未成年 一話感想


『未成年 未熟な僕たちは不器用に進行中』
というドラマは

孤独なふたつの魂が、反発し、寄り添いあい、惹かれ、一度は別れた後にまた巡り合う物語だと思います。
私は完結してから視聴したのですが、
この孤独と若さとひたむきさと、
人間としての前向きな美しさに
圧倒されてしまいました。

ので、感想を綴っています。すべて主観ですので解釈の相違があるかもしれませんが、お許しを…。



この物語の語り手である水無瀬は、金銭には恵まれた環境にいますが、実は身勝手な両親に、優等生、いい子のレッテルを貼られ、賢いがゆえにそのレッテルから抜け出せないでいる孤独な子供です。
17歳の少年がほぼ一人暮らしさせられてるんですよね。

お父さんとはぼぼ没交渉、お母さんはアメリカに行って気まぐれに帰って来る。
それをフツーととらえて、お母さんの希望のままにただ良い大学へ入るために勉強ばかりしている。
孤独なのに、孤独に気づいてない。もしくは孤独を受け入れています。

蛭川は、学校では不良扱いされ、良くない仲間とつるんでいる。
でも彼は仲間といてもちっとも楽しそうではない。何故なら彼には実父からなぐられているという秘密があるから。

その秘密を偶然水無瀬と共有した蛭川は、口外しないことを強要します。

実父から未成年への暴力ってはっきりしたDVなんだけど、蛭川に手を差し伸べる人は誰もいないんですね。蛭川も助けられたいと思っていない。
そこもまさにタイトルの未成年らしさだと思います。

未熟だからこそ、どうにもならない日常でもがく蛭川。でも彼は水無瀬秘密を共有したことで、不思議と楽になったんだと思う。ただのクラスメイトだから、そこまで踏み込まれないと思ったのかもしれない。気まぐれかも。

個人的には「運命」だと思います!

一話は見どころがたくさんあるのですが、まず入りが秀逸です。
二人のイノセントであろう高校時代を過去にして水無瀬に
苦い思い出として語らせている。

このシーンで二人の別れを示唆しているだけだなくく、手紙を託す関係になることを明らかにしているわけです。

もの悲しいし
美しい!
また海辺にいる水無瀬の美貌!
なんじゃこれわ!可愛すぎる!
真っ黒ツヤツヤの髪に真っ白い肌。物憂げな視線…奇跡か?

初視聴のとき、主役お二人の背景とか、まったくしらずに見たのですが、お若いのにお芝居か上手くてびっくりしました。

なんとなく物憂げ、人生に楽しみを見出してない水無瀬と

窮屈な箱の中でがんじからめになってるような蛭川。
若さ故の孤独さがすごくリアルに感じられます。



水道水をかぶる蛭川の潔癖さと
それをただ見ている水無瀬の驚くシーン。
これ、ファーストインプレッションとして完璧

です!!!!!

このドラマは水をサブテーマにしているのだと思うのですが、そこからのつなぎもすばらしいです。

水無瀬が偶然(運命じゃんよ!)怪我した蛭川に遭遇し、水を飲ませるシーン。
急な接触と、蛭川からの水無瀬への矢印がほのかに感じられて
めっちゃときめきます!


そして、誰もいない教室で水無瀬が蛭川に請われて湿布を貼るシーン。

痛みを訴える蛭川のために、椅子に座り直してゆっくり丁寧に湿布をはる水無瀬。
手つきが優しくて美しい…………。

サブタイトル
秘密の共有  通りに、凄く密やかで美しく二人の関係がすすんでゆきます………。

一話で沼るので、みんな未成年をみよう!

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