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自己評価靴を探し続けている<後編>

こちらは、自己評価靴を探し続けている<前編>の続きです。


自己評価靴を探せ!

2023年秋に大阪に行った以降、私は地元でリサーチを続けていた。
しかし、いろいろと探しても結局私の足に合うのはショセの靴なのではないかという思いが消えない。それにデザインも大好き。ラグジュアリーブランドでの靴の試着も、私が身を置く環境としては結構頑張ってやったと思うが運命の靴は現れなかった。もうこれは半ば決まりなのでは?
そして2024年6月、東京に行くこととなる。待っててね私の自己評価靴!

自己評価靴を買いにショセ本店へ!!

東京旅の1日目、私はぽたまるさんゆとりさんと杉崎製作所でのオーダー会に参加していた。その時のことはカラーレッスンと合わせてまたnoteにしたい。
オーダー会後、自問自答ファッション教室同期ご飯会までの間に、ゆとりさんにつきあって貰ってショセに行った。

本当は翌日ゆっくり行こうと思っていたショセ本店。ところが、翌日日曜日は定休日であることがわかり、この日急遽同行していただいた。つまり、時間の余裕はあまり無い。私は公式サイトで「プリュス バイ ショセ(最上級ライン)」の靴を隅から隅まで見て当日に挑んだ。

本店は温かみのある落ち着いた雰囲気。ネットで見て焦がれていた靴が並んでいる!ってゆーかだいたい見覚えあるね!ようやく会えたねぇ。大きくはない店内をぐるっと見た後、履きたい靴を複数伝えてサイズを出してもらった。

今まで履いた革靴の中で、一番歩けそう!しかしかかとがかぱかぱするね!
正直これは誤算だった。トラベルシューズが足に合っているので、当然同系列の別ラインもいけると思っていたら、そこまでのピッタリ感は無い。どの程度歩けるかは未知数だし、一番気に入ったデザインはヒールが少し高いせいか前滑りして甲が痛かった。
10足近い靴を出して頂いたのに、これというものがない。密かに頭を抱えた。

そして「雨の日履けますか?」と聞くと、「お勧めできない」とのこと。そっかぁ、雨の日にも革靴を履いている人はいるけど、販売する方はそう仰るものなのかもね。

さてここで個人的大問題。

『雨の日に履けない靴は、私を幸せにするか』

私は雨の多い地域に住んでいる。別のnote記事でも書いたが、「弁当忘れても傘忘れるな」という格言があるくらいの場所。そこに住む私が、雨の日履けない靴を買って幸せになれるか?

答えは否だった。もし雨の日に履けない靴を買ったら、今の私は雨の日を呪い、一緒にこの場所に住む自身の身の上も呪いにしてしまいかねない。今の私の精神状態を考えると、住む場所の天候に左右されず、履きたい時に履ける靴のほうが良さそうだ。
「欲しくなったら、トラベルシューズをもう一足買おうかなぁ」などと思いながら、今履いているトラベルシューズのメーカーメンテナンス等について詳しく教えていただき、本店(日曜定休)を後にした。店員さん、とっても優しかったです。ありがとうございました。

そしてその日、私が靴を試着して雨について考えていた数時間前、あきやさんの新作noteが出ていた。ズバリ内容は『雨の日コーデ』について。
制服化の「雨の日コーデ」ってみんなどうしてる?👀☂️|自問自答ファッション通信|あきや あさみ

私が読んだのは日付が変わったころだったけど、びっくりした。そして私はこんな事を呟いていた。

ちなみにこのツイートのツリーでは「車移動だからそこまで雨に怯えなくていいかも」と呟いているが、イ○ン(に限らないけど)の駐車場は水はけが悪い。この点はまだまだ考え中。ひょっとしたら、今後雨の日履けなくてもいいから欲しい!という靴に出会ったら考えが変わるかもしれない。

何度目かのネット検索期間へ

その後7月の東京旅では靴の試着はしなかった。私は自己評価靴を手に入れることなく、再び地元潜伏期間に入る。

なかなか決まらないなぁと思いながらも、地元でネット検索は続けていた。秋前からは再びトリッペンのサイトを度々除き、自己評価靴候補だった色が入っていないか見ていたが、入荷された様子はない。
しかし、別のブーツが目に留まった。それがこちら。

trippen Vector

トリッペンは個性的なデザインが多く、私はそれには惹かれないけど、このデザインは奇抜さも少なくて私に馴染みそう。本物を見てみたいと思った。

いざ取扱店

その後、推し(ネコ科)の映画を見に京都に行くことが決まり、その日トリッペンの取り扱いが多いショップがある藤井大丸に行けることになった。1年以上ぶりの藤井大丸。猶予はおよそ1時間!
オーシバルの取り扱いがあるセレクトショップやユナイテッドトーキョーをささっと見た後、トリッペンの取扱店へ。試着したいブーツがあることを告げ、サイズを出して頂く。
履いてみると・・・大きい。そして思ったほどの歩きやすさは無い。一つ下のサイズは欠品。うーん・・・ご縁が無かった。
もともと惚れていた方も黒ならあったので履かせてもらったが、初めて試着した時ほどのぴったり感がない。大きめでかかとが浮いてしまう。今履いている靴下は薄くて伸びのよいメーカーのものだからかもしれない。一つ下のサイズは、中敷きを薄くしたらなんとかいけそう。でもファスナーが上げにくい。これ生活で気になっちゃうやつ・・・。

