スプリンターズステークス2024 (良馬場想定版)
・序
9/29 中山11R GⅠ 芝1200m
スプリンターズSにおけるシステム予測値と独自レーティングの比較。
施行条件を良馬場(含水率16%未満)と設定。
2023-2024における3コーナー通過ポジションと着順の相関も参考にしつつ馬券的な勝利を模索したい。
※香港馬2頭に関しては保有データがないので比較対象外とします。
・馬場傾向
2023-2024中山芝1200mでの3コーナー→着順のデータを
・前半33.4s以内かつ走破タイム68.0s以内
・良馬場(クッション値10付近、含水率16%未満)
の2つのハイレベル条件でフィルタリングしたものがこちら。
該当レースは18R(総数244頭)。
【解説】
・逃げ馬の馬券率は可もなく不可もなく、の良くあるスプリント戦の範疇。ただし、逃げきり勝ちに関しては発生率が極端に低くなる事に注意。
・馬券率(3着内)に関しては1-5番手で59.26%だが、勝ち馬に限って言うとその内訳は6-9番手の成績が上回る逆転現象に。
直感的に把握出来るように色分けしたものがこちら。
3コーナー10番手以降の追い込み脚質(紫色)を軸に馬券を組み立てるのはハイリスク、というのが見て取れる。
また、『逃げ残り→馬券内』に関しても1-2勝クラスを差し引いてしまうと、やや強い程度の要素に留まる。
【結論】
上記考察から
『前半32.6-33.5sのペースを9番手以内で追走可能な差し馬』
この条件に合致する馬を探すことが必要不可欠となる。
スプリンターズSに於いては、速いペースを追走→さらに差しきる、というコンボを実現する必要があると考えられる。
これは、『ロスなく立ち回れる内、目標を捉えて追い出すタイミングが図れる前』という近年のスプリンターズステークスに求められる特徴そのもの。
(この条件を後ろから差しきったグランアレグリアがいかにとんでもない馬か、という逆説的なデータでもある)
・前半3F地点ポジション(上位8頭)
馬場状態によっては全体的にこれより速くなる可能性あり。
①10ピューロマジック
②16ウイングレイテスト
③06ママコチャ
④07マッドクール
⑤12サトノレーヴ
⑥05ナムラクレア
⑦03ウインマーベル
⑧08モズメイメイ
14ビクターザウィナーは2F目が突出しており、ピューロ~ウイングレイテスト並みのスピードと見てよい。
【予測値からの隊列長】
1.55-1.99s 7.0-9.95馬身程度
【予測値からの1番手と2番手の差】
0.27-0.3s 1.25-1.5馬身程度(ピューロ→ウイングレイテスト)
【トップ候補から9番手候補までの差】
0.56-0.58s 2.6-2.8馬身程度(ピューロ→モズメイメイ)
・上がり3Fポテンシャル(上位7頭)
01オオバンブルマイの上がりポテンシャルは近年でも最上位に入る予感。
①01オオバンブルマイ
②02トウシンマカオ
③04エイシンスポッター
④11ダノンスコーピオン
⑤13ルガル
⑥07マッドクール
⑦15ヴェントヴォーチェ
・対戦マトリクスから見る混戦度合い
・基準馬 ☆03ウインマーベル(基準レーティング1500)
high
07マッドクール(1570-1640)
12サトノレーヴ(1540-1620)
02トウシンマカオ(1520-1590)
middle
05ナムラクレア(1480-1590)
06ママコチャ(1490-1580)
16ウイングレイテスト(1460-1570)
☆03ウインマーベル(1450-1550)
04エイシンスポッター(1410-1560)
low
15ヴェントヴォーチェ(1390-1440)
01オオバンブルマイ(1340-1440)
10ピューロマジック(1330-1530)
08モズメイメイ(1320-1530)
13ルガル(1330-1420)
最下位
11ダノンスコーピオン(1300-1400)
(レーティング算出方法は記事の最後に記載してあります。)
・タイムレンジと走破予測タイム比較による勝敗予測(上位9頭)
良馬場、クッション値10台であればこの予測値より速いタイムがマークされる可能性大。
並びで恵まれる馬、外を回る形で物理的に距離損をする馬が存在。
そこまで考慮すると着順はこの予測値と入れ替わる場合があるので注意されたし。
①07マッドクール
②12サトノレーヴ
③06ママコチャ
④05ナムラクレア
