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禁断の使い魔と、新しく迎えたサブ使い魔の話<前編>

はじめに

鞄、それは自問自答ファッションにおいて「自己紹介」とされている。「使い魔」と称されることもある、自身を表す大事なアイテム。
今回はそんな鞄と私の話です。靴同様、前半で私と鞄の歴史を振り返り、後編で現在の状況について考えます。歴史に関してはあきやさんに倣って、「当時の叫び」を考えます。

禁断の使い魔は後半(別のnote)に出てくるから、せっかちさんは先にそっちを見てね。良かったらこっちに帰ってきてね。


鞄と私~自問自答ファッション前~

小学校 「好みはわからないが嫌なものはある」
赤いランドセルを特に疑問も持たず使っていた。私が小学生の頃は男子が黒色で女子が赤色という暗黙の了解があった時代。ごくまれに女子でピンクや紫の子がいるくらいで、周りもほぼそんな感じだった。好きとか嫌いとかの感情はなかったが、6年間使ったので愛着はあり、母に「もう使わないから処分するよ」と言われた時に多少抵抗した気がする。

小学生の時、父が海外出張に行きお土産にリュックサックを買ってきてくれた。が、色もデザインも全然好みじゃなくて…!全く喜ばない上に、その後宿泊学習等で持っていくのを嫌がった記憶がある。でも今思い返したら、あれARC’TERYX(アークテリクス)だわ…めっちゃ良いやつやん。父、奮発してくれていたのね…でも山で遭難しないためのカラーリングは私には受けなかったね…。

中学校「指定鞄がダサすぎる」

学校指定の鞄がとにかくダサかった。未だに同級生たちの間で語り継がれるダサさ、かつ後輩達は特徴のない、つまり激ダサではない鞄に代わっていたから悲しさ倍増。後輩達が超羨ましかった。
私服の時、どんな鞄を持っていたかはさっぱり思い出せない。本当に何も思い出せない。指定ダサ鞄はパイピングのディテールまで思い出せるのに。切ない。

高校「私は私の道を往く」
通学鞄が自由になった、やったー!
そして私はおそらく初めて、鞄に一目ぼれする。
母親の用事についていった雑貨屋で見つけた帆布の鞄。A4サイズを縦に入れても横に入れても余裕があるくらい大きくて、真ん中に大きなポケットがついている。色はやや暗いながら、鮮やかなレッド。目線が吸いついて離せなかった。
値段を確認すると、およそ8千円だったか。我が家の服飾に関する経済観念で、高校生の通学鞄として買うには確実に高い。でもどうしても欲しくて、無理だろうと思いながらも母にねだったら、渋々ながらも買ってくれてこちらがびっくりした。
さて、そして入学式。

女子の8割くらいが同じようなボストンバッグで通学していた。蘇る中一通学靴事件。(詳細はこちら)

私はこれが、本当に意味わからなくて・・・!
せっかく鞄が自由になったのに、なんで自分たちから同じものを選ぶの?もっと個性出してもよくない?!と不思議でしょうがなかった。今思えば、彼女たちには雑誌等で憧れの読モがいて、それぞれ憧れの人を真似ていた…等の理由があったのかもしれない。しかし当時の私には自ら個性を消して、集団に馴染もうとしているようにしか見えなくて嫌だった。
この辺はきっと、『中一通学靴事件』を経て思想を拗らせた結果、私の考えが偏っていたという事実もあるだろう。

話は鞄から逸れるが、アラフォーの私はおそらくギャル世代の最後くらい。世の中全体がどうかはわからないが、私の地元では「高校でルーズソックスデビュー」がまだ中学生たちの憧れであり、進学のモチベーションであった。
が、私はギャル文化というものに当時全く心惹かれていなかった。
そんな訳で、私は高校時代を、
黒髪+ほぼ全身紺色の制服+紺色ハイソックス+コンバース+赤い大きな鞄
で通した。当時は何も考えず好きなものを身に着けていただけだけど、思い返すと鞄が大きなアクセントになっていて結構おしゃれな気がする。友達にも鞄はよく褒められていた。

