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ココのこと

いつも一番そばに居て、私の匂いを嗅ぎ、母のように慕ってくれるココ。

実はあんまり何も考えていない。
私のこと以外は。
ただ、そこに膝があるから乗る。
暖かい場所だからそこに居る。

そんな猫。

物を倒す。
あんまり考えてないから、物を避けて通るということが出来にくい。

私の見解からしたらとても猫っぽくない猫。

猫というのは割と思慮深く、お世話する人の思いを汲んで優しく包み込むように生きているのだと思っていた。

それは違う、人間の思い過ごしだと思い知らしてくれたのがココだ。

ココは個人経営の保護施設にいた。
若い二十代くらいの女性が一人で切り盛りする山奥のログハウスのような施設だった。

当初の目的はココではなく、片目を病気で潰したグレーのキジ猫に思いを馳せての参戦だった。
いざ逢ってみたグレー猫は、毛並みも美しくどことなく洋猫を思わせる雰囲気が…。
英語をしゃべりだしそうな顔をしていたように思う。
施設の女性に聞くと、人の声をしっかり聞ける頭の良い優等生ですとの事。

でもでも、待って。
その時すでに、ココが私の膝の上にちゃっかりと居場所を見つけ、スヤスヤと寝息をたててしまっていたのだ。

ココはまだ幼く、月齢としては引き渡すのは早過ぎて危険と判断されていた。

保護された当時の様子は、目と鼻が目ヤニだらけで膨れ上がり、まるでスターウォーズのヨーダに似ていたという事だった。
愛情込めて「ブサイクちゃん」と呼ばれていた。

保護施設を後にし、帰る道すがらブサイクちゃんについて思い巡らせた。
保護施設の女性によると、とにかく人の顔の近くに寄り添って寝たがりの甘えっ子ちゃんであるとの事。

可愛い、という感情が溢れ出た(最大級のハート印)。
膝の上の小さな暖かみを思い出す。

帰り道すぐに連絡し、ブサイクちゃんを我が家にお迎えしたいのですが、とお伝え。意外にもすぐに快くokが出た。毎夜一緒に顔を突き合わせて眠っていたら手放すのが辛くなるのではないかと勘繰ったが、そこは百戦錬磨の保護活動家。ただ、3ヶ月は経過してからの譲渡となりますとの事。
この方のこれまでの経験上、月齢の浅い子の譲渡の健康上でのトラブルが多いのだそうだ。

待ちに待った月齢3ヶ月目、晴れてうちの子になってくれたココは、相変わらず暖かそうな膝を見つけてはくつろぎ、背中やお腹に乗り、悠々自適の猫生を過ごして来た。

ちょっと若い時のピチピチなココちゃん❤️
今撮ったばかりの眠そうなココちゃん 2024.2.28

ココは私が辛い時も、上機嫌でハメを外している時も、YouTubeの大食い動画にハマってぼーっと画面を見ているだけの廃人のような日々も、ずっと変わらず側に居て膝を暖めてくれた。私にとっては生きていく上では欠かせない、ありがたい、ありがたい猫だ。

先のことを考えるのは止そう。

ココちゃん、今夜も一緒に寝てくれるんでしょ?猫たんぽ、よろしくね。

でもたまには爪を切らせてください。
あなた最近歳とってきて気難しく我儘さんになってきたから、また何にも考えずに爪切りの最中本気噛みされるの怖いわ。

これからも、よろしくね。
可愛いココ。



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