ちなみにこの日はトラベルシューズbyショセのレースアップシューズを履いていた。「素敵なお靴ですね、どちらのですか?」と聞かれたのでブランド名はお伝えしたけど、「貴店の裏にあるお店で買いました」と言うのはやめておいた。

ただいま

それなりのお金を払う覚悟をして行ったのに、トリッペンとはまたしてもご縁がなかった。残念。
せっかく来たので昨年トラベルシューズを買ったお店に行って、めちゃめちゃ履いてますという現状報告とお礼ついでに何か見せて貰おうかな~とふらふらお店に行ったら、

ブーツがいた。

TRAVEL SHOES by chausser
SIDEGORE BOOTS

特徴はサイドゴアの部分が小さくて目立たないことだろうか。
最近は「自己評価靴を買うぞー!おー!」となっていたから、最上級ラインのプリュスバイショセしかチェックしていなかった。トラベルシューズはショセの中で最も廉価なシリーズで、私のイメージする自己評価靴の価格ではなかったため、最近はサイトでも見ていなかった。そしてサイドゴアは私には似合わないと思っていたので、ますます目に入っていなかったのだろう。
実物を急に見て一目ぼれしたりはしなかったけど、せっかくなので黒と茶色を両方履かせてもらうことにした。

うーん、ちょっと大きいな?でも形は問題ない。いや、今まで履いたブーツで1,2を争うくらい歩きやすそう。
この歩きやすさについて、私はかつて大きな勘違いをしていた。『トラベルシューズbyショセ』は名前に旅と銘打っているくらい、「軽さ」と「歩きやすさ」を売りにしている。なので、誰でもガンガン歩ける靴だと思っていたのだ。実際私はレースアップシューズを履き始めた2日目に、足に巻くサポーターという補助はあったものの何の問題もなく2万歩近く歩いていた。この日はサポーター無しでも1万2千歩歩いている。
ところが、自問自答ガールズのあつみかなさんとささめさんは、私と同じ型の靴の「履きならし」をされていた。あつみさんはシューフィッターのこまつさんに調整も依頼されている。
お二人の購入記、面白いのでぜひ!

【エッセイ漫画】シューフィッティングで人生が少し豊かになった|あつみかな

黒い靴と黒い靴と黒い靴を買った話|ささめ

どうやら、トラベルシューズに関して私は木型が合う超ラッキーパーソンであるらしい。ブーツにおいてもそれは同様だった。

しかしである。
私のイメージする欲しいブーツはサイドゴアではない。そして長さも理想より短い。さらには、もう1サイズ下の方が良さそうだが、欠品とのことだった。

すぐには決められない。一度考えますとお礼を言って店を出た。

レッツ自問自答!

最上階のギャルソンに向かう。あら、同じ階にポールスミスもあるのね。上品ででも上品なだけじゃない「個」があっていいねー、もし夫が財布を変えたいと言ったら勧めたいな、などと思いつつ、頭の中ではかのブーツを買うかどうか猛烈に考えていた。脳内は考えが行ったりきたりぐるぐるしていたが、ここではまとめてみる。

<良い点>
・足に合っている
・雨と雪の日も履ける
・似合っていた
・今の制服にも合う

<悪い点>
・合いそうなひとつ下のサイズが無い
→今履いている靴下は相当薄手。秋冬に厚い靴下を履いたらちょうどよいのでは?

・短い
→予想より短くても全体のバランスが取れていたから見た目は問題ないと思う。問題は雪はねに耐えられるかどうか?もう一度履かせて貰ってその点を検討すればいい。

・私の思う自己評価靴の値段ではない
→別に自己評価靴じゃない靴を買ってもいいんじゃない?今持っている黒のショートブーツ、足が痛くなって履けていないからそれの入れ替えと考えればいいのでは?あと、自己評価靴かどうかは値段じゃないよ。

・長くは履けないかも?(トラベルシューズは一般的革靴より耐用年数が短い)
→むしろ服においてチャレンジしていてテイストが定まっていない今の私には好都合なのでは?靴がダメになってもまだ履きたかったら、同じものを買いなおせばいいんだし。

はい、懸念点をいくら挙げても解決策が出てくる。というかいくらでも言い訳が出てくる。言い訳でもよし。買った方がいい気しかしない。
・・・と思いつつも、トラベルシューズの他のデザインでもっと好みのものがないか念のためサイトをチェックしてみたり。無かった。

