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「化学物資過敏症」って知っている?
ようやく「化学物資過敏症」(渡井健太郎著 集英社)が
発刊されましたね。
アレルギー症とは違うのに「誤診」されて、治療方法を間違えたり
気にしすぎて「放置」されていたりして
危険性が指摘されながら、混乱している現状に対して
ようやく専門書が出版されたのです。
最近は、やたらに化粧品の宣伝が多いですね。
多種多様な化学物質が、環境に変化を与え、
日常生活に影響を与えていることを、もっと注目していいと思います。
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蕁麻疹・鼻汁・咳・腹痛・下痢・吐き気・・・多くは「嗅覚過敏」なのでそうです。
「化学物資過敏症」って、知っていますか?
パワハラ。セクハラと同じように「スメハラ」が問題になっていますね。「香り」に含まれている化学物質が、めまい・吐き気・思考力の低下を引き起こしているのです。香りが「化学物資過敏症」の悪化要因だといわれます。
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「香り」は嗅覚を刺激し、記憶に関わる海馬に影響しますから、「香水」をつけている人の近くにいると「不快」になる時がありますね。
香りが脳と密接に関連し、化学物質の「負の側面」が起こるからです。
「化学物資過敏症」について、専門家の協力を得てまとめます。
スメハラは自分では気が付かないから「怖い」
「コロナでアルコール消毒を繰り返していたら、指先がボロボロになった」
「タオルの柔軟剤を使ったら、臭いで頭が痛くなった!」
「軽く化粧をしただけなのに、アレルギーになって皮膚科に行ってきた!」と電話がきました。 かなり深刻なようでした。
最近「お肌がスベスベになります」という化粧品の宣伝が目立ちます。
化粧品は「化粧品」・「医薬部外品」・「薬用化粧品」の3つに分かれますね。いろいろな角度から「化学物資」について考える必要があるように思います。
日常品に含まれる多量の「化学物質」に注意しよう!
日常品に含まれる「化学物質」は、接着剤・塗料・排気ガス・殺虫剤など使われる範囲が広く、複合作用の影響も大きいので、単独で分析・研究するより、「系統的な研究結果」を共有化し、市民レベルの議論も重要ですね。
古代エジプトのアイシャドウ―は、虫よけ・眼病予防などからだと言われますが、歴史的に見ても「美しくなりたい」という人間の本能が、あらゆる国・地域で「化粧品の開発・化粧方法」を発達させました。
化粧文化を否定するのではなく、
接着剤・合成洗剤・香水・整髪料などと併せて、
「人工的な物質」について科学的な副作用・弊害について「知見」を共有することが大切ですね。
「治療法」ができていないから 「予防情報」が大事
「化学物資過激症」は、自律神経系・免疫系・内分泌系など、人によって反応発症する物質と症状が異なるので、症状の多様性から研究方法の複雑さがありますから「治療法」が確立できていないようです。
「治療」より「予防」の知識・情報が、私たちに必要のようです。
アレルギーと化学物資過敏症は「異なる」
友人の専門医に聞いてみると、化学物資過敏症は、いわゆる「アレルギー症」とは異なる病気であり、化学物資過敏症そのものにはアレルギーの薬は効かないようです。
喘息は気管支が敏感な病気、
アトピー性皮膚炎は皮膚が敏感な病気であり、
化学物資過敏症は「脳が敏感な病気」のようです。
今後は、少々専門的になっても、素人に理解できるような「知識・見解」が欲しいですね。
「医学」だけでなく、「化学・バイオ・農学・環境工学」など異なる分野から研究を進めると良いと思います。
<チョット寄り道> 皮膚癌につながる恐れがある
最近、友人が「皮膚癌」になり、顔面と頭皮の手術をしました。
彼女は、厚化粧をする人だったので「化学物質過敏症(Chemical Sensitivity=CS)」を恐れています。
調べたら、小児では男児に若干多く成人では圧倒的に女性に多いそうです。
厚生省に「アレルギー研究班」があるようですが、一層の実践的な研究成果の公開・情報交換があるといいですね。
「未解明の部分が多い」こと、「潤沢な研究資金が不足している」のではないかと危惧しています。
研究と企業利益に「ハザマ」で・・・
最近、各地で検出が続く「PFAS(有機フッ素化合物)」についても、水質管理の基準を強化し、健康への影響を調査する必要があるという指摘があります。まだ、科学的な知見の蓄積が不十分のようですが、
アメリカで「発がん性の疑い」が指摘されるなど、海外で規制が厳しくなっているようです。
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最近、日本のマスコミも取り上げ始めましたね
1962年に『沈黙の春』で、レイチェル・カーソン女史が「DDTの危険性」を指摘しましたが、60年も経過していて、研究と企業が「利害が対立する状況」は変わっていないですね。
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良心的な研究が押しつぶされないようにしないといけません。「公害」の二の舞を踏むことにならないように・・・。
「複合汚染」は、解明が難しいから難題です
1974年~1975年,朝日新聞紙上に連載された有吉佐和子著の長編小説「複合汚染」は、環境汚染の問題について警鐘を鳴らすものでした。
著者は農薬・化学肥料が生態系に与える悪影響・合成着色料の危険性などを警告しています。
「複合汚染」とは、2種類以上の汚染物質が、環境中や生体内で,相乗的・相互干渉的に影響し合い,被害を大きくする汚染のことです。
1974年当時は、すでに水俣病など「公害」問題の深刻さが意識されていましたが、「個々の現象」を単独に捉えるのではなく、自然環境の破壊という大きな問題意識の中で「関連づけて考える」べきであるという観点が重要でした。
このテーマは、化学・生物学など自然科学の専門的知見に関わるだけでなく、行政やメーカー企業などに影響するものでしたから、発表当時から「危険度の指摘は誇張である」といった専門家からの反論・反発・批判がありました。
この「工業廃液や合成洗剤が、河川を汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は、食物を通じて人体に蓄積される」という指摘は、いまだに解決されていませんね。
<チョット寄り道> 日本の公害問題
日本の4大公害病は,「水俣病」、「新潟水俣病」、「四日市ぜんそく」、「イタイイタイ病」です。
公害問題は、明治期以来の産業振興や戦後復興、経済発展を目指すという社会的背景がありました。特に、高度経済成長期に注目を集めるようになりました。
「水俣病」は、1956年に公式確認された公害です。メチル水銀化合物に汚染された魚介類を長期間たくさん食べることによって起きる「中毒性の神経系疾患」です。
「新潟水俣病」は、化学工場で、アセトアルデヒド製造中に副生された「メチル水銀」が、また工場で使用されていた無機水銀が河川に排出され、細菌の働きによってメチル化され、魚などに蓄積し、それを長期間食べたことによって発生しました。
「四日市ぜんそく」は、主に石油化学コンビナートから排出された硫黄酸化物からの発生です。
「イタイイタイ病」は、腰や肩、ひざなどの痛みから始まり、症状が重くなると骨折をくり返すようになります。患者が「イタイ、イタイ」と苦しみ衰弱する病気です。
富山県に県立「イタイイタイ病資料館」があります。見学を勧めます。
化学物資過敏症は「脳が敏感になる病気」であることに留意!
専門家によれば、化学物資過敏症は「脳が敏感な病気」だから
アトピー性皮膚炎と混乱しないようにしなくてはいけないといいます。
「皮膚が敏感な病気」のアトピーと混乱して、治療法を間違えると危険です。
「美しくなりたい」という気持ちで、厚化粧が好きな人は、
特に注意する必要があるようですが、この分野の専門医が不足しているようです。投薬などの「治療法」が確立していないから、「予防」に注意することが大切なようです。