大学時代「上京と進学が嬉しかったよ」

うーん、何持ってたっけ?同時代の靴ほど覚えていない。おそらく靴は苦労したから記憶に残っているんだな。唯一はっきり覚えているのは、一目ぼれで購入したアニエスベーのショルダーバッグがとてもお気に入りだったこと。あれ?これ私が人生で唯一買った「いわゆるブランド物」の鞄なのでは…?!ついでに百貨店で鞄を買ったのもこれっきりでは…?!
あと記憶に残っているのは大学名入りのクラッチバッグ。私の大学では入学生は軒並み、大学生協で大学オリジナルのクラッチバッグを買っていた。『他人と同調』をよしとしない今までの話の筋なら、私はそれを買わないのが流れであろう。

・・・買っちゃったね・・・♡

ちなみにめっちゃ使いにくいから、1年生の4月以降それを持つ人はほぼいない。
3年生になったころ、「アレ皆買ってたよね~」と盛り上がり、「〇〇ちゃん(私)は?」と聞かれて「・・・買ったね・・・」と言ったら、「〇〇ちゃんだけには買っててほしくなかった」と先輩に嘆かれた。ごめんよイメージを壊して。大学合格と上京に浮かれていたね・・・。

大学卒業後から自問自答ファッション前「コスパ命⇒好きなものさがし」
前半のキーワードはコスパ。予算が第一にあってそこから好みのものを探していた。
・紺色のリュックと白色の大きなかっちりしたトートバッグ
どちらも4千円くらいかな?ネットショップを展開しているセレクトショップの実店舗で買った。なんかどちらもよく「それどこの?」って聞かれたし褒められたな。さすが人気セレクトショップ。

・手ごろな値段の革の鞄(リュックサックと出張用のトートバッグ)
別のタイミングだけどどちらも名古屋で買った。リュックサックはふんわり鞄を探していた時に出会って即決、トートバッグは仕事用で長く使えるお得なものが欲しくて、これまでで一番コスパ重視でしっかり調べて買った。ちなみにこの頃の私の革製の鞄の予算は1万円台前半でした。

・ダスティピンクの革の鞄
高校自体の赤い鞄と同じブランドのもの。しかしこれがまぁ持ちにくくて・・・!重いしショルダーが細くて肩が痛いし荷物は出しにくいし、大好きだった鞄のブランドだっただけに、より悲しかった。3回くらいしか使わなかったね・・・。

後半はちょっとだけ「好き」を追い求めるようになる。

・本屋さんのトートバッグ
京都の有名本屋さんのトートバッグ。夫と一緒の京都旅行で出会ってすごく可愛くて、でも既にトートバッグは持ってるし値段もちょっと高い(ごくありきたりな形で約4千円弱だったかな)し…と迷って買わずに出たものの、やっぱり欲しい!と店を出で100mほど歩いた後に戻らせて貰った。そんなに気に入ったならと夫が買ってくれた。やったぜ!

・クラフト作家さんが作った布のバッグ
これが一番印象深い。初めてクラフト作家さんの作品をネット通販した。北欧のテキスタイルの布を使った手ごろなサイズの鞄。一目ぼれだった。しかしネット通販はイメージ通りかどうかわからない。値段は6,000円ほど。当時の私の価値観では布の鞄としては高額だし、絶対に失敗したくない金額。悩みに悩んで、服との合わせも考えて、メジャーで何度も記載サイズを計ってイメージトレーニングをして、えいやっと注文した。コンセプトこそ無かったものの、自問自答していた気がする。結果イメージ通りのものが届いてとっても嬉しかった。今の制服には合わないけど、また持つ機会がある気がする。

ちなみにラグジュアリーブランドの鞄には一切興味が無かった。
山ぶどうのかごバッグは可愛いなぁと憧れていたが買わなかった。(買う勇気が無かった)