⑤03ウインマーベル
⑥13ルガル
⑦02トウシンマカオ
⑧01オオバンブルマイ
⑨15ヴェントヴォーチェ
【トップ予測値から0.4s以内→馬券候補】
勝ち馬は青枠で囲んだ6頭が候補になるが、実質的には走破予測値のコアタイムが上位の三頭が有力だろう。
・結論
①前半3Fを上位9頭以内で通過可能な候補をピックアップ。
②前半→後半にかけての失速率が小さい、つまり相対的に差して見える馬を算出するために取得値を重ね合わせて比較。
07マッドクールの前半→後半における失速率
0.03-0.13/1F
を基準とすると……
・06ママコチャが勝つにはマッドクールより前で直線を迎えてトップ値を出すことが必須条件。
・12サトノレーヴは前半3F地点でマッドクールと横並びかそれより前に位置することが必要。→外に張ってこれを抜くには馬場恩恵、もしくはマッドクールが直線伸びを欠く要素が欲しい。
・05ナムラクレアはインベタでロスなく回ってきた場合の最小値でも直線で0.12sしか詰めることが出来ない。ゆえに0.8-1馬身以内でマッドクールを追走しないと可能性は薄い。
というようにゴール前までの展開が想定可能となる。
もちろん実際には進路の問題、競り合うことでの予想外の消耗などが影響してくるのは当然のこと。
あくまでも直線→ゴール前での大まかな想定ではあるが、勝ち馬を見つけるにはこの想定こそが重要だと認識しておきたい。
最有力
07マッドクール
☆アピールポイント
高速適性も持ち、混戦での負荷にも強い形でレースをクリアしている。
隣の06ママコチャとスタートがどう被るか、という一点がこのレースのポイント。コーナーまでに上手く先手を取れば外から被せてくるビクターザウィナーやピューロマジックなどを後ろから差す形が作れる。
仮にハナに立ってしまったとしても高速馬場なら馬券内に踏み留まることは十分期待できよう。
有力
06ママコチャ
☆アピールポイント
斤量、枠も前回より好転。こちらも隣の07マッドクールとどう折り合うかだけが課題。並びの分上手くラチを取れるならば押しきりも見えてくる。
後半→坂の失速率がやや不安だが、良馬場であれば馬場恩恵で問題ないと判断。
12サトノレーヴ
☆アピールポイント
外枠がどうか、というよりは更に外のビクターザウィナーとウイングレイテストをどうやり過ごすかが課題。
特にウイングレイテストと並走する形で外を回ると消耗してしまうおそれが。
それがなければ三列目からの差しを狙う形で結果を出してくるだろう。
掛かり気味にハナ~番手という形も可能だが、この場合はやはり目標になる点は否めず、内を通った馬に差されることも。
外を回される可能性と単勝オッズが釣り合うか、という観点においては『見込まれ過ぎ』という結論に。
お楽しみ
03ウインマーベル
ラチを取っての三列目で追走出来れば。
それでも忙しい流れとなる高速向きではないだけに展開の助けは必要。
いつものKSトレセン経由。
01オオバンブルマイ
スプリント2戦目。34s前半で追走できるのであれば今後この短距離路線の主要メンバーになれそう。
溜めればどこまでもキレが増すタイプだが、やはり馬場が向かないと上がり最速で掲示板ギリギリということも。
ただかつてのグランアレグリア並みの直線一気を夢見るならこの馬しかいない。
キャニオンF土山経由は同馬初だが、吉村厩舎自体との相性は良いのでそこまで気にすることも無さそう。
消し
・個人的な買い目
07マッドクール単勝
馬連07-06.12.(03.01)
単勝だけで20-25%くらいの可能性と見ればマッドクール単勝一本でも。
©️ぺぬ
自作システムを利用した走破予測タイムと他のファクターを比較して勝ち馬を予想。
各馬ポテンシャルは重回帰分析ベース。
対戦レイティングはMarkovの手法を元に着差ベクトルを基準とした補正値込みの数値を設定し算出。対戦ノードが3-5戦分に満たない場合はダミーを作成して使用。
比較自体はEloレイティングの
r1=r0+K(S-μ)
r1:新規
r0:前回結果
K:算出した定数(Markov手法から着差を施行距離別に設定)
S:勝敗ノード
μ:勝率(対戦勝率)
の基本式に準ずる形で各馬を個別に比較。
その上で感覚的にイメージしやすいように基準レーティングを1500としてランキング。
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