よし!お迎えに行こう!!
じゃあ黒と茶色、どっちにする?
自己評価靴として考えていたのは茶色いブーツだった。その日着ていた服にはどちらも合う。しかし、今後何かのアイテムで色数が増えた場合を考えると黒のほうがいい気がする。
黒をもう一度試着させてもらって、長さと色について決心がついたら買おう。

この間、わずか20分弱。超慎重派の私にこの瞬発力がついたのは、ひとえに自問自答を続けてきたからだろう(自画自賛)

ただいま(20分ぶり2回目)

トラベルシューズを扱うお店に「戻りました~!」と再入店し、黒のブーツを履かせてもらう。うん、色はやっぱりこっち!長さはどうだろう…べっしゃべしゃの雪が降り、道路の融雪の水が歩道までまき散らされ、イ〇ンの駐車場に深く大きな水たまりができる我が地元で履くには、ちょっと心もとない気もする。でも、これでダメな真冬は諦めてスノーブーツを履けばいいかな。というかそこまでの悪条件で履くのは、いかにトラベルシューズと言えど革靴には良くなさそう。

と言うわけで、買いましたー!!!

買った後にサイトを見たら、「完全防水ではありません」「雪対応はARCTIC GRIP(アークティックグリップ)採用の商品がオススメです。」と書いてあったので、正直どこまでわが地元の悪条件に耐えてくれるかわからないけど、今年の秋冬はこのブーツとともに過ごします。

うめはん10分チャレンジ

翌日、わずかな時間ではあるが阪急うめだ本店に行った。ざっと靴売り場を回った後、マーガレットハウエルのサイドゴアブーツを試着した。「そういえばサイドゴアは一度も試着していなかったな」と思い至ったためである。案の定あまり似合わなかった。私にはサイドゴアのカジュアルな雰囲気が合わないのかも。
しかし、型は意外と良さそう!薬指~小指あたりが靴に当たったけど、多分これは足に合わせて伸びると言われた。新たな自己評価靴候補誕生か…?!その日はタイムオーバーだったから履けなかったけど、またチャレンジしたい。

ところで私の自己評価靴は?

これで、春夏秋はレースアップシューズ、秋冬春はブーツと最低限の靴が揃った。
そして実はずっと、シルバーの靴が欲しいなぁ…と思っているのでまたしてもトラベルシューズで買うかもしれない。あるのよ、良い感じのレースアップシューズとバレエシューズが…。バレエシューズは伊勢丹のシューフィッターさんに「あなたの足ではバレエシューズ自体が相当難しい」と言われたので望み薄だけど、トラベルシューズのバレエシューズ型はまだ履いたことがないのでチャレンジはしてみたい。

さて、このままだと靴のワードローブの半分近くがトラベルシューズになりそうだが、私はまだ自己評価靴の購入を諦めていない。
自己評価靴は値段だけが条件ではないが、私は人生で一回くらい、『家賃より高い靴』を冷や汗かきながら買って、履いて、生きてみたいんだ。いや一回じゃなくてもいいかも?
自問自答ファッションに出会ってそろそろ2年近い。未だ最初の一歩である自己評価靴を持っていないことにそわそわしちゃったりはするけれど、焦ったり自分の未熟感に苛まれたりという事はない。

自問自答ファッションは「自由」であり「千人千色」であると私は考えている。自己評価靴が第一歩であるというのも「そうするのがお勧めですよ」というあきやさんのアドバイスであり、順番が変わっても全然OKだと思っている。
私は私のペースで自問自答を続け、いつか自己評価靴に出会えたらいいな。
でもなるべく早いと嬉しいね、頑張ろうね私。

-おしまい-

おまけ

・トラベルシューズが安すぎるのでは?
「一度は家賃超えの靴を」と思いつつトラベルシューズが合いまくる私。
「むしろトラベルシューズが本来の価値より安すぎるのではないか」と思い始めた。
革靴で、見た目美しく、軽く、歩けて、多少の雨なら全然平気。この靴を2万円台という価格設定がおかしいのでは・・・?
まぁこれは足に合う私だから思うことで、個人の見解でs…と思ったら、シューフィッターこまつさんも度々同じことを仰っていた。
ショセ の検索結果 - 毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

・ブーツもこまつさん激推しだった
購入後、なんとなーくこまつさんのブログを拝見していたら、私の買った靴を激推しされていてなんだか嬉しくなった。というかこまつさん、ショセ大好きなのね!?
1328 ブーツどばっと - 毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

・まさかの〇〇〇〇〇トーク
恵比寿のショセ本店に行く時のこと。出張の多いゆとりさんはわが地元にも来られたことがあり、物凄くマイナーな固有名詞が話題にあがった。私にとっては凄く身近な名称、しかし地元民しか知らないと思っていたので、「山手線の中で、まさかゆとりさんからその名前を聞くとは…」とその状況の面白さに震えた。