鞄と私~自問自答ファッション後①私の世界のサブバッグを買う~

先にサブバッグ買っちゃった☆
私は自己紹介バッグを買う前にサブバッグをお迎えしている。イイダ傘店のボタニカル柄のエコバッグである。一応「自己紹介バッグはかごバッグにする」と決めてはいたので…!
それは初の自問自答試着旅@東京でのこと。詳細は過去のnoteに…ですが、読まなくても大丈夫なように大事なところはこのnoteに書きます。

夫との旅行だけどそれぞれ個人行動をとった日。私は銀座の街を爆走していた。それまで銀座と言えば伊東屋と歌舞伎座くらいしか用事が無かった人間が、GINZA SIXにある香水店フエギアでの衝撃体験の後、フェンディ、ディオール、シャネル、エルメス・・・他にもたくさんの路面店や百貨店を回った。思い返すと半日弱でこれだけ回れるもんなのね、と驚き。
(服の試着がとても少なかったからかも。)

そして最後に訪れた銀座松屋でのこと。私はこんな感じだった。

結論:かいり まつや すきー!!!(ポニョ化)
(中略)
初夏の清流のようなスムーズさで、イイダ傘店(ポップアップストアかな?)のエコバッグを買った。

Lesson8 東京試着旅|かいり

なぜ買えたのか?
このサブバックは1万円弱。普段の私はサブバッグにこの金額はまず出さない。なのに、なぜこの時は買えたのか?考えてみる。

・私の鞄だと思った
好みドンピシャだった。これ以上の言葉が出ないくらいドンピシャだった。

・良い鞄をたくさん見た後でも、その思いは変わらなかった
その前に散々良い鞄を見せて頂いていたが、その時ピンとくるものはひとつもなかった。これは『田舎でブランドバッグ持てるか問題』にも関わるから判断が難しいけれど、少なくともその時は「あれだけ美しい鞄を見た後でも一番欲しいのはこれだから、間違いない」と思った。

改めて考えるとこんな感じだけど、「気づいたら買ってた」がやはり一番しっくりくるな。それだけ好きなんだね。

今どのように使っているか
なんと制服からは脱落。というのも、私は2024年6月に今までの自分では絶対選ばないような服を買い、それを制服にしたのだ。(今後noteにしたい)
でもやっぱり好きなんだよねー。大事にしまっていたけど、日常のお買い物で使おう。

叫びは「私 これ 好きー!」かな。

鞄と私~自問自答ファッション後②自己紹介かごバッグを買う~

かごバッグへの憧れと不安
私にはずっと憧れていた鞄があった。それは山ぶどうのかごバッグ。以前noteでも理想のアイテムの中に入れている。

右手真ん中。靴のnoteで挙げたトリッペンのブーツもいますね。

見た目は私的にパーフェクト。買うならどの形でどのサイズにするかまで決めていた。けど、買えなかった。理由は金額ももちろんあった(過去の私は自分で自分にお金を使えない性質だった為)が、もう一つ懸念事項が。それは、使っている方が「服にひっかかってほつれる」と仰っていたのだ。
こちとら生粋のうっかり者。服に引っかかるかごバッグを持って無事でいるなどとても無理そうだ。
そのような事情で、ネットで写真を見るだけの日々が続いていた。
ところが自問自答ファッションに出会って以降、この悩みは思わぬ方向で解決する。

京都旅行
それは2023年6月の京都旅行でのこと。自問自答ガールズ春田さんと一緒に壽ビルディングに行った。そこでたまたま見つけたのが、アタ製のかごバッグ。編み目が細かくて上品、そして服に引っかからなさそう!持たせて頂いたらとても良い感じだったし春田さんも似合うと褒めてくれたけど、中の巾着が私の好みではなかったこと、また価格が5万円程と私にとっては高額だったのでその場で買おうとは思わなかった。

家に帰って猛烈検索
しかしその後家に帰っても、あのかごバッグのことが忘れられない。しかし巾着が…そこでふと思い立つ。「あのブランド以外でも、アタ製のかごバッグを売っているお店はあるのでは?」調べてみると、とても似ているものがヒットした。
愛知県にあるアタ雑貨の輸入専門店、Rosily(ロージリー)。
ひょっとしたらここの製品を、壽ビルディングに入るお店が仕入れて巾着だけ別に作っていた可能性もありそうなくらい似ていた。

