからの下げ』くらいであろう。
今回のエリザベス女王杯のメンバーのローテーションは非常に重要な意味を持つ。
半数以上が距離延長の上、2F400m以上延長という馬が8頭も。こうなると騙し騙し延長をこなすタイプなのか、逆に延びて良しなのかの判断を個別におこなう必要が出てくる。
クリノプレミアムなどはその最たるもので、距離換算をしないタイムデータ基準だとパターンAとなり、5F1000m通過タイムがトップになってしまう。だが実際はこの3コーナー手前まではローザノワールかウインマリリンのどちらかが先頭という形であろう。距離補正を掛けると上の図ではBパターンに位置している。
・5F地点とコーナリング
4F途中から5F目にかけての3コーナー手前までほぼ隊列に動きはない。デムーロ騎乗のライラックが後方から前を窺うかもしれないが、アタマを取りきってのマクリでなければ持続力の面の実績がある馬ではないから完全な博打に。
三歳馬、そしてマイル路線からの馬たちはペースアップしていく向こう正面終盤から最終コーナーがやや苦しい区間となる。
俗に言う『Rのキツイコーナー』というのはスタート後に突入する区間で、最後の直線にかけての最終コーナーよりも顕著にスピードの差が出る。
今回の阪神2200mもやはり最初の1-2コーナーがそれに該当し、スタート後の下り坂でついた勢いを上手く維持できるか、というのは先行馬を買う人にとっての注目ポイントとなる。
過去データからのコーナリングの良し悪しはコチラ
![](https://assets.st-note.com/img/1668142175784-fMRZBVOPGc.png?width=1200)
補足
【基準】としてローザノワールのコーナー性能と比較。
もちろんAが優秀。
①ウインマリリンとアカイイトはコーナリングマシンと呼んで良いくらいの高性能
②★はストライドの関係などもあって最終コーナーなどでスピードの衰えが少ないタイプ
ただし、コース選択による馬場の影響は考慮すべき。
③☆ナミュールはコーナーでスピードを乗せられるが、それを受け止めて曲がるだけの体のフレームが弱い
デアリングタクトは人気だが、コーナーの処理の仕方を考慮するとポジションを取って直線でどうにかする形しかなく、今回は厳しい条件。
・上がり3Fについて
今回の最大のブラックボックス、それが各馬の『上がり3F予測』
延長組のデータのバラツキが大きいので今回は全馬の提示はオミット。
ラスト4Fからの加速からも探ってみたのですが、やはり1600で速い上がりを記録したデータを持つ馬が上位にランクインしてしまう形に。
基本的に同距離と±1Fのデータがパラメータ的に使いやすい形。
これは『過去10年の11/13の天気』から『11/14の天気』と『11/27の天気』を予測する場合、どちらがより信頼度が高くなるかという問題と似ている。
今回の出走馬の過去データを見ていくと、2200mという距離のデータの少ないこと、三歳馬の影響で1600m戦の上がり3Fデータを使わざるを得ないという部分が非常に厳しい。
補正を掛けることにして加減速の比率から別のテーブルを作ってみたのだがどうにも納得がいかない結果に。
これが『エリ女は当たらない』という理由の最大の要因なのではなかろうか?
ちなみに天気予報の信頼度がどのくらい日数と共に低下するかは気象庁のHPから確認してみると良いでしょう。
統計モデルのaccuracy ratio で累積比率を出しても60%前後なので、やはりデータというのは関係性の高いものの数が揃ってこそだと思います。
・結論
争覇圏内
3ピンハイ(前半7位後半2位)
上位
1クリノプレミアム(前半6位後半6位)
18ジェラルディーナ(後半1位)
13ウインマリリン(前半1位)
11ナミュール(後半3位)
各評価ポイントが高いピンハイの単勝を選択。減点となるのは先行力程度。馬格と爪の小ささからも出来れば良に近い形の馬場を希望したいところ。
ただそれを補うだけの追走力と瞬発力は備えている。
勝率で考えるとやはり秋華賞のスタニングローズとナミュールは有力だが、
・スタニングローズは相対的にスタート関連が上手くいったのがこの秋の躍進の理由。優等生ではあるし、爪の形からも雨で左右されることはないが、逆に言えば強調材料にも欠ける。
・ナミュールはいまだ完成せず、適距離の問題で今後路線変更も
という部分で今一つの感は否めない。
距離延長の手応えもあり、ここはタイム的に遜色のないピンハイがオッズとの兼ね合いで最大の利益率と判断。
アンドヴァラナウトとジェラルディーナに関しては延長分の未知数をプラスばかりに取るわけにもいかず、まだデータが計算出来る方のジェラルディーナを今回は選択した。
クリノプレミアムの基礎スピードは高く、内枠で窮屈さを覚えなければ距離延長を一番誤魔化せる馬となる点を重視。
ウインマリリンは途中からハナに行くようであれば完全に残る競馬が可能。出来れば全てのコーナーでイニシアチブを取るべく掟破りの1コーナーで先頭、という形を期待。
ナミュールはこの世代の中でもトップクラスの走破能力。
前走の4コーナーの膨らみかたはスピードをもて余したもので、下手とかいう次元の話ではない。相手が替わり相対的に中団が楽に取れる分の余裕もプラスに向く。
デアリングタクトの取捨に関して。ジャパンカップに出せなかった時点でかなり能力面で限定されたものになっていると判断。
好走したとの評価がある2022宝塚記念は消耗戦としては確かに優秀かもしれないが、時計としてはウインマリリンのもつ阪神2200のタイムでも十分対応出来るレベル。
『G1馬をこのオッズで買える!』と見るか、『あくまでもデアリングタクトが今回勝利する可能性とオッズを比較して判断』するかの選択基準の話になります。
・狙い目
3ピンハイ単勝
10倍で納得15倍でニッコリぐらいのチャンス
今回の予測データもMahmoud氏のサイトの数値を利用させていただきました。感謝あるのみです。
©️ぺぬ
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