お問い合わせ
しかしオンラインショップには在庫がない。入荷時期も書いていない。他のオンラインショップも検索してみたが、高島屋のオンラインストアにRosilyの商品があるだけだった。しかも高島屋の方は情報が少なく、私の欲しいランクかどうかわからない。(Rosilyのアタバッグは、編み目の細かさにより価格が違う)そして私の欲しいものだとしたら、ちょっと割高だった。うーん、巾着の色は高島屋のほうが好みかも?でも何より写真が少なくて、これだけでは決められない。
巾着は自分で好きなのを買う手もあるな、と思ったので、Rosilyに入荷時期について問い合わせてみた。
するとすぐに丁寧なご回答が届き、「入荷時期は7月末だが待っている人がたくさんいて先着順。同じ商品で巾着だけ違うものが高島屋のオンラインストアでわずかにある。」とのことだった。高島屋の商品、同じものだった!
なるほど、本店の再入荷を待っても自分にいつ順番が回ってくるかわからない。私はこの夏の制服としてこの鞄を持ちたい。一番確実なのは、高島屋のオンラインストアから購入することだ。

迷いの末に
とはいえめちゃくちゃに迷った。ただでさえ私は買ったことがない鞄の金額、しかも欲しかった山ぶどうのかごバッグ(海外産)の倍以上、なおかつ高島屋のものは巾着が遠州紬のため4千円ほど高い。
待てば安く手に入るのではないか。でもそれっていつ?この夏に間に合わないかもしれない。どうしよう…。

よし、買おう!
もともと巾着は高島屋の方が好みだし、早く確実に手に入れるために割高になるのも致し方ない。私はこのバッグとともにこの夏を生きたいんだ!
と脳が決めた後も身体はまだ追いつかず、もの凄い動悸に襲われながら、何度も商品を確認して購入ボタンを押した。思えばあの時が、私が自らの殻を破った瞬間だったかもしれない。

届いた
数日のうちに商品が届いた。開けてみたら理想通りの姿かたち、嬉しい!巾着もリバーシブルのうち一つの方はアリな気がする。
そしてRosilyの担当者の方からメールのやりとりの中で「持ち手が破損した場合も修繕可能」という情報を頂けた。
小躍りしながら届いた喜びをツイートした。

持ってみて
単なる外出がとっても楽しくなった。特に鞄は、お出かけ用の制服を着られない時でも持ち歩けるのが良い。まさに自己紹介。冬場も使った。

今どのように使っているか
2024年夏から現在のおでかけ制服用ではなくなってしまったが、相変わらず使っている。ちょっとスーパーやドラッグストアに行くときに、必要なものだけ放り込んでいけるのがとっても便利。それが自分のお気に入りだからさらにウキウキする。
ただ、巾着はほぼ使わなくなりました・・・。都会に行くときは防犯も兼ねて巾着に入れているけど、普段はそのままぽいぽい入れている。中の編み目もガサガサしていないからできる所業だね。

まとめ
買ってよかった!とっても満足している。
それとは別に、振り返ると「山ぶどうのかごバッグ、買っておいても良かったな…」と思う。何せ10年ほど憧れていたのだ。例え服が引っかかったとしても、買って持っていればきっと楽しかったと思う。あと今回のトップ画みたいに、かごバッグの中にお花を入れて飾るのに今とても憧れていて、「今ここに使っていない山ぶどうのかごバッグがあれば…!」と思ったりもする。
しかし今回のアタバッグに出会ったのは、かごバッグを探し続けていたからだとも言えるんだよね…。もしもの話だし結論は出せないけど、なんにせよ巡り合わせにより今のかごバッグを手に入れられたのはとっても嬉しい。

叫びは
「自問自答ファッション、始めました!」
です。
鞄は自己紹介。1年目の私に一番しっくりと寄り添ってくれたのはこの鞄だったと思う。

以上、私と鞄の歴史でした。後半は禁断の使い魔と、新しく迎えたサブ使い魔(兼自己紹介バッグ)の話です。
<後半へ続く>